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5月3日(日)の記 QUERIDA AMAZONIA (2026/05/07)
QUERIDA AMAZONIA ブラジルにて
あれこれあってブランクの生じてしまった『千住博 南米流転』シリーズの編集を再開して。 おかげさまで第七巻『浸水林の森の母』、仕上げの段階に向かっています。
第七巻では、いよいよ千住画伯と乾季の大アマゾンの浸水林へと向かう。 アマゾンについてのいくつかのデータを字幕で盛り込むことにした。 そのため、あれこれ資料・文献、当時のメモをチェック。
日本で入手した教皇フランシスコの『使徒的勧告 愛するアマゾン』(カトリック中央協議会)をこの機会に読み進めている。 これはポルトガル語版を先に入手していて、冊子程度の厚さだがスラスラとは読み進められないでいた。 日本語版があったとは、ありがたい。
このなかに「詩だけが、自らの声の謙虚さで、この世界を救うことができるのです。」という引用句があり、註がついていた。
なんと出典はボサノバの大御所Vinicius de Moraesの「A transformação pela poesia」(詩のための変容)だとある。 Viniciusは名曲『イパネマの娘』の作詞などで知られているブラジルの巨匠。
この日本語訳は、いまひとつ僕にはわかりにくい。 こういう時はポ語版が手もとにあるのがありがたし。
ポ語版は、 A esse mundo, só a poesia poderá salvar, e a humildade diante da sua voz. ポ語の語順をたいせつに試訳。 「この世界は、詩だけが救うことができる。そしてその声にこめられた謙虚さが。」 といったところだが、言語そのものがすっきり来る感じ。
ヴィニシウスにこんな本があるのかと思って註をよく読むと、これは西暦1946年にリオデジャネイロで発行されていた新聞『A Manhã』に寄稿されたものとのこと。 それが西暦2020年にウエブサイトで五か国語で発表された(日本語は、なし)ローマ教皇の勧告に引用されている、というのがなんだかうれしい。
わが作品も、それにこめている謙虚さをたいせつにしたい。
この「勧告」のなかの言葉を拙作にも引用したくなってくるが、あせらずまたの機会を待とうか。
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