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     ニュース・出来事  (最終更新日 : 2010/05/24)
眼に生涯を持つ比嘉さんコンサート [画像を表示]

眼に生涯を持つ比嘉さんコンサート (2009/10/08)
比嘉テレーザさん.JPG
記者会見で抱負を語る比嘉テレーザ美由貴さん
 「2世、3世の方々に日本の童謡、唱歌を伝えたい」―。生まれつき眼に障害を患いながら、伯国のプロ歌手として活動する比嘉テレーザ美由貴さん(50、2世)の第2回コンサート「みんなの童謡・日本の歌」(天顔貞雄実行委員長)が、09年10月18日午後2時からサンパウロ市リベルダーデ区の沖縄県人会館(トマス・デ・リマ街72番)で開催される。それに先立ち、9月30日午後3時から同県人会館で記者会見が開かれ、2年ぶり2回目となるコンサートについて比嘉さんは冒頭の思いを寄せた。
 1959年、比嘉良喜(80)・米子(79)夫妻の次女として聖州ジュキアで生まれた美由貴さんは、生まれながらに白内障で眼に障害を持った。生後三か月で手術を行なったが、医者のミスにより現在は左目がまったく見えず、「30%しか見えない」(美由貴さん)状態だという。
 学齢期に地元のブラジル人学校に入ったが、眼が不自由なことを理由に登校を断られるなど辛い思いを体験してきた。
 しかし、持ち前の明るさと幼少の時からの音楽好きが将来を変えた。7歳の時に日系眼科医から「眼が見えなくても、耳は発達するから」と音楽を勧められ、10歳で日系音楽家の小野寺七郎氏のもとで童謡・唱歌を師事。ピアノやテクラーノ(キーボード)も習得し、18歳で伯国音楽国家試験「オルデン・ド・ムジコ」に合格。プロ歌手としての活動を始めた。
 1988年からは独自に「あゆみ音楽教室」を開設。現在も同教室で生徒を教えながら、各地のイベントなどで演奏活動も行なっているという。
 2007年9月には、第1回コンサートを同県人会館で実施し、同時期に開催された沖縄開発青年隊着伯50周年記念式典のアトラクションでも演奏を行なっている。
 そのほか、昨年の移民100周年では、「生長の家」グループのコーラスを指導し、そのメンバーたちが皇太子殿下の眼前で歌声を披露している。
 父親の良喜さんによると、自身たちは1957年に渡伯し、入植したジュキアで養鶏や野菜作りを行なうなど当時は苦しい生活だったという。そのため、母親の米子さんは美由貴さんを妊娠してからも農作業を続けなければならず、誤って鶏舎から落下したことが美由貴さんに眼の障害の原因となったようだ。 
 米子さんは、美由貴さんが幼少の頃から「赤い靴」「富士山」などを歌って聞かせ、「(音楽を始めたのは)母の影響が大きかった」と美由貴さんは振り返る。
 今回のコンサートで美由貴さんは、「花」「夏の思い出」など童謡・唱歌、沖縄民謡など34曲を演奏しながら歌い、合間には友情出演として斉藤悟琉舞道場代表の斉藤氏が琉球舞踊を披露する。
 美由貴さんは、コンサート実施について沖縄県人会(与儀昭雄会長)と実行委員会への協力に感謝を示した上で、「2世、3世の方々に(日本の童謡や唱歌など)こういう音楽があるということを伝えたい」と述べ、当日の来場を呼びかけている。
 また、今後の抱負について美由貴さんは「将来は日本のNHKホールで歌ってみたいし、オペラが盛んなイタリアにも行ってみたい」と話していた。
 今回のコンサートに協力している沖縄県人会では「比嘉良喜さんには、いつも県人会のお手伝いをしてもらっており、その恩返しの意味も含めて二回目のコンサートが実現できるのは嬉しいこと」(実行委員会)と喜びを示している。
 コンサートは入場無料。詳細に関する問い合わせは、沖縄県人会(電話11・3106・8823)まで。(2009年10月2日付け サンパウロ新聞)


 


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