4月18日(木)の記 もてなす人 (2024/04/23)
もてなす人 ブラジルにて
パラナ州クリチーバで秋の朝を迎える。 シスターたちと早朝にカフェをいただき、朝の遅くなった佐々木神父の起床を待ってふたたび朝食のご相伴にあずかる。
神父さんは耳が遠くなり、普通の会話がむずかしくなった。 キッチンでの朝食のあと、ふたりで隣のリビングルームに河岸を変える。
今晩もここに泊めてもらうつもりだが、神父さんは「今日お帰りですか」と何度か尋ねてくる。 これまでもあまり気をつかわせないようにクリチーバには神父さんの見舞いのついでにミュージアムまわりをするのが楽しみ、と伝えてある。 今日も終日、神父さんに寄り添うつもりだが「今日はどこのムゼウ(ミュージアム)に行かれますか?」との質問が始まった。 今日はずっとここにいるつもり、とゆっくり、口を大きく動かして大声で伝える。 すると、近くにいい公園があるから誰かシスターに頼んで連れて行ってもらうといい、とおっしゃる。
神父さんのフマニタス時代もそうだったが、シスターたちもスタッフも自分の本来の仕事だけで精一杯以上をされている。 とてもこっちの勝手でさらにわずらわせることはできない。
はて、ひょっとすると神父さんはオカムラがいるのはウザいと思われているのだろうか? ウザいことのお嫌いな人である。
そうこうしているうちにようやく話のとばぐちにあたったようで、そのまま聴き手に回る。 あとでシスターに尋ねてみた。 先日、神父さんの親戚が見舞いに訪ねてきた時も、どこそこに(観光に)行くといい、としきりに勧めていたという。
そういう、おもてなしの人なのだなあ。 ウラもなさそうだけど。
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