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     2007年ゲスト・アーカイブ  (最終更新日 : 2007/12/26)
Vol.068 「宮尾進、個人史を語る」 宮尾進さん

Vol.068 「宮尾進、個人史を語る」 宮尾進さん (2007/05/04) 放送: 2007年4月21日(土)ブラジル時間 10:02 ~ 12:25(2:22) 日本時間 22:02 ~ 00:25(2:22)、ダウンロードはゲストコーナのみの1時間21分53秒です。
出演:宮尾 進(ゲスト)、大久保純子、宮坂知佳、高橋晃一(協力)

 「先生、お話を伺わせて下さい」とアポを取った時、「おれは今、約束しないんだ。明日、死ぬかも知れないからな」とおっしゃった。
宮尾先生は昨年末、腸ガンの手術をなされ、順調に回復に向かわれている。
 そんな約束ではないアポでお目にかかりお話を伺った。インタビューの場所は宮尾先生が長年所長を勤められたサンパウロ人文科学研究所(※注1、略称・人文研)。4月11日(水)のことだ。
 先生は移民研究者の間では、あまりにも良く知られた方である。日本からもブラジル国内からも移民史の研究に話を聞きに来たり、コメントを貰いに来る人は多い。先生自身もまた、人文研からも多くの移民関係の本を出版している。
 だが、今回はそんな学術的なかたい話は学者に任せて、宮尾進「個人史」を聞いてみた。
 同氏はアリアンサ移住地(※注2)で生まれた2世だ。父親が力行会(※注3)のため、早くから海外飛翔を夢みていたという。だが、本家の跡継ぎがいなくなり、進少年は8歳で長野県の本家に戻り、第二次世界大戦を体験した。日本で信州大学を卒業後、ブラジルへ戻り、学校の先生、コチア産業組合(※注4)の農業雑誌の編集に携わり、人文研所長となる。
ご両親のこと、青年時代を過ごした日本の感想、戦争中に掘った大本営の隠れ処の話。どのエピソードにも、正直な宮尾先生の感想が光る。
後日、先生にお目にかかった時「つまらんことを話してしまった」と照れたようにおっしゃった。その言葉が、いつもとは違う、貴重で楽しい話だったことを物語っていると思っている。

それでは、以下のリンクをクリックしてお聴きください。
http://brasil-ya.com/radio/20070421.mp3

(※注1)サンパウロ人文科学研究所
日系社会を研究し続ける頭脳集団。
参考HP【http://www.100nen.com.br/ja/jinmonken/

(※注2)アリアンサ移住地
ブラジル拓殖組合が設立した4大移住地の1つ。サンパウロ市から西北へ600キロ。一般にアリアンサ移住地と呼ばれる地域には1924(大正13)年に信濃海外協会によって開設された第一アリアンサ移住地、1926(大正15)年に信濃海外協会と鳥取海外協会が共同開設した第2アリアンサ、1927(昭和2)年に信濃海外協会と富山海外移民協会が共同開設した第3アリアンサ、1926(大正15)年に熊本海外協会が開設したヴィラ・ノーバ移住地、1933(昭和8)年から1934年にかけて海外移住組合連合会(現地機関ブラジル拓殖組合)が開設したノーバ・アリアンサ移住地、フォルモーザ移住地、オリエンテ移住地などがある。
参考HP【http://www.gendaiza.org/aliansa/lib/1102.html

(※注3)力行会
日本民族の心と生活の救済「霊肉救済」を旗印に、1897年(明治30年)島貫兵太夫牧師によって創立された海外移住の指導をする機関。
参考HP【http://www.rikkokai.or.jp/

(※注4)コチア産業組合
日本移民によって創設された、ブラジルで最大の農業組合。



宮尾進さんは2016年10月30日(日)午前10時頃(妹さんのお話による)、癌の移転により、入院先のサンタクルス病院でお亡くなりになられました。享年86歳。
大腸がんを患われてからも、ずっと元気だったのですが、癌が肺などに転移し、8月から憩の園で療養したり、入退院を繰り返しておられました。
しかし、ご兄弟の温かい介護を受け、最後まで明晰な頭脳も衰えることなく、喧嘩するほどだったと言います。
10月31日(月)14時に大勢のご友人に見守られて、ご両親の永眠するコンゴーニャス墓地に埋葬されました。ブラジルでは奇しくも2日後の11月2日がフイナードス(お盆)。すでにこの日、墓地には色鮮やかな花が飾られていました。きっと宮尾さんは命日も選ばれたのかも知れないと思ってしまいました。宮尾さんの命日には、必ずフィナードスでお墓参りに来る人も多いし、いつもお花に囲まれているのではないかと思ったからです。衷心よりご冥福をお祈りいたします。


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