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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2026年の日記  (最終更新日 : 2026/09/15)
5月の日記 総集編 デジタルごみ屋敷

5月の日記 総集編 デジタルごみ屋敷 (2026/05/06) 5月1日(金)の記 山中の柱の聖母
ブラジルにて


思い切って早朝に出家。
SNSで知った「柱の聖母」のフェスタに行ってみることにした。
場所は、大サンパウロ圏の果て、おそらく山中。

メトロを乗り換えて、さらに郊外列車に乗って、駅からバス。
祭日ダイヤなのか、スマホの表示の列車が途中までしか行かない。
あとで、昨日に生じた事故の影響と知る。

いやはや、バスはどんどん町を外れ、山を登っていく。
あまり期待はしていなかったが、サイクリングやマラソンでの「巡礼」参加者がそこそこいるではないか。

山中の小さな古いチャペルの横に仮設の大舞台が築かれていて、並べられた椅子はいっぱい。
なんとか空席にありつく。

「柱の聖母」は検索してみるとスペインの守護聖母である。
ほんらいの彼女の祭日は、10月。

それがどうしてこの山中の古堂にまつられて、今日が祝日となったのか?
ここに来て野外での記念ミサのあとの、チャペルでの巡礼グループ相手の解説を聞いてようやくそこそこわかった。

祭りは今日から三日間、夜は音楽ショーが連日あるようだ。
その準備の大音響で、肝心のチャペルのなかでの解説が聞き取れない。

帰りのバスもスマホに出てくる時間のは来ない・・・
が、そのおかげで回り道覚悟で乗ったバスから、息を呑む絶景に接することができた。
ブラジルに来て屈指の光景だったかも。

今日のように、行ってみなければよくわからない、それでいて地元ではそこそこ知られている祭りというのがなんだかおもしろい。


5月2日(土)の記 ロウソクの不燃焼
ブラジルにて


ロウソクのことを書こうと思って。
ブラジルのカトリック教会やアマゾンの「死者の日」とロウソクのことでも書こうかと思いつつ...
画家の高島野十郎の目録を取り出す。

うーむ、やはり彼のロウソク画群はすごい。
いま気づいたが、彼の描くロウソクの炎はやたらに細長いものばかり。
かたやロウソクの残りは少ない観。
じっさいにこんな炎は生じるのだろうか?

ファラデーの『ロウソクの科学』角川文庫版をようやく読み上げた。
これはパンデミックの時期に入手。
日本の友人が、ブラジルへの航空便が途絶えたので船便でものを送りたい、希望のものがあればどうぞ、と言ってくれて。
その頃、気になっていたこの本をお願いした次第。

いらい何度か読み始めては、途中で挫折していた。
出だしはおもしろいのだが、だんだん理解が追い付かなくなってしまって。

そもそも小学校の図書室ぐらいから背表紙を見ていた本である。
検索してみると、小学校中学年から、とある。
こっちはそのレベルの科学・化学の知識もむずかしいのか、となさけなくなる。

それにしても正直、読みにくい。
原版からあったとみられる図がいくつも掲示されているが、それが本文中のずばりどれに相当するのかもわからない。
いっぽう、たとえば「ほや」という言葉が注解抜きに出てくる。
だが今どきの小学生はおろか、現在の日本の総理大臣クラスだと、せいぜい海幸の「ほや」ぐらいしかわからないのではないだろうか。

角川文庫版の初版は西暦1962年発行。
改版はされているが、改訳はされていないようだ。

日本語で検索を続けると、識者の解説でも、わかりづらいところは飛ばして、といった記載があった。
そうか、オレだけがわかりづらいのではなかったのか。

せっかく送ってもらったものであり、挫折したままにしておくのも自分によくないと思って、今回またはじめから読み切ってみた。

ようやく達成...
いまさらながら少しはバケガク好きになるということはなさそうだけど。

角川文庫版は、なんと原著の発行年の記載も見当たらない。
もとになった講演は1861年とのことだが。
角川文庫は奥付にある発行や改版の年も元号の記載しかなく、わかりづらい。

なにか「今様」な新・ロウソクの科学が読みたいものだ。
より博物学的な。
ファラデーも日本のロウソクについて言及している。
そういえば水俣の山手の方で和ロウソクづくり体験ができるという場所があったっけ。


5月3日(日)の記 QUERIDA AMAZONIA
ブラジルにて


あれこれあってブランクの生じてしまった『千住博 南米流転』シリーズの編集を再開して。
おかげさまで第七巻『浸水林の森の母』、仕上げの段階に向かっています。

第七巻では、いよいよ千住画伯と乾季の大アマゾンの浸水林へと向かう。
アマゾンについてのいくつかのデータを字幕で盛り込むことにした。
そのため、あれこれ資料・文献、当時のメモをチェック。

日本で入手した教皇フランシスコの『使徒的勧告 愛するアマゾン』(カトリック中央協議会)をこの機会に読み進めている。
これはポルトガル語版を先に入手していて、冊子程度の厚さだがスラスラとは読み進められないでいた。
日本語版があったとは、ありがたい。

このなかに「詩だけが、自らの声の謙虚さで、この世界を救うことができるのです。」という引用句があり、註がついていた。

なんと出典はボサノバの大御所Vinicius de Moraesの「A transformação pela poesia」(詩のための変容)だとある。
Viniciusは名曲『イパネマの娘』の作詞などで知られているブラジルの巨匠。

この日本語訳は、いまひとつ僕にはわかりにくい。
こういう時はポ語版が手もとにあるのがありがたし。

ポ語版は、
A esse mundo, só a poesia poderá salvar, e a humildade diante da sua voz.
ポ語の語順をたいせつに試訳。
「この世界は、詩だけが救うことができる。そしてその声にこめられた謙虚さが。」
といったところだが、言語そのものがすっきり来る感じ。

ヴィニシウスにこんな本があるのかと思って註をよく読むと、これは西暦1946年にリオデジャネイロで発行されていた新聞『A Manhã』に寄稿されたものとのこと。
それが西暦2020年にウエブサイトで五か国語で発表された(日本語は、なし)ローマ教皇の勧告に引用されている、というのがなんだかうれしい。

わが作品も、それにこめている謙虚さをたいせつにしたい。

この「勧告」のなかの言葉を拙作にも引用したくなってくるが、あせらずまたの機会を待とうか。


5月4日(月)の記 アマゾンからパラナへ
ブラジルにて


『千住博 南米流転』シリーズ最新作の第七巻『浸水林の森の母』の最終チェックと調整を行なって。
次いでデータ化をはかり、まずはニューヨークの千住先生の事務所に電送。

さて。
昨年11月に帰天された佐々木治夫神父について、かつて撮影したものの未編集未発表となっている素材を発掘してみようと考えている。

いったん発掘したはずの素材群がまた埋もれてしまったようで、いやはや。


5月5日(火)の記 車検じゃけん
ブラジルにて


祖国で自動車を所有していたことがないので「車検」というのがよくわからないでいた。

検索。
ふむ、新車登録から3年後、以下は2年ごとに必ず検査をする義務があるのか。
ブラジルには、これがない、はず。

というわけでこちらでは自主的にディーラーやメカニックのところに持ち込むということになる。
ディーラーは一年ごとの点検を推奨している。

いっぽうディーラーだと、なかなかの金額になる。
ということもあり、ワタクチもかつては町場のメカニックに出していた。
が、思わぬ見落としなどもあり。

昨今は一年ウンヶ月ぐらいでディーラーに出している。
ズルズルと引き延ばして、今日がその日。

さして走ってもいないので、特に問題はなし。
朝、出して、夕方にはピックアップ可能となった。

想定金額より50パーセントぐらい高くついたけれど。
こまかい傷も直してくれたが、このモノイリは大きい。

いやはや、すでに冬場に向かい18時前で外は真っ暗、かつラッシュ。
帰路は暗くて交通量の多いはじめてのルートを行くことになる。
点検後のクルマはどこか少し勝手が違い、さっそくジコるのでは、とヒヤヒヤ。

思えば、いまだに自分が異国でクルマを運転しているのが信じられなくなることあり。


5月6日(水)の記 恥の上書き
ブラジルにて


昨日、YouTubeにて公開をはじめた『千住博 南米流転』シリーズ第七巻『浸水林の森の母』。

編集作業のノリも出てきた感があり、さっそく故・佐々木治夫神父関連の動画編集に着手。

と、向こうは深夜だが、日本の友人からメッセージ。
『浸水林の森の母』について、まずは僕も気づかないでいた鋭い観察を教えてくれて。
さらに、字幕についてひょっとして間違いではないでしょうか、との指摘。

植物についてのちょっとややこしい説明の部分。
ええ!?
チェックすると、いやはやお恥ずかしいこっちのミスである。

それにしても、よくも細かく見てくれたものだ。
佐々木神父の方の作業は中断、さっそく修正作業にあたる。

原版を直して、データにして、それから新たにYouTubeにアップ。
、という手順だが、どうしたことか編集データをいじると思わぬところで新たなトラブルが発生してしまうことあり。
今日も、また。
そのため試写を繰り返して、問題があればまた作り直し。

...、なんとか今日中に改訂版をアップ。
指摘してくれた友人が、植物にも造詣が深いのは知らなかった。
橋本梧郎先生がご存命だったら、お互いよろこんだだろうなあ。

そうそう、改訂版のYouTube『千住博 南米流転 第七巻・浸水林の森の母』のアクセスを記しておきますね。
https://www.youtube.com/watch?v=0CS8xRdDQSE


5月7日(木)の記 のこりものの至福
ブラジルにて


冷蔵庫にローストチキンの胸肉あたりが残っている。
ブラジルでサルピコンと呼ばれるサラダにしようと思ったが、セロリを入手しそこねている。

そろそろ使うべきオクラがあるな…
「チキン」「オクラ」でネット検索。

いっしょに炒めるだけでよさそうだ。
ふむ、これはおいしい。
オクラをもう少し炒めてもよかったかな。

まだチキンの骨ありの部分が残っている。
これはこっちでカンジャと呼ばれるオジヤにしてみるかな。

オクラの残りは、どうしよう。


5月8日(金)の記 かくれ家の、か。
ブラジルにて


編集中の『佐々木治夫神父の福音』も、順調な感じ。
こうして千住博画伯、そして佐々木治夫神父を記録した動画を発掘してまとめていくことに、静かな喜びを覚える。

さて、午後。
どこまで行こうか。
コリアン街まで行くか、あるいは・・・
メトロでひと駅半ぐらいの距離のところにあるスーパーまで買い出しに行くことに。

その帰りに、わが隠れ家カフェに寄ることにする。
それなりの覚悟を、というと大げさかな。

わかりづらい呼び鈴をならすと、顔見知りのオーナーが登場。
あいかわらずほかに客の気配はない。
カプチーノとケーキをオーダー。

読みものも持参したが、ここの屋内は電気がついていても暗い。
今度、来るときはもっと大きな字のものを持参しよう。

そして、みどりが多いのはよろしいが、手入れがされていない。
よって、今日も蚊がよってくる!

なんとか一匹、叩き殺した。
デング熱などを媒介するハマダラカではなく、藪蚊の類。

虫除けか、携帯蚊取も持参せねば。

*ちょうどこれをアップしようとするタイミングで、こんな記事が。
「地球上のすべての『蚊』を根絶したらどうなるのか?」
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/195149


5月9日(土)の記 サンパウロ初体験
ブラジルにて


午後、日本からサンパウロ訪問中の友人と会う。
彼は中東経由の便での往復。

このあと、夕方から音楽のショーをハシゴするという。
最初の部をともにさせてもらう。
無料で、事前に入場券を入手する必要もない由。

女性のみのグループで、ブラジル北東部の音楽、民話・神話を材とした演奏と踊り。
仕切るのは北東部出身の女性だが、大サンパウロ圏で活躍している由。
女性陣の甲高い歌声に、グラウベル・ローシャの映画を想い出す。

それにしても、生音の迫力を改めて痛感。

こちらの夜のディナー会場には…
電車とメトロの乗継ぎにしてみる。

ピニェイロス駅から電車に乗るのは初めて。
ここは電車とメトロが交差して、バスターミナルもくっついている。
おや、路線を間違えたようでUターン。

すでに日は落ちて、車窓の片側は真っ暗。
ピニェイロス川の側だ。
これは日中にぜひ車窓を味わいたい。
カピヴァラに会えるかも。


5月10日(日)の記 母の日の騒擾
ブラジルにて


今日は母の日である。
ブラジルの年中行事のなかでは、そこそこの位置を占める。

こちらのグランマ存命中は一族つどっての昼食会が常だったが、今年は別モードで。

僕がなにかつくろうかと言ってみるが、いつも料理をするお父さんがまた大変だから、という声あり。
それにテマキズシでもということになると、この時期はマグロやサーモンがさらに値上がりしている観あり。

ひと駅先から少し歩くニホンショク食べ放題で、という案に傾いていた。
今日は予約は受け付けず、来た順で、とのこと。
が、外は雨となり、強くなってくるばかり。
足もとが悪い。

わが家至近のミナスジェライス(ブラジル内陸の州)料理屋にしよう、ということに。
この店は普通の終末でも行列のできる店。

僕が早めに偵察に行くが、店の前は傘を差した人たちでごった返している。
これに加わる気力はとても...

その隣にある、いつも閑散としているブラジル風シーフードの店...
ここは決して悪くはないのだが。
今日も開店、いまだ人数分の席あり。
ほかのオプションは、むずかしい。
ここに決定。

ここの海産物の土鍋料理は、まあ悪くはない、の評価に尽きるといったところ。
となりのミナス料理屋待ちの人たちがこの店の前にもぞろぞろ。
雨のなか、いまだ空席のあるこっちにしようかという人は、まれのようだ。

さあ、来年はどうするかな。


5月11日(月)の記 なべのない夜なべ
ブラジルにて


...「夜なべ」という語の語源を調べる。
「徹夜」との相違も。

囲炉裏に鍋をかけて、作業中に夜食を食べるから、といったのがまず出てくる。
もう少し掘り下げると昼の仕事を延ばす、あるいは夜を延ばすから「夜延べ」という説もあり。

定説は、ないのか。

『佐々木治夫神父の福音』をいったん仕上げて。
まず、佐々木神父のお世話をずっとしてこられたブラジル純心聖母会のシスターにお送りする。

これは西暦2017年7月の、フマニタス慈善協会での早朝のミサの説教を記録したもの。
現地は冬たけなわの時期。
祈祷室での総勢五人の参加。
ストーブをたいているのだが、静謐な環境なだけに、いま再生してみるとその音がけたたましい。

事情がわからない人は、この雑音はなんだ、ということになろう。

そのためのエクスキューズとなるショットを入れる構成にするかどうか。

最近になって、昨年あらたに大枚をはたいた動画編集ソフトの方なら、特典として音声加工のソフトがダウンロードできるらしいことを知った。

めんどくさいけど、それを試してみるか…

今日は一日断食の日なので、食事当番は免除である。

ついつい根を詰めて作業の試行錯誤を繰り返して…

なんと午前2時になってしまった。
いったん、この辺までにしておきましょう。
音いじりは、むずかしいです。


5月12日(火)の記 冬の福音
ブラジルにて


日付が今日になり午前様で編集作業を行なった動画。
数時間、制作者とともに寝かせて。
朝、ふたたびチェック。
データ化、YouTubeあげをしてから、まず関係者に再確認をお願いしる。

返信をいただいたあとで、YouTubeにて公開開始。
『佐々木治夫神父の福音 「イエス、マグダラのマリアに現れる」』
https://www.youtube.com/watch?v=0BNlwQMhWJI

やれやれ。
さて、お次は…、
どれから手を付けましょうか。


5月13日(水)の記 帯のあるなし
ブラジルにて


昨夕、インターフォンが鳴って。
僕宛に荷物が届いたという。

集合住宅の階下に降りる。
日本からの書籍のようだ。
送り主は「みすず書房」。

心当たりは…
ビンゴ。
比較文学研究者の西成彦さんの最新著『世界文学重層』。

数か月前に西さんから拙作『郷愁は夢のなかで』の主人公のことで問い合わせがあった。
その主人公も西さんだから、ややこしい。

それを新著に反映させて、刊行されたら送りましょう、とのことだった。
本当に送ってくれたのだ。

パンデミック以降だけでも、何人もの日本の物書きや写真家たちからこちらへのいろいろなお願いがあった。
御礼は必ず、そして本は出版次第お送りするとかで…

実際にブラジルまで本を送ってきたのは、今回の西さん以外に思い浮かばない。
西さんの本の巻末の人名索引に、僕の名前があった。
そのページをひもとく。
なんと「おわりに」の稿だ。
拙作『郷愁は夢のなかで』を枕に、拙作『ブラジルのハラボジ』について言及してくれていた。

大日本帝国の植民地時代の朝鮮から日本に出稼ぎに来て、さらにブラジルに移住する「三田ハラボジ」の晩年の一期一会のインタビューをまとめたものだ。
より多くの人に見ていただきたい作品だが…
日本のコリアニストと称する研究者から、この作品に、良識を疑う要求があった。
それには応じかねる旨と代案も伝えた。
以降、この人物からさまざまな嫌がらせを被っている。
この研究者は、ありえない「岡村の発言」を根拠に在日コリアンへの攻撃を行なうなど、驚くべき異常さ・悪質さだ。

僕は日本でのコリアン関係にはまさしく部外者であり、こうした輩が権威ぶる界隈に関与して、拙作の被写体や関係者の方々の尊厳がおとしめられ、迷惑が及ぶことを懸念している。

そうだ、この人物からはこの問題の前に日本のあるアーチストについての寄稿を頼まれて、それに応じていた。
それもそのままなしのつぶてで、それが刊行されたのかボツにされたのかも不明である。
こうした邪悪なものとは、関わらない・交わらないに越したことはないと思う。

さて、西さんのこの新著はさっそくSNSで紹介したい。
今日の午前中のひかりで、書影を撮ってアップ。

さっそく「いいね」が続くが、パソコンで写真を見ると、恥ずかしいものがうつりこんでいるのがわかった。
仮にも映像作家である。
これは撮り直さないと。

今度は本の帯を取って撮ってみる。
うーむ、いまいちしまらない観もあるけど。

本に帯があって当たり前というのも、国外から見ると日本の異常な文化のひとつだと思う。
宣伝用に目を引く帯があってもかまわないが、帯がないとしまらないような表紙のデザインもいかがなものでしょう…


5月14日(木)の記 バールかボテッコか
ブラジルにて


今日は珍しく人に会うのが重なった。
その合間はカフェで時間調整、と読みものも持参したが…
一軒目で少なからぬ貰い物をしてしまった。
いったん、わが家に置きに帰ることとする。

次の会合はソコソコ飲みそうだから、忘れ物や盗難が心配だったので。
こちらの友人夫妻と、日本から短期で来た共通の友人とともに。

どこかオカムラさんち方面で、との希望で、いくつか提案した。
するといまや在日の友人が「日系のボテコがいい」とのことで。

さてブラジルで大衆がイッパイやる店、日本でいえば居酒屋といった店のことは…
BAR(バール)や BOTECO(ボテッコ)と呼ばれるが、さてその違いは。

検索しないで僕の感じだと。
バールはカフェテリアとも重なり、アルコール抜きでコーヒーや軽食、昼食のみの利用、というのも一般的。
ボテッコとなると、アルコールが付きもの、かな。
存在は、バールと呼ばれるものの方が数倍、ボテッコより多いだろう。

ここで検索。
AIが筆頭にこたえてくれる。
ボテッコはバールより小さく、バールの方がシック、とな。
ううむ、どちらもピンとこない。

ボテッコはたいがい街角にあって、その地域の吞み助が集まる、とも。
ふむ、今宵の店はずばり角にあった。

今宵の店は日系の女傑がドナ(女主人)。
聞くと、日系四世。
日系三世だったバッチャンの日本料理が大好きだったが、レシピを教わる前になくしてしまった。
その味を再現しようと努力研究を重ねて、その方面でしかるべく評価をされているらしい。

本日は飲むのが中心になってしまったが、あらためて食べに来てみるか。


5月15日(金)の記 本ずきの本ネ
ブラジルにて


すでにおそらく生涯かかっても読み切れないぐらいの本がある。
未整理の資料類もばかにならない。

「消化」は微々たるもので、もはや「摂取」は慎むべきなのだが…
SNSでUNESP(大学)の図書市がラテンアメリカメモリアルセンターで開催中と知って。

正直、それに行くことを考えると…
膨大な書籍と人出、置き場もフトコロも厳しいのに買い込んでもてあましてしまう自分を思ってクラクラする。
やめとけばいいのだが…

いっぽうそのプロセスにあるかもしれない、よろこびに魅かれて。
日曜までである、すでに金曜で人出がかなりかも。

行ってしまう。
うわ、雨かよ。

会場の広さは年に一度のサンパウロ大学の図書市の三分の一、といったところでホッとする。
それでも早見でざっと一巡するだけで、1時間以上かかった。

それにしてもブラジルは出版王国出版大国、その多様性にも舌を巻くばかり。
8冊も買ってしまうとは思わなんだ。

特筆は、戦争をテーマにするコミックを三冊出しているJULIUS GALHARDOさんとの出会い。
https://www.facebook.com/photo?fbid=10239159309136078&set=pcb.10239159309536088

著者自ら店頭に立っていた。
創世記的なイメージで始まり、日本への原爆投下で巻を閉じている。
ささやかでも、買ってエールを送りたい。

サインを頼んで、待っている間に見本誌の「奥付」を見やると…
出版社の住所はわが家の近所ではないか。
聞くと、自分の家だという。

日系人の多いところだねえ、と盛り上がる。

ブラジル被爆者協会の故・森田隆さん創業の日本食材店「スキヤキ」が近くだったという話もすればよかった、と今これを書いていて気付く。

まずは彼の労作を読み上げてから、また連絡してみるか。


5月16日(土)の記 深淵なり、天ぷら
ブラジルにて


久しぶり、何年かぶりに天ぷらを揚げてみることにする。

時間がかかる・全身そして台所どころかアパートの外まで油くさくなる等々で、買ってきた方がいいということになって。

SNSで、卵も使わずカンタンにシャキッとした掻き揚げができる、というレシピが流れてきて。
ホンキにした・・・

そのレシピと動画を真剣に吟味したわけではないが、揚げてみると具材がばらばらになって固まらない。

急きょ小麦粉と卵を加えて、なんとかつなぎ合わせる。
イヤハヤ。
なんだかんだで3時間あまり、『七人の侍』オリジナル版以上の時間がかかった。

して、テンプラの語源。
「南蛮文化」時代のポルトガル語起源、というのはまちがいなさそうだが。
どのポ語からきたかは、ポ語の国に住まうようになってからもあまり納得がいっていなかった。

まずは、tempero:味付け からきたという説。
つぎに、têmpora:(カトリックの)四季の斎日、からきたという説。

ポルトガル語のカトリックのミサの言葉を日本語に訳して字幕を付ける作業を先週までしていたが、カトリックのこの「四季の斎日」のことは知らなかった。
どうも、いずれもイマイチな感じ。

「天ぷら」というと語感から僕はまず「テンペラ画」を思い浮かべる。
テンペラ画、というと、帝銀事件を想い出すがそれは割愛。

あらためてテンペラ画とはなんぞや、を検索すると。
AIいわく、
「テンペラ画は、顔料(色の粉末)と卵などの乳化作用を持つ結合剤(メディウム)を混ぜ合わせた絵の具で描く絵画技法です。」
「イタリア語の「temperare(混ぜ合わせる)」が語源です。」

ズバリではないか。
「天ぷら」の語源でも、この「混ぜ合わせる」をとくものもあった。
青酸カリを混ぜ合わせるのは困るけれども。

天ぷらだけにネタは豊富だが、油を売るのはこの辺で。


5月17日(日)の記 日曜日の地獄
ブラジルにて


未整理の書籍・資料類がひどい。
今日の午後は、少しでも…

4話まで見ていたネトフリのドラマ『地獄に落ちるわよ』のつづきが気になる。
・・・けっきょく、9話まで見切る…
なかなかの余韻。

僕にとっては日本のテレビにのさばっていた、好感の持てない占い師だった細木数子さんを実名で描くドラマ。
彼女については、上の一行程度のことぐらいしか知らなかった。

これも実名で出てくるのだが、なんと国民歌手だった島倉千代子さんともこんな関係があったとは!

さらに驚いたのは、僕にも何者かよくわからなかった日本の重鎮・安岡正篤とのトンデモな関係。
これも実名かよと驚いたが、ウイキをみるとドラマでは「安永正隆」になっていた。

なんといっても細木数子、島倉千代子などを実名で貫いた太っ腹さに打たれる。

稲本響さんの音楽も脳裏にこびりついてしまった。

さすがにこのドラマは次のシーズンはないだろう。
気になるドラマを片付けた、という思いより、ロス感の方が強いけど。

余談だが、テレビ時代の細木数子の余波は、わが身辺にも及んでいた。
細木数子や高市早苗と日本のテレビの功罪については、後代のというより、いまの検証テーマとしてもらいたいところ。

こっちもそのテレビ「つくる側」の末端にいたBC級戦犯であることは免れないだろう。


5月18日(月)の記 過渡期に、いざ
ブラジルにて


次の作業に着手するまでに。
ちょいとした過渡期である。

すべきことはいくらでもある。
ついつい後回しにしていて、他人様にも迷惑をかけていることもある。
そんな作業に、思い切って着手。

案ずるより産むがやすし、とはよく言ったものだ。
いまのいままで後回しにしていた自分が情けない。
そして、先方に申し訳なくて。

今日は一日断食。
オンモは暗く、寒い。

・・・、どうして外のことをオンモというのかな。
幼児語だと思うが、韓国語のような響きがある。
検索してみるか。


5月19日(火)の記 イモムシとケムシ
ブラジルにて


長期間にわたって後回しにしていた作業に、昨日に続いて着手。
・・・、サクサクと進む、というのはこういうののことだろうな。

見通しもつき、歩きで買い物のハシゴ。
ソコソコ歩く。

道なかばして。
街路樹の幹に、うごめくもの。

ケムシ、いやさイモムシだ。
わが親指ほどの太さで、長さは親指を二本つらねたほど。

いやはや、町なかで。
頭部は橙色、体は薄緑と黒のストライプ。
スマホ撮りしておくか。

背後に通行人の視線を感じつつ。

すると、大声のポルトガル語。
信号待ちした乗用車の作業衣を着たおじさんが、発進しながら僕に言葉を投げかけたようだ。

なにを言われたか、ちょっと変換に戸惑う。
「Raridade, né!? 」
だった。
「めずらしいね!?」
といったところ。

信号待ちしている運転席のおじさんに、街路樹にへばりつくジャポネ―スが目につき、おじさんからもイモムシが確認できたのだろう。

帰宅後、ネットで蝶と蛾の幼虫の画像をチェック。
・・・、スズメガの仲間、ポルトガル語で mariposa-falcão(鷹の蛾)と呼ばれるガの幼虫のようだ。
属名Acherontia、和名はメンガタスズメ!


5月20日(水)の記 デジタルごみ屋敷
ブラジルにて


リアルの方もさることながら…
わがデジタルの方も相当のゴミ屋敷化がすすんでいることに慄然。

よくもここまで放置していたものだ。
「電子ゴミ屋敷」という言葉が浮かんで、検索してみる。
ふむ、デジタルゴミ屋敷というコトバの方がより使われているようだ。

カタカナ語が重なるのが、ナニだな。
ほう、一日に人類が撮るスマホ写真は54億枚とな。

・・・感心してる場合じゃない。
とりあえず放置期間がハンパじゃないページをたたむ手順に着手。

次に編集すべき動画の素材のプレヴューも開始。
これ、おもしろいかも。


5月21日(木)の記 無知の告白
ブラジルにて


いやはや、知らないことだらけ。

午後から東洋人街の医療機関へ。
どうなることかと思ったが、案ずるより産むがやすし。

さて、帰りに。
家族にスイーツでも買って帰るか。
日系のホテルの入り口にできたカフェで、ケーキも売っていたかと。

うむ、ウエブ情報とズレがあるぞ。
お値段控えめのシュークリームにしよう。
お店でカプチーノもいただく。

スタッフの言っていることがわからないので、聞き返す。
持ち帰りのシュークリームを冷蔵庫に入れておきましょうかと聞いているとわかり、そうしてもらう。

思えば日本での青少年時代、実家でもシュークリームは贅沢品でもあり、めったに食べることはなかった。
振りかえるとブラジルではこの20年ぐらいか、日系のお店で出始めたかな。

して、シュークリームのシューとは?
靴クリームのことか?

これは検索してびっくり。
フランス語で、キャベツだという!
さらにご関心ある方はご自身で検索されたし。
フランス語単語をひとつ覚えた。

ちなみに「シュークリーム」は和製英語、いやさ和製外来語の由。

夕食後、一服してからいただくことに。
・・・冷蔵庫に入れておいたのだが、福島原発もかくや、クリームが生地をやぶって紙箱の底にどろどろに層をなしている。

家人からシュークリームは時間が経つとこうなる、できたてがおいしい、と言う。
焼いた生地がどんどんクリームの水分を吸ってほにゃけていくのだな。

いままでこのような状態になったシュークリームを食べた覚えがない。
それほど自分はシュークリームを食べたことがなく、知らなかったということだ。

検索では、常温に2時間置いたシュークリームは食中毒の危険あり、との記載も。
キャベツに似ているのは、形状だけか。


5月22日(金)の記 サントス巡礼
ブラジルにて


正直なところ、なにもかもメンドクサイという気もあるのだが。

思い切って、サントスまでくだる。
今日の夕方からサントスのコーヒー博物館で、邦訳してみると『コーヒーの歴史 その消費、文化、食糧として』という本の出版会があるとSNSで知って。

先回の訪問時には完全に閉まっていたサントスのカテドラルにも行ってみたい。
うむ、予報はサンパウロもサントスも雨で、冷え込むようだが。

まずはバスターミナルへ。
海岸山脈は、まるで視界が効かない閉じた天候。

平日のカテドラルは、正午からミサがある。
サントス必須の観光スポットであり、建築的にも見どころありとのことだったが。
西暦1909年に建築が始まり、完成は1967年!
ネオゴシック様式とのこと。
・・・僕にはあんまし面白みも感動もなし。

雨のなか。
スマホもくりくり探した食堂がナイス。

出版会は16時から。
ひと気のない歴史建築を少し見て。
Hans Stadenがかつてこのあたりに滞在したと知る。

付近に築400年以上のチャペルがある。
行ってみる。
これはいい。
しばし黙想。
うわ、他に誰もいなくなった。

コーヒー博では…
お身内の集まりという感じで、時間通りに購入目当てに来た輩などカンケーなし、という感じ。

さあ、帰るか。


5月23日(土)の記 土曜模様
ブラジルにて


うすら寒く、雨模様である。
家族で徒歩圏に買い物に、という話になっている。
またにしようか、とも提案してみるが、昼前に決行することになった。

これがお互いの知見を合わせて、うまく行った感じ。
その足でどこかで昼食を、ということに。

先日、友人たちと行った日系人経営の「ボテコ」にしてみることに。
ここは、カツカレーも出すという。

おや、雨がちとはいえ土曜の昼でがらがら。
飲み物、オススメだというツマミ、そしてカツカレーを人数分オーダー。

飲み物とツマミのあとが途切れる。
オーダーを取りに来た新人とは別の店員にも確認したのだが。

さらにしばらくして、奥で日系の女店主含め、カツカレーのオーダーを落としたらしい会話が聞こえてくる。
これからつくるならもうキャンセルしてください、と伝えると、あと15分ぐらいで、とのことで。

30分ほどして、それぞれ器も盛り付けも異なるカツカレーが。
事態を把握しているはずの女主人は、こちらと目も合わせようとしない。

出がけに、家人がクレーム。
合点のいかないエクスキューズあり。
ゴハンには芯が、とも伝えておくと「せかされたから」とのエクスキューズで、これは聞き捨てならないかも。

事前にネットでのこの店の口コミを調べていた。
いい、と評価する人と、サイアク、の評価に分かれいた。
サイアクの方の理由は、店側の手落ちと態度の非難。

これだけサイアクとの評価があるのは、店へのイヤガラセかな、とも勘ぐったが。
ナットク。


5月24日(日)の記 20年目の勝ち組負け組
ブラジルにて


午後から、混沌とする「積ん読」のヤマの一部を発掘。
家人のスペースが少し空いて、そこにこちらのものを置いて…
こっちのものが少しは片付くはずが、なんだか増えたようだ。

これは明日にでも備品を探して買って、少し基礎からなんとかしないと。
ということで、午後から夜まで資料類に少し目を通して処理しよう。

・・・20年以上前の日本の雑誌。
いちおう目を通す。

ほう、「『勝ち組』『負け組』なんていうけれど」という記事。
ブラジル日系人の「大東亜戦争勝ち組」ではない。
当時の日本では経済的な成功者を「勝ち組」、逆を「負け組」と呼んでいた。

これは僕の見立てだが、この「語源」はずばりブラジルの勝ち組負け組だろう。
日本で「負け犬」という言葉が経済的社会的失敗者にあてられるようになり、その流れで「勝ち組」「負け組」が日本の当時の社会の文脈で「新解釈」されるようになったのでは、と考えた。

この頃の僕の日本での上映会で『ブラジル最後の勝ち組老人』を上映したときのこと。
ブラジルの研修から帰ったばかりの若い女性が参加して「ブラジルのセレブな老人の話かと思った」と漏らしていたのを想い出す。

といった塩梅で、思わぬ記事の発見もあり、作業は遅遅とするばかりです。


5月25日(月)の記 かたづけブギ
ブラジルにて


昨日、着手してしまった寝床まわりの書籍類の整理。
近所の、なんというのかな、ああいう店・・・
雑貨屋、かな、をハシゴ。

簡易な棚がわりになりそうなものを探す。

試行錯誤を繰り返して。
・・・けっきょく今日は四回、買い物に出ることに。
徒歩圏で、回った店は計五軒、かな。
一日断食の日だが、けっこう歩いた。

うむ、なんとかそこそこいった感じ。


5月26日(火)の記 本なだれ
ブラジルにて


深夜、耳元に轟音とともになにかが崩れ落ちてくる。

昨日、構築した簡易本棚の一部が倒壊した。

ほんらい靴を置くための簡素な棚に重い本を置き過ぎた。
支柱のプラスチックが折れていた。

ううむ。
雑貨屋の開店時間を待って、代用品を購入。
これはあまり置けないが、金属製なので多少の書籍では折れはしないだろう。

サンパウロは日本のような地震はない、といってよさそうなのでその点は安心だけど。

深夜の倒壊でもこちらのカラダに損傷はなく、ありがたし。

して、あらたに組み直し。
ふむ。
もとの混沌からの写真を撮っておけばよかった。


5月27日(水)の記 カフェーの品格
ブラジルにて


午後からダウンタウンのちょっとヤバいところに映画を見に行くことに。

ブラジルの劇映画。
ずばりサンパウロのダウンタウンに潜む吸血鬼どうしの争いのはなし。

夜のシーンばかりで、導入部にひかれる。
映画ならではの、わくわくぞくぞく感。

怪獣映画を想い出す。
だが、怪獣映画は主役の怪獣が登場してからが本番。
今日の映画は、吸血鬼が正体を現してからが、陳腐というか。
怪獣ほどのリアリティも感じられなくて。

吸血鬼一族の5000年来の闘い、と言われても。
先住民の大地で、しかもアフリカから大量の人たちが連行されたブラジルの都市で、ヨーロッパのホラーをそのまま展開されても、ちょっと。
残念。

わが先住民は、食人文化を有していた。
まさしくヨーロッパ人を震撼させて、実際に殺されて腑分けされて、シュラスコとなったヨーロッパ人も少なくない。
血を吸われるのと、どっちがホラー度が強いか。

さて。
夕方のラッシュ、夕食の支度までに少しある。
ずばりダウンタウンの、場末化していない地区に気の利いたカフェはないものか…

アプリと、現地見聞で。
これか。
西暦1924年に建築の始まった高層ビル、マルチネッリビルの地上階にあるカフェテリア。

さほど広くはないが、奥の席が空いていた。
ふむ、資料を読むには少し照明が暗いが。
それ以外はスタッフ、コーヒー、スナック類もいい感じ。

南半球最大の都市サンパウロの都心で100年以上の経年からただよう、時の澱(おり)のようなもの。
これはスマホの写真では写り込まない感じ。

女性店員との軽口も楽しかった。

外の写真も撮っておくか。
外の壁に張り紙があり。

読んでみる。
「店内のお客さんたちからの苦情もありますので、店外でも付近での喫煙はお控えください」。
こんな掲示は日本でも見たことがないぞ。

このカフェ、お気に入り!
近くのあの映画館に行くには、少し覚悟がいるけど。


5月28日(木)の記 エコエコと唱えてみれば
ブラジルにて


・・・以前にも検索したと思うのだが、覚えていない。
「エコエコアザラク」という呪文の意味。

ふむ、バスク語とな。
スペイン語説も。
ポルトガル語説(南蛮起源)もでっちあげたいところだが「アザラク」をポ語で解釈するのはアザといかも。

というわけでエコファランテ:ブラジル環境映画祭が今日から始まる。
自分の動画編集作業が、ちょっとつかえているところ。
とはいえ、この映画祭は一期一会の作品ばかりで思わぬ収穫もある。

オンラインのプログラム情報はわかりにくいこともあり、とにかく一回行って、紙のプログラムももらってこないと。

今年で第15回。
今年は例年より上映会場数は少ない。
とはいえ、なんといってもタダ。

サンパウロ文化センターでのブラジルの短編特集を2セッション、計9本を見る。
おや、紙のプログラムが置いていない。
オンラインの方も直前まで不具合があったし。

短編は、いずれも新人たちの登竜門としての応募作品といった感じ。
この9本は、特にこれといって…
観客は5段階評価の回答を求められる。

かわいそうだから、いずれにも3としておきましょう。
そうそう、『Alucine Olinda』というのがあった。
ブラジルはペルナンブコ州で世界遺産にも登録されているオリンダ。
その老舗の映画館が廃墟となっているのを復活させたい、という意図のドキュメンタリー。
オリンダにはいまやショッピングモールのシネコンの映画館しかないという。
これには4をつけておきました。

かつて日本映像カルチャーホールへの応募作品の審査の下請け作業で試写をしていた時代を想い出すなあ。


5月29日(金)の記 今日のエコエコ
ブラジルにて


今日も午後から環境映像祭へ。
今日も短編のを、今日は2セッション鑑賞。

うーむ。
昨日の5作品もだが…
例年より小粒な感じ。

かつてはサンパウロでこういう無料かそれに近い料金の映像祭で、一日に6セッション見た覚えもある。
眠っちゃったりもするけど。

自分の作業に家事もあれば、体力気力の衰えもあるだろう。
なによりも夜の遅い時間に外にいるのがめんどうなし、よりおっかなくなってきたし。

こちらは冬の気配で寒いし、日も短いしね。


5月30日(土)の記 MINHA TERRA ESTRANGEIRA
ブラジルにて


今日は環境映像祭、夜のこの一本に絞り込んで鑑賞。
『MINHA TERRA ESTRANGEIRA』、すでにいくつかの国際的な映画祭で上映されているブラジルのドキュメンタリー映画。

2022年に行なわれたブラジルの大統領選挙前後のアマゾンの先住民スルイの人たちのリーダーと、国際的に活躍するその娘の両者を取材。

スルイは国際的に知る人ぞ知るグループで、わが『すばらしい世界旅行』でも先輩ディレクターが取材している。
近年、日本の民放のタレントの登場する番組でも取り上げられたようだ。

さてこのポルトガル語のタイトルを邦訳すると…
「異邦人としてのわが大地」といったところか、むずかしいです。

映画を見てみると、その意味がよくわかる。
現在のロンドニア州に先住民保護区を持つスルイの人たちが、まさに先住民というくらいでほんらい南米の大地に居住していたことは明らか。

ところが今日ではアマゾン開発の最前線となり、先住民虐殺の責任者として国際的に非難を浴びたボルソナロ前大統領を支持する住民が6割以上である。
ロンドニア州選出の国会議員は全員がボルソナロ支持者。

ボルソナロ政権は先住民保護区の「開発」を促進して、土地なき農民や黒人系、女性、性的マイノリティの人たちの権利を蹂躙していた。

大統領選挙ではわずか2パーセントの差でボルソナロの再選を阻止するという結果となった。
スルイをはじめとするロンドニア州の先住民の権利は、ロンドニア以外のブラジル全体の投票によってかろうじて守ることができたのだ。
わが大地に異邦人として暮らさざるを得ない、というのがわかる。

いっぽう日本での在住ブラジル人の投票結果では、9割近くがボルソナロに投票したという報道を覚えている。
在日ブラジル人にとって、祖国に生きるこうした人たちは感心外、ないし否定的存在であるというのは、つらい。

そして、自分は、という問い。
貴重な学びの映画を見ることができた。


5月31日(日)の記 日曜日のニッチ
ブラジルにて


身内が昼食をしに来ることになり、路上市で鮮魚等の買出し。
もろもろ作成に数時間。

午後は郊外から「来聖(サンパウロ市に出てくること)」する友人夫妻と近くで会うことに。
さまざまな地ビール生ビールを出す店だが、今日の午後はがらがらだった。

夕方から環境映画祭の映画を一本みにいくつもりだったが、話が弾んで映画は見合わせる。

足首、靴下の境目あたりがかゆい。
友人も同じあたりがかゆいとのことで、蚊がいるようだ。

近くに緑地があるわけでもない。
下水からのチカイエカの類だろう。

あらためて検索すると、ブラジルの都市部に生息するのはチカイエカ(Culex pipiens molestus)とは同じイエカ属だが種が異なり、Culex quinquefasciatus(ネッタイイエカ)の由。
いずれにしても媒介昆虫であり、油断はできない。

次回はこの店も蚊よけの持参が望ましいかも。







  


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岡村淳 :  
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