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     サービス業関係  (最終更新日 : 2003/04/11)
旅行会社勤務: 篠崎 伸行さん

旅行会社勤務: 篠崎 伸行さん (2003/04/11)
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氏名篠崎 伸行
住所サンパウロ州 サンパウロ市
職業旅行会社勤務
生年月日1971年12月26日 血液型A型
出身地山口県
渡伯年月日1996年


2002年11月

※ ブラジルに来た理由は?

 前の彼女がブラジル人で日本で知り合って、ブラジルにきました。ブラジルっていうことにこだわってきたわけないんです。チャンスがあれば外国に住みたいと思っていたのですがたまたまそのチャンスがブラジルだったというわけです。

※ 日本では働いていたんでしょ。

サラリーマンしていました。

※ 辞めて、ブラジルに来ることをよく思い切りましたね。

バブルが破裂した直後で、就職も厳しくて、とりあえず就職することさえできればいいというような感じのときだったんです。あんまりこれをしたいという感じで入った会社ではなかったんで、それで、辞めるのは自分の中では納得して辞めました。

※ 最初ブラジルに来た印象は?

 なぜか空気の匂いが日本と同じだと思いました。前に韓国に行った時に、どういう匂いか覚えていませんが空気の匂いが違うなと思ったんです。ブラジルも、違う匂いがするのかなと思ったので、ああ同じだと感じました。

※ しばらくたっての印象は?

 僕は、ブラジルにそんなに知識を持ってきたわけではないから、正直来る前は移住者が多いと解っていたけど、豆腐だとか納豆があったり、ここまでしっかりしていて違和感なく住めるとは思っていませんでした。

※ こちらに来てのお仕事は?

たまたま知り合った人が邦字新聞のサンパウロ新聞の方で、そこに就職しました。5年働いてサクラ旅行社に替わりました。

※ サンパウロ新聞ではどういうお仕事をしていたのですか?

 ちょうど僕が入ったときにそれまで手作業で紙面を作っていたものが、コンピュータで紙面を作るというやり方になったと時期だったんです。日本では特別コンピュータをやっていたわけではないんですが、若いからやってみろ、というような感じで、コンピュータでレイアウトをしたりするような仕事をしていました。

※ 仕事自体はどうでしたか?

仕事は面白かったですね。というのは会社が日本の大組織のような会社でなかったので、こちらからこうしたらって言えば、結構それを受け入れてくれる会社でした。規模が小さい分だけ風通しがよかったですね。働いていた人もブラジル歴が長い人が多かったので、かなり面白い感じでブラジルというものを学びました。

※ 新聞社は、日系コロニアと密接なつながりがあるだけにいろいろコロニアを見てきたと思うのですが、コロニアについてどういう風な印象をもちましたか?

日系コロニアというのは一世の世界であって、二世、三世の世界まで日系コロニアだといえるのかなっという印象があります。現在五世まですすんでいますが、彼らも果たして日系コロニアの人なのかっていう感じがします。これはいろいろ異論があるとは思いますが、僕の中ではそう感じました。
日系コロニアはとにかく住み易いですね。あんまりきゅうきゅうしていなし。年齢とかとは関係なしに、友達になってくれたり、話をしてくれたり、そういう点は日本に比べて一番違うんじゃないかって思います。日本では友達というとどうしても同世代っていう限られた世界ですが、50、60代の人でも10代の人でも同じように接してくれるというのは、僕の中では勉強になるというか、人と接することによっていろいろな参考になることを聞けたり、特に周りの人で凄く目的意識をもってらっしゃる方とかの話を聞いていると、ああこういう生き方もあるなと気づかされることがしばしばあります。それは日本では、なかなか味わえないことじゃないかなって思います。

※ 新聞を辞めて、旅行社に移ったのはどうしてですか?

新聞というと、どうしてもコロニアという感じがするんですが、旅行社だったらブラジルをもっと直接的に紹介できるのではないかと思ったからです。日本から来る人たちにブラジルというものを、押し付けではなく、自分が感じたブラジルというものをいろいろアドバイスして知ってもらいたいですね。

※ 具体的には今どういうお仕事をされているのですか?

具体的には日本から来る問い合わせの対応、こっちに住んでいる日本人の方に、旅行の日程だとかの翻訳ですね。

※ 今、日本からブラジルに来たいと思っている方に、ブラジルの魅力を教えていただけますか?

ここには、日系社会もあるし、どっぷりブラジル社会につからなくても、長期的にも割り合い住み易いところだと思います。僕は南が好きなんですよね。あまりにもアマゾンだとかサルバドールだとかばかりが着目されているので、短期で来る人には、サンタカタリーナだとかポルトアレグレだとか、ヨーロッパ的で、きれいなブラジルも見てもらいたいですね。

※ 日本の若い人たちに何か感じたことやメッセージがありますか?

僕は今の若者は若者でいいと思います。ただ、1回、外から日本というものを見たらちょっと変るかなと思います。日本で常識であっても、海外では常識でないことや、そういうことを肌身に感じることが多いですから、海外に出ると、日本に帰って感じることが多いと思います。例えば、ブラジルで僕は日本人でよかったと感じることが多いんです。多分、今の日本人は日本に生まれてよかったなって感じることはないんじゃないかな。ブラジルでは、貧しい家庭や行き場のない人がごろごろしています。日本だと一応まじめにしていれば普通の生活ができると思いますが、こちらの人の中には生まれた瞬間から普通にできない人もいます。なぜかというとファベーラ(貧民街)なんかに生まれて、犯罪の多い状況で育っちゃうと、なかなか普通の生活はできないと思います。生まれたときの環境で自分の人生が決まってしまいます。少なくとも日本ではこんな状況はまれだと思います。

※ 今後の夢は?

今迷っています。確かに住み易いし・・・。ただ、このままここに住んだとしても、日本に帰ったとしても、日本とブラジルの交流の場に携わって行きたいと漠然とですが考えています。もっと日本の人にブラジルというものを知ってもらいたいなと思います。日本に帰ると、やっぱりブラジルに目は向いていないなと思いますから。

※ ブラジルに来て良かったですか?

良かったです。そうしないと自分の人生を否定してしまうことになりますから。僕は自分の判断できているわけですから、悪いという結果はなかったと思います。
ブラジルでなくても良かったのですが外から日本を見られたということは大きかったですね。ひとつには日系社会があったから、もっと冷静になって自分の中で日本と比較して見れたということがよかったと思います。
 なんでブラジルが好きなのか自分の中では分からないですね。流れというか、もし嫌いだったら帰っていますね。流れです。流れに逆らわないでいる、ブラジルに来て、そういうのを自然に感じているんじゃないですか。流れに逆らってまで、とういう片意地を張らなくてもという意識があるからブラジルにいるんでしょうね。流れに逆らわないというのを大切にしたいですね。自分が帰らなきゃっていうことが起これば、帰る。起こっていないですよね6年間。だから帰っていないんです。


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