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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2024年の日記  (最終更新日 : 2024/05/03)
4月8日(月)の記 京城通信

4月8日(月)の記 京城通信 (2024/04/09) 京城通信
ブラジルにて


ちょうど昼時刻にわが家に戻る。
わが共同住宅では、8日か9日、つまり今日か明日に各戸のガスの検査があるという。
時間は午前8時から午後8時までの間。
その時間にしかるべき人間が在宅していないと、そこのガスは閉じられたままになるそうな。

そもそも前日までに日にちはどちらかもわからない始末。
炊事はもとよりシャワーの温水もガス仕立てだから、ガスがないとお手上げである。
わが棟の門番に聞くと、わが棟には今日の午後に来る見込みの由。

かなりあいまいなので、ネイティブブラジル人の住民たちが混乱している。
僕あたりがうろたえるのも、むべなるかな。
そんなわけでガスの件が片付くまで外出もできない。

で、ネットフリックスの途中まで見ていたドラマの続きを見ることに。
『京城クリエイチャー』。
第二次大戦中の日本植民地下の朝鮮・京城が舞台。
日本軍は現地住民を拉致して病院の地下で人体実験を繰り返し、想像を絶する怪生物をつくり出してしまった。

病院に潜入した朝鮮人の女性探偵:ヒロインが狂気の実験を繰り広げる日本軍将校に日本語でぶつけるセリフを何度も聞き直して書き起こしてみた。
「あんたたちのその稚拙な劣等感を隠せると思うのか。」

聴き取りにくいが、こんなところだろう。
言葉はかたいが、それ以上に重く、深い。

周辺国の人たちに対する日本人の異常なまでの差別意識は、自分たちの稚拙な劣等感の裏返しと考えるとわかりやすいかもしれない。

いまかいまかと夕方まで待って。
ガスの点検はあっけなく終わった。

いまさら炊事をする気も起らず、今日は外食だな。
    







 


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