4月8日(火)の記 ハンフリー (2025/04/10)
ハンフリー ブラジルにて
ただいま編集中の作品は、かたりくちがむずかしく、微妙。 ナレーションも練りながらの編集で、先作よりはるかに手間取り、尺としてははかどらない。
そんななか、今日も午後からドキュメンタリー映画祭に。 Humphry Jennings というイギリスの監督の回顧上映プログラムをチョイス。
『London Can Take It!』という1940年製作の作品が気になって。 すでにヨーロッパは第二次大戦に突入。 ナチスドイツの空襲にさらされるロンドンの「日常」の記録だ。
空襲下でも市民は「日常」を続け、敵襲にもしっかり備えている、というお話。 ズバリ国策プロパガンダの範疇だが、空襲下でこれだけの映画を作るというのがすごい。
祖国、当時の大日本帝国は…、 日米開戦前は、名取洋之助による国策対外グラフィック誌等には目覚ましいものがあった。 本土空襲が始まった時期には、後世の僕でも注目するのは、藤田嗣治の戦争画ぐらいか。
東京大空襲のあとには被災地視察に出た天皇の目から焼死体を隠すことには権力側は尽力したようだが、記録とアートはどうだったか。
こうして考えると、黒澤明監督が戦時中から『虎の尾の踏む男たち』の撮影を開始して、天皇の玉音放送の後も撮影を続けて完成させたというのは、驚異かも。
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