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熟年クラブ連合会
     事務局だより  (最終更新日 : 2019/02/15)
2009年3月号

2009年3月号 (2009/03/04) ○トピックス

座談会 「老ク連の今後を考える」

 老ク連では、昨年六月の日本人移民百周年記念祭典が済んだ頃から、ブラジルにおいて日本語で活動している当会は、今後どんな方向に進んで行ったら良いか、と言うことが話題に上っていました。そこで日頃老人クラブ運営に苦心されておられる代表者の方々に集まって頂いて、座談会を開く事にしました。以下に去る二月四日に行われた座談会の内容を掲載します。(文責編集部)

出席者
・永田久(ゲスト、「のうそん」誌刊行)
・重岡康人(老ク連会長、サウーデ文協老壮部)
・五十嵐司(副会長、名画・なつメロ倶楽部)
・小坂誠(副会長、イタケーラ寿会)
・西丸俊子(監査役、モジ中央日会老人部)
・古賀正倫(監査役、サント・アンドレ白寿会)
・瀧ヶ平功(理事補佐、ビラ・ソニア老壮クラブ)
・中川浩巳(理事補佐、ピニェイロス老壮部)
・斎藤武兵衛(代表者 スザノ福博村会福栄会)
・檀定則(代表者 イタペチ万寿会)
・野村愛国(代表者 イタペチ万寿会)

はじめに

☆重岡: 皆さん今日は。本日は御多忙の中、わざわざ御足労頂いて感謝します。今日は「老ク連の今後を考える」と題しまして、有志の方々によります座談会を企画しました。議事の進行は経験豊かな五十嵐副会長にお願いしましたので、皆様の忌憚(きたん)のない御意見をお聞かせ下さい。

☆五十嵐: ただ今御紹介頂いた五十嵐です。本日の司会をつとめさせて頂きますので、どうぞよろしくお願いします。
 昨年はブラジル日本移民一〇〇周年記念式典などが挙行され、我々にとりましては極めて大きな節目の年でした。とり行われた一〇〇周年関連のさまざまなイベントの中には、満足のいかない感想の残るものもありましたが、各部門の担当者、或いは地域的な事業などでは皆さんの献身的(けんしんてき)な努力がみのって、想像以上の成果をあげることが出来ました。また、ブラジルの一般社会から非常に高い評価を受けることが出来たという意味で、大変意義(いぎ)のある年でした。
 そして今年は、ブラジルの日系コロニアは第二ステップに足を踏み入れることになります。我々老ク連もそれに沿って今後の事業計画をたてて活動を進めていきたいと思い、皆さん方の御意見をお聞きするべく本日お集まりいただきました。

高齢化と会員の減少

☆司会: 私は昨年末に訪日、日本で全老連や東京都の老人クラブを視察して参りましたが、どこの老人クラブでも著(いちじる)しい会員の減少傾向(げんしょうけいこう)で頭を悩ませていました。カッコイイ名前に代えてみても全く効果はなかったそうです。自分達はまだ若いのだ、年寄りの仲間なんかには入りたくない、ということらしいのです。また、どうやら老人達の意識、行動様式の変わり方にも原因はあるようで、情報化社会となりコンピューターが普及した結果、老人がインターネットに取り組むことが多くなり、家から外へ出なくなったのが、老人クラブ活動の大きな障害(しょうがい)となっているようです。これからは口コミによる勧誘(かんゆう)によって、会員の増加につとめる他はないようだ、との話でした。

☆中川: ピニェイロス文化親睦会老壮部でも、自分は老人ではない、という意識を持つ方はあるようで、老ク活動に反発があって積極的に勧誘出来ないのが現状です。そこに限界があるようで、じっくりと忍耐強く説得するほかないのです。

☆檀: イタペチ(モジ・ダス・クルーゼス郡)の場合は田舎のことでもあり、町の老人クラブとは少し異なるのでしょうが、日本人会、青年会、婦人会があって、老人クラブもある訳で、それぞれが独立した組織です。日本人会は段々と若返ってきており、四〇、五〇歳代が中心になっていて九〇%は二世です。六〇歳代になると自然に老人クラブへと移行していくので、会員は増えてきています。田舎ではまとまりもよくて何かと言うと会舘へ集まることが多くなります。また、日本人会は家長のみの入会ですが、老人会は夫婦単位となるので人数も多いのでしょう。家の事業を息子達にバトンタッチしたら、自分達は老人クラブ活動へと、女性の場合でも嫁が婦人部に入るようになったら、自分は老人クラブへ、ということになります。勿論中には婦人会と老人クラブにまたがって活躍している方もあります。そういうことで会員数は少しずつ増加傾向にあります。
 今日の座談会のテーマは「老ク連の将来」ということなのですが、やはり各クラブが活発な活動を続けていくことが、本部である老ク連の発展にもつながっていくことになるものと確信します。それで老ク連は従来通りの恒例事業を続けていくという方針でいいのではないでしょうか。

☆野村: 老人クラブが誕生してから三十三年が経過したのですが、やはり時代と共に移り変っていくことは当然です。老ク連という中央機関が今後どういう役割を果たしていかなければならないか、を討議(とうぎ)するのが本席の目的なのだと思います。地方は地方で中央がないと成り立たない組織なのか、または地方クラブあっての中央団体なのか、そういうところから議論(ぎろん)を始めたらどうでしょうか。
 たとえば本部があってこそ、日本からJICAシニア・ボランティアの先生方にお出頂いて、各クラブへ派遣されて指導にあたってもらうことが出来るのです。そういった活動をもう少し強化(きょうか)してもらいたいと希望します。

☆司会: 数年前の新しい定款による連合会組織になってからは、あくまでも地方の各クラブの活動が主体となるものであり、本部は少しでも各クラブの活動推進(かつどうすいしん)のお手伝いをする、というのが役目なのです。したがってやはり各クラブの発展があっての連合組織(れんごうそしき)ということになります。

☆野村: つい先日のことですが、近所のジャカレイの有志の方たちに、老ク活動への参加を呼びかけたところ、加入したら何かいいこと、例えばメリットがあるのかと聞かれました。現在の老ク活動に関心を持っている地方団体も確かに存在するものと思いますので、今後は地域社会での勧誘活動にも目を向けたらどうでしょう。

☆檀: それから、老ク連の創世期(そうせいき)の歴史をひもといてみますと、各老人クラブのリーダー達を中心とした各種の研修会が盛んに開かれていました。私の父などもかなり熱心に活動をしていたように思います。そんなことが地方クラブの活性化に大きな役割を果たしてきたのでしょうが、最近は研修会の話はほとんど聞きませんね。
 そこで本部の方で適当な老ク活動の指導者を見つけて、地方クラブへ派遣するというのも一つの方法ではないでしょうか。それから大切な広報手段である機関紙の「老壮の友」は有料なのですね。これは会員の方へは無料でサービスしてほしいと思います。

日本語の存続

☆司会: どこでも世代交代が進んで、ブラジルの日系社会の場合には言葉の問題(日本語)が深刻になってきております。二、三世の方々も日本語の会話はともかく、書いたり読んだりすることになると満足に出来ない、という傾向は益々強くなってきております。

☆野村: 友人に邦字紙を購読(こうどく)しているかと聞くと、NHK番組を見ていてニュースは判るから、費用もかかることだし新聞はとっていないと言います。日本語の文字ばなれになっている人も周囲に少なくないようです。彼等を自分等の仲間に入るように勧(すす)めると、やはりメリットの問題が出てきます。

☆司会: 古賀さんなどはブラジル生まれでも非常に日伯両語に堪能(たんのう)ですが、サント・アンドレ等はどういうことをやっておられますか。

☆古賀: いやあ、私などは戦時中に少年時代を過ごしましたから、どちらも中途半端(ちゅうとはんぱ)の状態です。まあ、精神構造(せいしんこうぞう)の上では日本人的なものが根強く残っているのでしょうが・・・。私はサント・アンドレ白寿会では初めての二世会長を二期つとめましたが、どうしたら会員を増やしていけるか、そして会員の皆様に喜ばれるにはどういうことをやればいいのか、というのが一番の課題(かだい)でした。先輩の意見なども聞いて、まず会館に集まって来る人に昼食を提供して、ビンゴやカラオケ等のイベントを楽しんでもらう。講演会を開いたりもしました。年に三、四回の旅行も続けてきました。おいしいものを食べて温泉に行き、皆さんに喜ばれました。こうして会員も減少することもなく、少しずつ増えてきております。

☆瀧ヶ平: そういう話を聞くと、私は羨ましくてなりません。私どものヴィラ・ソニア老壮クラブでは、私の入会当時には九〇名ほどの会員がいたのですが、だんだんと減ってきております。当会の平均年齢が七九・六歳なので新しく入ってくる人は少ないということです。何かやろうとして皆さんに意見を求めるのですが、お年寄りなのでいいアイデアも浮かばない。どうしたら新しい若手の人が入会してくれるか、と考えるのです。やはり会の活動に魅力が必要なのでしょうね。

☆檀: それはどこの会でも同じようなものでしょう。例えば、昨年完成した「老ク連三〇年の歩み」などを読んでみても、どのクラブでも同じような行事内容が述べられています。

☆野村: 巻末の会員名簿を見ますと、数の上でもいろいろな会があるのですね。二五0名以上の会、四‐五名の会など、随分と差がありました。一世と二世との比率も会によって違いはありますが、やはり一世の集まる会だなと感じられます。年をとってくると仕事は息子に渡し、親はゲートボール、カラオケで楽しんでNHKを見て過ごすという毎日で、誠に結構なことだと思うのです。しかしやはり話し相手が欲しいのです。それも身のまわりの日常茶飯事(にちじょうさはんじ)ぐらいで、国際問題、経済問題のような神経を使うような話題は避ける、どうせ先の短い身なのだ、という意識(いしき)が強いようですね。

☆司会: しかし惚けないためには、やはり多少なりと他のクラブの人達と交流するなりして、活性化を図ることも必要ではないか、と考えますが。

☆古賀: それでも、いま老人クラブの会員になって、各種のイベントに参加している方達はまだ幸せな身分なのです。私は援協のサント・アンドレ地方委員として、いろいろとお手伝いしているのですが、福祉施設には身寄りのない老人、知的障害(ちてきしょうがい)のある人、少し経済的に余裕があって個室に入居して、立派な仏壇(ぶつだん)まで置いて暮しておられる人など色々います。そのような境遇にある人達に比べるとやはり我々は恵まれていると思ってもいいでしょう。なかには入居者(にゅうきょしゃ)と同数の看護婦や介護人が二四時間付きっ切りで世話をしているところもあります。援協という組織は立派なことをやっているものだと感心させられます。我々も出来るだけリッファの協力は惜しまずに、機会があったら慰問に出掛けるようにしたいものだと痛感(つうかん)しています。【4月号に続く】


教養教室が増えました

・川柳教室 毎月第三火曜日一時
 指導はベテランの柿嶋さだ子先生
 初日は三月十七日 会費一回五レアイス

・ポ語会話教室 毎週木曜日一時
 指導は日伯両語に堪能な岩崎ルリカ先生
 文法よりも日常会話に重きをおきます
 会費一回四レアイス

皆様のご参加をお待ちしています。



○3月の行事

 ※10時
健康体操教室
※1時
盆踊り教室
※1時
百人一首の会
※9時半
コーラス教室
※12時半
カラオケ教室
※1時
花合わせ愛好会
※10時
健康体操教室
※1時
民謡教室
※9時半
練功体操教室
※11時10分
カラオケダンス愛好会
※1時
ポルトガル語会話教室
※10時
絵画教室
※12時15分
なつメロ合唱の会
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 ※10時
健康体操教室
※1時
盆踊り教室
※1時
俳句教室
※9時半
コーラス教室
※12時半
カラオケ教室
※1時
花合わせ愛好会
※10時
健康体操教室
※1時
民謡教室
※9時半
練功体操教室
※11時10分
カラオケダンス愛好会
※1時
ポルトガル語会話教室
※10時
絵画教室
※9時半・1時
書道教室
※12時15分
名画鑑賞会
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 ※10時
健康体操教室
※1時
盆踊り教室
※1時
百人一首の会
※9時半
コーラス教室
※12時半
カラオケ教室
※1時
川柳教室
※10時
健康体操教室
※1時
民謡教室
※9時半
練功体操教室
※11時10分
カラオケダンス愛好会
※1時
ポルトガル語会話教室
※10時
絵画教室
 
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 ※10時
健康体操教室
※1時
盆踊り教室
※9時半
コーラス教室
※12時半
カラオケ教室
※10時
健康体操教室
※1時
民謡教室
※9時半
練功体操教室
※11時10分
カラオケダンス愛好会
※1時
ポルトガル語会話教室
※10時
絵画教室
※9時半・1時
書道教室
※12時15分
名画鑑賞会
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 ※10時
健康体操教室
※1時
盆踊り教室
※9時半
コーラス教室
※12時半
カラオケ教室
    



○名画友の会

3月14日(土) 第192回鑑賞会
(1)「事件」 1978(昭和53)年度作品 カラー138分
監督: 野村芳太郎
出演: 永島敏行、大竹しのぶ、松坂慶子
(2)「オズの魔法使い」 1939(昭和14)年度作品 カラー101分
監督: ヴィクター・フレミング(アカデミー作曲・主題歌賞、特別賞)
出演: ジュディ・ガーランド、バート・ラー、ジャック・ヘイリー

3月28日(土) 第193回鑑賞会
(1)「沓掛時次郎・遊侠一匹」 1966(昭和41)年度作品 黒白117分
監督: 加藤泰
出演: 中村錦之助、池内淳子、渥美清、東千代之介
(2)「月の輝く夜に」 1987(昭和62)年度作品 カラー102分
監督: ノーマン・ジュインン(アカデミー脚色賞)
出演: シェール(アカデミー賞)、オリンピア・デゥッカス(助演賞)



○各教室参加者 1月21日-2月20日

民謡教室5回64名コーラス教室4回72名
舞踊教室4回64名カラオケ・ダンス愛好会5回275名
俳句教室1回11名カラオケ教室3回37名
健康体操教室9回159名なつメロ合唱の会1回25名
練功体操教室5回52名名画友の会1回35名
書道教室2回68名花合わせ愛好会1回3名
書道(百人一首)2回20名百人一首の会2回18名
絵画教室4回41名



○寄贈・寄付 1月21日-2月20日(敬称略)

・書籍類井出香哉16冊、日本会議1冊、栗原アキ子1冊、上田和子3冊、鈴木文子2冊、田村福八7冊、田中保子30冊、金藤泰子10冊、溝江13冊、伊藤ココ5冊、匿名1冊
・その他ビデオ-伊藤ココ3本、コーヒー粉3包み・お茶3本-木陰句会、石鹸2個-香山和栄



○事業報告 1月21日-2月20日

1月22日北海道協会にて日本語センター主催のふれあいゼミナーに参加 約10名
23日夜、文協にて大部総領事歓迎会 重岡・五十嵐・内海
30日第30回老ク連定期総会 52名。 終了後、日本会議による「平成巡幸」(両陛下ご訪問)のビデオ上映
2月1日貞弘先生をノーヴァ・エスパランサ緑会へ派遣
4日座談会「老ク連の今後を考える」 出席者-永田先生、重岡、五十嵐、小坂、松平、西丸、古賀、滝が平、中川、斉藤、壇、野村
6日第1回理事会 11名
14日貞弘先生を名画なつメロ倶楽部へ派遣
15日貞弘先生をサンパウロ東部紅葉会へ派遣
18日貞弘先生をジュンジアイ睦会へ派遣
19日貞弘先生をモジ中央日会老人部へ派遣
20日会計監査会 西丸・古賀・玉田・戸田
第1回代表者会議 39名
※ その他に内山・松平・戸田・田村・有賀氏がそれぞれの任務を果たす。


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