3月29日(金)の記 原子力の秘密 (2024/03/31)
原子力の秘密 ブラジルにて
昨日から今晩まで、こちらの親類宅でおさんどん役の泊り。 読みかけの『原子力の秘密』を供とした。
あかね書房「少年少女 20世紀の記録」シリーズのひとつで「ノーチラス号北極横断記」も併録されている。 「原子力の秘密」の著者は「原子力の父」と呼ばれるエンリーコ・フェルミの妻となった物理学者ラウーラ・フェルミ!
原著は西暦1961年発行だが、この本は1967年の刊行。 「小学上級~中学生向」とあるが、冒頭から始まる原子力とは何かについての解説は恥ずかしながら今の僕にもむずかしい。
このシリーズには「現役小学生」時代に接していたように思うが、当時からこの巻は敬遠していただろう。
映画『オッペンハイマー』がようやく日本でも公開となり、「一部で」原子力研究・開発の人脈が話題になっているが、そもそもややこしい。 この本はパンデミック前にどこだったか日本の古本屋で見つけて購入、日本の実家に置いてあったものをこちらに持参した。
さて。 フェルミ夫人の「原子力の秘密」でも併録の「ノーチラス号」でも本文中にはわずかであるが原子力のリスクについて言及されている。 ところが崎山範行という訳者の解説には、ばら色の未来な放射能礼賛が展開されるのみ。 この人の名前で検索すると、相当数の本が出てくる。
少年少女たちにこそ、ノンフィクションから批判的な視点と問題意識を養ってもらいたいものだ。 解説者の責任は重い。
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