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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2025年の日記  (最終更新日 : 2025/07/02)
6月24日(火)の記 いやしをさかのぼる

6月24日(火)の記 いやしをさかのぼる (2025/07/01) いやしをさかのぼる
ブラジルにて


病院の付き添いは個室といえどもなかなか眠れたものではない。
午前中に交代要員が来て、引継ぎ。

去り際に、この病院の入り口の壁画をふたたび眺める。
『新約聖書』に活写されたイエスのいやしの奇跡が七景、描かれている。
今日のインスタは、このうち一景のアップとしよう。
https://www.instagram.com/p/DLasSSwvO-4/

「いやし」という言葉は趣深いが、「癒し系」などといっきに手垢にまみれて「チープ化」してしまった感がある。
よって意識的にあまり口にしないようにしている。

ところで「いやし」という言葉はどこから来たのだろう?
語源を検索してみると、ヨコモジがでてきた。
healing はhealth と同源であり、holy も同源らしい。
まさか「いえす」が語源ではあるまいな。

で、日本語の「いやす」の語源は?
これには、円覚寺のウエブサイトが言及していた。
https://www.engakuji.or.jp/blog/35598/
文化人類学者の上田紀行さんが調べたところ、日本の新聞にはじめて「癒し」の語が見つかったのは、西暦1988年だという。
これは驚き。

そして動詞は「いえる」であると言及されている。
その漢字のなりたちは、なかをくりぬいた丸木舟というではないか。

文豪・谷崎潤一郎が版画家の棟方志功をよんだ「眼病の棟方志功眼を剥きて猛然と彫(え)るよ森羅万象」といううたがある。

このうたの「彫るよ」を「いえるよ」と僕は覚えてきた。
そうしたルビを振ってあるものに青年時代に触れてそう覚えてきたのだろう。

Holy を掘りて彫りて…
これは以前に書いた覚えがあるが「森羅万象」の語もたっぷりおとしめられてしまったなあ。





 


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