移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
ブラジル日和
     2010年ゲスト・アーカイブ  (最終更新日 : 2010/12/30)
Vol.126 「ラーモス移住地、百聞は一聴に如かず」 山本和憲さん

Vol.126 「ラーモス移住地、百聞は一聴に如かず」 山本和憲さん (2010/04/23) 放送:2010年4月7日(水)ブラジル時間 11:12:~13:14(2:02) 日本時間 23:12:~01:14(2:02) 、ダウンロードはゲストコーナのみの45分28秒です。
出演:山本和憲(やまもと・かずのり、2009年9月現在60歳)、金剛仙太郎(ニッケイ新聞記者)、中嶋年張、井上祐見、大久保純子

 サンタカタリーナ州ラーモス移住地でのお話の第二弾、山本和憲さんのご登場。非常に簡潔で分かりやすく移住地のこと、自分の半生を語ってくれている。その語りから山本さんの聡明さが溢れ出ている。
 ラーモス移住地は以前よりブラジルの邦字紙等で何度となく取り上げられ、平和の鐘のみならず、桜祭りや剣道、移住地としての活躍がよく報道されていた。何がそんなにすごいのか? 百聞は一見に如かず。お邪魔して、話を聞いて、分かったことは、とても知的で文化水準の高い、芸達者な方たちがたまたま集まったという事。わずか30家族80人の人々で作り上げたとは思えないほどの祭りであり、移住地であった。  百聞は一聴に如かず、ではないが、山本さんの分かりやすい話をぜひ聞いて、あなたもラーモス移住地通(ツウ)となり、ぜひ、一度訪れて欲しい。なお、放送は2010年4月だが、録音は2009年9月となっている。

それでは、以下のリンクをクリックしてお聴きください。
http://brasil-ya.com/radio/20100407.mp3


 2021年10月18日(月)0時35分、サンタカタリーナ州クリチバーノス市のHospital Hélio Anjos Ortiz病院で、梨の摘果作業中の怪我が原因で感染症から敗血症性ショックとなり、亡くなられました。72歳でした。
 インタビュー後の2014年には、大変立派なラーモス移住地の50周年記念誌「絆」を編纂され、お葬儀の棺にも入れられておりました。
 さらに2019年にはラーモス移住地での日本式経営による農家の連携構築、和梨栽培のノウハウを導入し高品質の梨生産に成功、日本語教育の維持向上、和食普及、日本文化紹介の拠点「八角堂」の建設発案などが認められ、外務大臣表彰を受賞されました。
 ブラジルで72歳というと、まだまだ若いという感が否めません。「もっともっと元気で活躍して頂きたかった。」「ほんの1週間前までお元気だったのに…」という思いは、突然の死に対し、多くの方が感ずるものかと思います。
 御葬儀はZoomでサンタカタリーナ、サンパウロ、日本を繋いで行われ、ご挨拶で息子さんが「父らしい最期だと思う」と語ったその言葉や娘さんが「父は本当にラーモスが大好きで、『宝くじが当たったら、三分の一は貯金して、三分の一は家族に、残りの三分の一はラーモス移住地にあげる』と言われて、じゃあ、私の分はその三分の一の四分の一!と思った」というエピソードを披露して下さった。本当にラーモス移住地が好きだったんだなぁ、山本さんはご自分というものをお持ちで、自分が選んだ土地で自分らしくお暮らしになられたのだなぁとしみじみ感じ入った。話を聞きながら、私の目の前には、以前お伺いした質素だけれども清潔感あふれる山本さんお宅が蘇った。入り口の桃の木、梨畑、本がたくさんあり、手作りの五右衛門風呂があり、奥様の美味しい食事が出る山本家の風景。山本さんがこよなく愛したラーモスのお宅。悲しいけれど、素晴らしいご葬儀で、山本さんへのお別れをすることができました。山本さん、ご家族の皆さん、本当にありがとうございます。合掌。


前のページへ / 上へ / 次のページへ

BB企画 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2024 BB企画. All rights reserved.