4月26日(金)の記 ブラジルで読む『山形怪談』 (2024/05/01)
ブラジルで読む『山形怪談』 ブラジルにて
昨日からのサンパウロ市内お泊り奉公は一泊のみ。 諸々のリスクをかんがみてノートPCは持参せず。
代わりに読むべき資料をいろいろ持参したが、いじりもせず… 読みかけていた文庫本の『山形怪談』(黒木あるじ著、竹書房)を深夜から早朝までかけて読了。
これは先の訪日の際、山形県寒河江市の松田書店で買ったもの。 店舗ビルにあるこの書店はなかなかの品揃えだが、ほかに客がいることは珍しい。 先回は、訪日時に要購入、と思いつつ控えもせず忘れていた本がよりによってここで目に入り、この本とともに購入。 ご当地本風で全国区で出されたこの本はコンビニにでもありそうなタイトルだが、けっこうしっかりしている。
僕は親類の縁で山形にはそこそこ通い、キライではないのでこの手の話も聞いてきている。 そうした知見からうかがえる「通」ならではの山形の独自性がよく書き込まれているのだ。
たとえば青森恐山のイタコに通じる女性シャーマンの山形ご当地版「オナカマ」など。 それに「残存縄文」研究者のはしくれとしては、今日まで伝わる東北の習俗には縄文期にさかのぼれそうなものがあるとにらんでいるのだが「これはいけるかも」というエピソードもいくつか収録されている。
著者の黒木あるじさんは、山形ではストレンジャーだったが地元の映像制作会社に勤務してこの方面にのめり込んでいった由。 この本は外部の者だからこそ、地元でもないがしろにされている事象によけい興味の持てて成果をあげた好例だ。 「山形新聞」など地元メディアの怪談資料を日付明記で引用されているのもうれしい。
興味津々の参考文献もあり、さっそく入手可能か調べてみた。
さて、帰宅。 いよいよ懸念の原稿のファイナルウオーズ作戦に突入だ。
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