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熟年クラブ連合会
     事務局だより  (最終更新日 : 2019/02/15)
2008年8月号

2008年8月号 (2008/08/09) ○トピックス

老ク連創作選集入選作品決まる

 老ク連では本年の事業計画に、ブラジル日本移民百周年記念事業の一環(いっかん)として、「老ク連創作選集」を刊行することを決めた。二月二十八日には早速委員会を開き、従来の機関紙「老壮の友」に掲載している俳句、短歌、川柳の短詩型文学作品のほか、随筆、自分史も加え合計五種目の分野に分け、会員から投稿募集することとなった。当日は各分野の選者を依頼した栢野桂山(俳句)、渡辺光(短歌)の両氏のほか、松平和也、纐纈蹟二の両書記理事、玉井須美子文化担当理事、上原玲子事務局長が出席して募集内容を検討した。この他、星野瞳(俳句)、小池みさ子(短歌)の両氏が選考を補助すること、川柳は柿島貞子、黒田不知火の両氏、自分史、随筆部門では中田みちよ氏を中心に、松平が責任者となり、当日の出席者が選考に当たる事となった。
 募集要項は「老壮の友」に載せるほか、邦字紙にも発表し、また各クラブへも通知するなど万全を期した。応募者の資格は原則として老ク連会員に限定。作品は未発表のものとした。また、短詩型のものは一人あたり五句(首)までとし、兼題は百周年に因んだ内容、また随筆、自分史は二〇〇〇字以内と規定した。
 五月三十一日の締切日までには俳句(五八人)、短歌(三〇人)、川柳(一七人)、随筆(一一人)、自分史(六人)の投稿が寄せられ、全作品は受付け次第ワープロ作業で清書され、選者のもとへ届けられて、厳しい審査を受けることとなった。
 その後、八月一日には編集会議が召集されて、五部門における一位から三位までの入選作十五作が選者より発表され、作品が募集要項に適っているかも慎重に検討された。当日の出席者は栢野桂山氏(俳句)、渡辺光氏(短歌)、中田みちよ氏(随筆、自分史)の選者のほか、老ク連からは松平、纐纈、玉井、上原に五十嵐副会長が加わり、約二時間にわたって各部門毎に検討(けんとう)された。
 主な課題では、まず俳句部門では選者の栢野氏は「必ず季語を入れること。〝百周年〟は季語にならないので、〝百年祭〟にしてほしい。なお、俳句に関しては投稿された句に対しては、添削を加えることは極めて当然のこととされているので、筆を入れてある」と選評。
 川柳の〝歯の抜けたやうなお祭百年祭〟には主催者側に対する辛辣(しんらつ)な批判が込められており一位に選ばれた。
 短歌部門では入選作は期せずしてセントロ桜会の会員のみとなったが、選考の際には投稿者の名前は伏せてあり、偶然の結果と判断された。
 随筆、自分史では二〇〇〇字以内という制限が明記されていたにもかかわらず、オーバーした作品も少なくなかった。選考責任者の中田みちよ氏をはじめ各委員の意見で字数のオーバーしたものはまず除外された。自画自讃のようになっているもの、他人の意見を集めたもの等も当然敬遠(けいえん)された。また、文中の固有名詞は符号に変えた方が良い、との結論も出され、ブラジルでしか書けないようなもの、前向きな姿勢のもの等が選択された。自分史では、まず渡伯後のブラジルの生活に触れられていないものは省き、文脈が明らかに矛盾していると思われるものも減点された。また、中には句読点が少なく読んでいて息切れがするようなものもあり、それも除外(じょがい)。その結果次のように入選作が決定された。
【俳句】
①卒寿翁百周年の桜守る(香山和栄)②百年の汗と涙の染む大地(鈴木文子)③六世の生れて移民史百年祭
【短歌】
①もろもろの幾多の苦難乗り越えて今百年の大空仰ぐ(井本司都子)②ふるさとを訪れるなく逝きし父母魂よ安かれ百周年祭(富樫苓子)③百年は夢の如しと人言えどひと日ひと日の年月重し(上田幸音)
【川柳】
①歯の抜けたやうなお祭百年祭(大岩和男)
②信頼の稔る拓魂百年祭(鈴木竜尾)③四世へ日本文化を語り継ぎ(檀定則)
【随筆】
①百年の古時計(早川正満)②兄の年月(井沢佳子)③日系人と日本精神(井上忠治)
【自分史】
①思い出すままに(井口たき子)②花嫁移民として(相沢絹代)③私の自分史(西丸俊子)
 なお、当初、選に入った内の幾つかが選考委員の作と分かり、皆で話し合った結果、選外となったが、さすがに分野外でも上手だと思わされた。
 入選者十五名には、八月九日(土)の老人クラブ大会の席上で、賞金①二百レアル②③百レアルが贈呈される。


宇野先生も駆けつけた日本祭り

 老ク連は今年も七月十九日(土)、二十日(日)の両日、県連主催の日本祭りに参加した。金曜日の代表者会議の後の夕方、机、いす、大きめの荷物などを運び込んだが、今回は上野理事がコンビ車を提供したので、大いに助かった。
 今年の老ク連ブースは、昨年と同じ屋内だったが、売り場面積は昨年の半分で、出店料は二倍という高額。「損をしてまで出店の価値があるのか」との意見もあり、大いに迷ったが、結局、参加することに意義があるのではということになった。
 それにしても広くて良い場所を無料で、あるいは極安価で頂いている団体や福祉団体もあり、うらやましい限り。老ク連は今回で五回目の参加だが、今までは高齢者団体ということでそれなりの気遣いも頂いていたものだが、今回は場所も会館の一番端っこ。その上、邦字紙にも名前が掲載されなかったため、会員は「一生懸命(いっしょうけんめい)探したけれど、どこに出ているのか分からなかったので、今年は出なかったのかと思った」と口々に言う。自助互助(じじょごじょ)の精神で、他人に迷惑をかけないように最後まで元気でありたいと頑張っている我々高齢者の団体に対して、「主催者側がもう少し配慮(はいりょ)してくれてもよかったのでは…」という声もある。
 老ク連踊り教室では、出来上がったプログラムを見て四時三十分からの出演を「もう少し早くできないものか」と相談に行ったところ「だめです。いやなら辞めてもいい」と、木で鼻をくくった返事に唖然(あぜん)。「他に何とか言いようがあるものを…」と係りは嘆(なげ)いていた。
 さて、こんな不利な条件にもめげず、我々役職員たちは大奮闘(だいふんとう)。売り場面積は狭くて二、三人しか入れないため、後の人は外側に出て売り子を務める始末(しまつ)。商品は机の上に乗り切らないので、床に空き段ボールで台を作って乗せ、さながら田舎の雑貨(ざっか)屋さん。客足は結構あるのだが、懐(ふところ)が固い。赤字になっては大変なので、必死に売り込む。日本から前シニアボランティアの宇野先生と加藤さんも応援に駆け付けて下さり、旧交(きゅうこう)を温めながら数多い知人に声をかけて、ともに売り子を務めて下さる。その上、前日は遅くまで可愛い折り紙の花ボールを作って協力して下さり、老クの売り場も明るいお二人のおかげでとてもにぎやかになった。
 今回は日本祭りにふさわしい、会員手作りのキンピラごぼうやひじきの煮付けなどのお惣菜からまんじゅう、漬物、いなり弁当、味噌、蜂蜜、草履、和紙細工(わしざいく)、古本、新刊本などいろいろ販売したが、売り上げは昨年ほど伸びず「骨折れ損のくたびれ儲け。来年は絶対に出ないよ」という声もあった。
 翌日踊りの会の玉井先生に「踊りどうでした?」と聞いたところ「それがねぇ。踊り終わったら『老ク連さんの踊り、とても良かったよ。来年もぜひ出てネ』なんて係りの人が言ってくれたのよ。それで気を良くしているの」と、申し込み時の嫌(いや)なこともケロリと忘れて、またまた来年に向けてやる気満々(まんまん)。
 とにかく日本祭りも無事に終わりました。お料理を作ったり、荷物を運んだり、何かと協力して下さいました会員の皆様、ありがとうございました。本当にお疲れさまでした。


嬉しかった三回の落語公演

 移民百周年の今年、老ク連では地蔵尊建立と創作選集出版だけを記念事業としたが、はからずも七月に外部からの誘(さそ)いによる落語公演が三回も行われることになった。
 最初は七月二日、落語そのものではないが、その伴奏(ばんそう)ともいうべき出囃子(でばやし)の三味線奏者恩田えりさんの公演である。恩田さんは三十七歳、大学の法学部を卒業しながら、方角違いの伝統芸能を志し、都内五ヶ所の寄席(よせ)を廻って年中休みなしの活躍とか。落語のどんな場合には、どんな調子の曲をつけるのか、といった珍しい説明付きの実演に、約四十名の観衆は少し利口になったような気がした。この恩田さんの公演は、農業技師で日本芸能愛好者の杉本俊和氏の奔走(ほんそう)で実現した。
 続く七日には、「国境(こっきょう)無き芸能団」の一行六名の落語・手品・切り絵などの楽しい公演が行われた。サンパウロで唯一回の公演という事もあって、約百八十名の観衆でサロンはびっしりとなり、途切れることなく笑いの渦(うず)が起こり、アッという間の二時間であった。ここに前回の恩田えりさんの三味線も加わり、数々の場面で出囃子(でばやし)の説明が思い出されて、納得(なっとく)の一言であった。
 これはJICAのお世話で実ったが、紋付袴(もんつきはかま)の団長・笑福亭鶴笑(しょうふくてい・かくしょう)師匠(ししょう)ばかりでなく、出演の四人が侍や芸者さんの格好になったり、ポ語を混ぜた落語だったり、かわいらしいお茶子(ちゃこ)さんが一回百円のバイト料で座布団を返したりして、観衆を飽きさせない。さらに見事な切り絵を披露(ひろう)。それも皆の注文を受けたり、観客の似顔絵(にがおえ)を素早く切って見せたり。また手品やどんどん変化する「玉すだれ」など、日本芸能の幾つかを堪能(たんのう)させて貰(もら)った。これは大きな会場では味わえなく、楽しい気分で大笑いした最高の記念日となった。
 最後は十八日、サンパウロ新聞社鈴木編集長の口利きで、春風亭英枝(しゅんぷうてい・えいし)師匠の落語口演であった。次から次に師匠の口から出てくる駄洒落(だじゃれ)や都々逸(どどいつ)に、よくも思いつくものだと笑いながら感心するばかり。この独演(どくえん)会は月に一度の代表者会議に合わせたので、各会からの出席者も聞くことができて、合計八十名ほどが恩恵に浴して大笑いし、寿命が伸びたような楽しい一時を過ごした。
 今回の三回とも、残念ながら舞台の無い当会では、しっかりした大きな机に毛布をかけて高座としたが、このような設備で高名なプロの方達に無料で本物の落語を見せて頂き、団体冥利(みょうり)に尽きると言うか、会に属していることの得点を味わうことが出来た。これは期待した百周年記念事業に余り良いことが無かった中で、大笑いした記憶は強く残るだろうと、関係者に深くお礼を申し上げたい。


老人週間

九月五日(金)八時 場所は客家会館(文協近く)
有名な日野原重明医学博士が来伯、講演。
京都からSORAKOさんも来て歌います。



○8月の行事

     
     ※10時
絵画教室
※12時15分
なつメロ合唱の会
 ※10時
健康体操教室
※12時
盆踊り教室
※1時
百人一首教室
※9時半
コーラス教室
※12時半
カラオケ教室
※10時
健康体操教室
※1時
民謡教室
※9時半
練功体操教室
※11時10分
カラオケダンス愛好会
※10時
絵画教室
※9時半・1時
書道教室
※老人クラブ大会・芸能祭(文協)
10111213141516
 ※10時
健康体操教室
※12時
盆踊り教室
※1時
俳句教室
※9時半
コーラス教室
※12時半
カラオケ教室
※10時
健康体操教室
※1時
民謡教室
※9時半
練功体操教室
※11時10分
カラオケダンス愛好会
※10時
絵画教室
 
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 ※10時
健康体操教室
※12時
盆踊り教室
※1時
百人一首教室
※9時半
コーラス教室
※12時半
カラオケ教室
※10時
健康体操教室
※1時
民謡教室
※9時半
練功体操教室
※11時10分
カラオケダンス愛好会
※10時
絵画教室
※9時半・1時
書道教室
※12時15分
名画鑑賞会
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 ※10時
健康体操教室
※12時
盆踊り教室
※9時半
コーラス教室
※12時半
カラオケ教室
※10時
健康体操教室
※1時
民謡教室
※9時半
練功体操教室
※11時10分
カラオケダンス愛好会
※10時
絵画教室
※12時15分
名画鑑賞会
31      
       



○名画友の会

8月23日(土) 第178回鑑賞会
(1)「原爆の子」 1952(昭和27)年度作品 黒白85分
監督: 新藤兼人
出演: 音羽信子、滝沢修、清水将夫
(2)「荒野の七人」 1960(昭和35)年度作品 カラー138分
監督: ジョン・スタージェス
出演: ユル・ブリンナー、スチーヴ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン

8月30日(土) 第179回鑑賞会
(1)「生きものの記録」 1955(昭和30)年度作品 黒白103分
監督: 黒沢明
出演: 三船敏郎、東郷晴子、志村喬、青山京子
(2)「スティング」 1973(昭和48)年度作品 カラー129分
監督: ジョージ・ロイ・ヒル
出演: ポール・ニユーマン



○各教室参加者 (6月21日-7月20日)

コーラス教室4回64名民謡教室3回40名
踊り教室4回59名俳句教室1回10名
カラオケ教室4回68名カラオケ・ダンス愛好会4回172名
健康体操教室6回99名名画友の会2回63名
練功体操教室4回42名なつメロ合唱の会1回25名
書道教室2回74名絵画教室4回38名
書道(百人一首)2回19名百人一首の会2回7名



○寄贈・寄付 6月21日-7月20日(敬称略)

・書籍類永田久3冊、佐藤一子10冊、伊野恭子15冊、林宗円1冊、高橋潤吉5冊
・その他ビデオ-内海博2本、コーヒー-猪野ミツエ2袋、日本祭用賞品-矢野恵美子15袋・松平力子105袋・清水笑子21袋



○事業報告 6月21日-7月20日

6月21日サンボードロモにて移民百周年式典 老ク連扱い121名、バス2台運行
25日サロンで井上祐美歌謡ショー 観客約60名 世話-五十嵐・内山
7月2日サロンで恩田えり寄席ばやし公演 観客約40名 世話-内山
3日兵庫県から頂いた「神戸の水」を受け取りに-内山・貞弘
老人週間場所代捻出のためのバザー用荷物運搬-内山・貞弘
選別の手伝い-会員5名
4日援協にて同バザーの売り子手伝い 貞弘他会員4名
第7回理事会 10名
7日サロンにて「国境なき芸能団」の落語公演会 笑福亭鶴笑他一行12名 観客約180名 世話-五十嵐
9日モジ児島さん宅へ地蔵を見に 五十嵐・小坂・纐纈・西丸他
11日日本祭りの件にて県連へ 内山
13日響ファミリーアンコールショー 小坂
14日宮城県人会創立55周年祭 五十嵐
15日日本祭りのバザーで使う小物の買い物 内山・松平
16日戸塚先生宅へお見舞いに 松平
17日お地蔵さん運び込み 五十嵐他手伝い数名
18日会計監査会 西丸・古賀・佐藤・戸田
第5回代表者会議 39名
サロンにて春風亭栄枝師匠の落語口演 観客約80名
日本祭り会場へ荷物運び込み 内山・上野・小坂・貞弘
19日同祭りに出店 内山・松平夫妻・貞弘・職員3名・宇野他
20日 〃 〃 
※ その他に内山・松平・戸田・上野・玉井・田村・有賀氏がそれぞれの任務を果たす


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