池坊ブラジル支部支部長: 川村 徳子さん (2003/04/11)
| 氏名 | 川村 徳子 | 住所 | サンパウロ州 サンパウロ市 | 職業 | 池坊ブラジル支部支部長 | 生年月日 | | 出身地 | 島根県 | 渡伯年月日 | 1965年 サントス丸 |
2002年5月
※ ブラジルに来られた理由は?
最初はお花が豊富なアルゼンチンに行きたかったんです。いろいろな理由でブラジルにきたわけですが、来るときはブラジルで生け花を広めたいという夢がありました。
※ 実際きてみてどうですか?
よかったと思いますね。生け花を通じて自分が独身の頃の夢が実現できたという実感があります。お花を通じて友達ができたということはなににも変えがたいと思っています。言葉がわからなくても、お花を通じてブラジル人たちとも心が通じたと思います。
※ ブラジルに来て何年くらいになるんですか?
もう37年くらいになります。お花は13歳の頃からはじめまして師範になったのは確か25歳のくらいのときです。
※ お花の魅力はどういったものでしょうか。
叔父がお花の先生をやっていまして、その関係で小さい頃から生け花というものに興味を持っておりました。昔は小学校でも中学校でもクラブ活動がありまして、生け花にまっさきに入ったのですが、それでは物足りないし、家族がが個人的に習ったらいいんじゃないか、といってくれまして13歳のときから始めたわけです。
※ ブラジルに来られてからもずっとお花を教えてらしゃったんですか?
そうです。ブラジルの生け花協会が今年で40周年をするんですが、私は第3回のときに入ったんです。創立者はアリアンサの阿部先生です。途中子育てでちょっと休暇しましたけどやっぱり好きなもので、未だに続けています。 一世とか二世で日本語が分かる方には日本語で、分からない人にはポルトガル語で教えています。娘も生け花をやっていまして、日本に留学して家元で1年間お世話になりました。それで親子で生け花をやっています。 生け花協会が今USPに教室を持っていまして、一応講師として入っています。今ブラジルには14流派ありまして、順番にやることになっています。私がUSPに入ったのは4年前ですが、やっぱり言葉がわからないとダメなんで私が助手で娘が主になってやっています。
※ どうしてそんなに流派があるんでしょう。
お茶でもなんでもそうなんですが、生け花も同じようなものです。生け花の一番最初の流派は池坊なんです。ですから500年以上の歴史をもっています。その中からいろいろ流派が分かれていったわけです。ブラジルでは14流派ですが、日本ではもっとあります。流派によってそれぞれ個性がありますが、池坊は古典モノがありますから難しいです。奥が深くてこれで終わったということはありません。よくブラジル人の方は何ヶ月かすると終わると思っているようですが、やっぱりそういうものではないです。一生かかっても極めるということは難しいです。
※ ブラジル独特の花も生けられますよね。そういう花を生ける難しさというのはあります?
ブラジルの熱帯的な花を手にしたときには、日本的に生けようとは思いません。そのお花を生かしたいわけです。熱帯的なお花に応じた生け方を最初に頭にもってきます。そして、ブラジルですから、ブラジルの花材をいかした生け方をするのが一番だと思って教えています。 京都の研修学院の先生もおっしゃいます。「ブラジルで教えられるときは、やはりブラジルのお花使われた方がいいです」と。情緒が日本とは違いますから、例えば、高価な松を使うんでしたら、椰子の葉を使ったりした方が面白いと思います。
※ お花以外でブラジルに来て良かったなーと思うことはありますか?
そうですね、気づかれしないですね。今日本に帰っても堅苦しいような感じがします。やっぱりブラジルは治安が悪いですけど住みやすい国だと思います。自分が伸びようと思えば、伸びる可能性があるところですし・・・。
※ 日本の若者に対して何かありますか
たくさんのブラジル人が、日本の文化に物凄く興味を持っていて、実際いろんなことをやっています。今お花でも凄いですよ。日本に行って思うのは日本の文化をもっと大切にすることが必要だと思います。若い方に対して本当にそう思います。
※ ブラジルでお花をやっていて苦労されたことはありますか?
やはり言葉ですね。今からでもポルトガル語を習いたいですね。
※ 今後の夢は
今ブラジル支部の支部長をさせてもらっているんですが、支部の発展と生け花が今まで以上に浸透することを願っています。
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