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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2025年の日記  (最終更新日 : 2025/04/24)
4月7日(月)の記 イメージのイメージ

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ブラジルにて


土日はこっちが控えたが…
今日も午後、ドキュメンタリー映画祭のなかから一本、見ておくことにする。
『Mundurukuyü – A Floresta das Mulheres-Peixe』、
邦訳すると『ムンドゥルクユ 森の魚女』といったところ。

「ムンドゥルク」はアマゾン川の大支流タパジョス川流域に生きる先住民グループの名前。
僕の作品にもこの人たちが登場している。

近年、日本の一部のメディアが「アマゾンの水俣病」と喧伝しているのは、この人たちを取り上げている。
この作品でも現地の金採掘と水銀汚染問題に言及されているが、「水銀の病気」という言葉が使われていて、ミナマタという語は聞こえてこない。

さて、この作品はグループの若い女性三人が、長老たちの語る神話をビデオカメラを用いて記録していく、という話。

人獣婚姻譚などが語られるのだが、それが非先住民の作家によるアニメで表現される。

ネイティヴの言葉で語られる神話の喚起するはかりしれないイメージが、型に押し込められてしまう窮屈さを感じる。

かつて、『ブラジルに渡った浦島太郎』と副題をつけてみた作品に取り組んでいた時。
丹後にある浦島太郎のミュージアムを訪ねた。
そのミュージアムが作成した浦島太郎の動画が上映されるのだが…

当時としては最新の技術を用いたのだろうが、このムンドゥルクのアニメ以上に僕はしらけてしまった。

さて、今日の映画。
長老の話を撮影する先住民の女性たちそのものが撮影されていて。
映画の製作そのものは、ブラジルを代表する巨大メディアグループ。

これまでもこの手のものは、そこそこ見てきた。
部族のメンバーが、その神話を演じてみるようなのはそれなりに面白くもあるのだけれども。

いまの我々が追い付かないイメージの世界をたいせつにしたい、と僕は思う。






 


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