2月15日(月)の記 「アメリカ人をぶち殺せ!」 (2021/02/16)
「アメリカ人をぶち殺せ!」 ブラジルにて
今日のタイトル「アメリカ人をぶち殺せ!」は雑誌『主婦之友』1944年12月号の表紙に踊る言葉だ。
早川タダノリさんの『神国日本のトンデモ決戦生活』(ちくま文庫)を読了。 まことに貴重な文庫本だ。
「神がかりプロパガンダと大衆動員によって作り出されたグロテスクな反-理想郷(ディストピア)がここにある。しかし、これは近未来の日本の姿ではないと言い切れるだろうか?」 これは裏表紙の文。
当時の資料への早川さんの解説の切れ味が鋭く鮮やかだ。 たとえば「アメリカ人をぶち殺せ!」特集の匿名記事「敵のほざく戦後日本処分案」を引用しよう。 「働ける男は奴隷として全部ニューギニア、ボルネオ島の開拓に使ふのだ。女は黒人の妻にする。子供は去勢してしまふ。かくして日本人の血を絶やしてしまへ……日本の子供は不具にするに限る。目を抉(えぐ)つたり……片腕や片脚を切り取つたり、ありとあらゆる形の不具を作るのだ。」 この部分への解説を以下に引用する。 「実はわが帝国軍隊が中国でやったことのアレンジだから、当時はリアリティを持って受け取られたのです。」
祖国、そしてブラジル日系社会の今を考えるうえで、この本から学ぶことは増えるばかりだ。
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