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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2021年の日記  (最終更新日 : 2021/10/28)
9月4日(土)の記 大寺小寺

9月4日(土)の記 大寺小寺 (2021/09/04) 大寺小寺
ブラジルにて


大サルガドの自伝をなんとか読み終える。
西暦2013年にフランス語版が出されて、翌年の刊行のポルトガル語版を購入していた。

ポ語のタイトルは『Da minha terra à Terra』。
これは日本語の直訳ではその味わいを伝えにくい。
『わが故郷から地球へ』といったところだが、小文字のterraは故郷、大文字ではじまると地球の意になるのだ。

Isabelle Francq というジャーナリストとの共著で、サルガドがまさしく地球各地への取材の旅の合間に彼女に語ったものをまとめた形だ。
おそらくサルガドは母語ではないフランス語で語ったのだろう。
それがフランス語でまとめられたものが翻訳されたためか、ポ語がネイティヴではない僕には読みやすくわかりやすかった。

ただいま執筆中の原稿でセバスチャン・サルガドのパンデミック以降の活動に言及するつもりだが、まことにすごい人だ。

昨日未明、その前日限定でブラジルの大手銀行のカルチャー部門が登録者に無料オンライン公開した映画『A Ultima Floresta(最後の森林)』を視聴できた。
違法の金採掘人の侵入に苦しめられるアマゾンの先住民ヤノマモの話で、国際的な評判となっている。
これまで鑑賞に機会を逸して、サンパウロで来週から始まる劇場公開に行ってみようと思っていた。
この映画はヤノマモのオピニオンリーダーにしてシャーマン、国際的に知られるDavi Kopenawaが共同脚本であり、主役である。
ついにヤノマモたちが制作陣として参加してこれだけの映画をつくるようになったか。
感無量。

わが『すばらしい世界旅行』の取材から35年余り。
僕の取材班の訪問の2年後から金採掘人のまさしく暴力的な侵入が始まった。
日本のテレビクルーによる犯罪的な取材に気を病んでいた。

劣悪な状況下でのこうした人たちとこうした仕事の存在は、希望そのもの。
僕は非力微力なりに自分の力量での自分なりの仕事をすればいいよ、と慰めてもらった思い。




 


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