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熟年クラブ連合会
     活動報告  (最終更新日 : 2019/02/15)
2009年5月号

2009年5月号 (2009/05/07) 老ク会館クッピン大被害

 当会が現在の会館を購入(こうにゅう)した時は、築(ちく)六十年で大変古いと思ったが、専門家の「非常にしっかりした建物なので、上に建て増しても充分使える」との保障を頂いたので、購入を決めて改造(かいぞう)したのである。イタリアとポルトガルからの材料も加わった、しゃれた感じの石造りの会館は、地下二階地上二階建てで、建物の下は天井の高い地下室になっているが、そこも少しも湿っていず安心して良いとの事だった。
 それから十一年半、昨年暮れ近く、活動が広がるに従って、邪魔(じゃま)になっていた二階会議室の真ん中にある左右からの出っ張りを取り、二階の広いトイレを改造(かいぞう)して一部物置(ものおき)にする工事を行った。その際、天井裏(てんじょううら)のクッピン被害(ひがい)が見つかったが、既に食べられた後だったし、中心的な材木は大丈夫だったので、薬をかけておけば良いだろうと言う事になった。
 しかしそれは余りにも甘い判断(はんだん)だったのである。二月末突然(とつぜん)ひさしに貼り付けてあるマッサ【漆喰(しっくい)】の一部が、大音響(だいおんきょう)とともに崩れ落ちた。そこは裏に宿泊している寮生十人がいつも通る所であり、昼間は駐車場(ちゅうしゃじょう)でもある。運良く人も車もなく、埃(ほこり)だけで済んだのは大変幸(さいわ)いであった。 しかし落下物に混じって穴だらけでスカスカの木片も、たくさん落ちて来たのには驚(おどろ)いた。結局ひさしを全部落として、クッピンの食べないプラスチコの板を貼り付けて万事良しと思ったら、今度は二階の一室の天井が膨(ふく)らみ始めた。即時に全家具もろとも部屋主を隣の部屋に避難(ひなん)させ、その日のうちに天井を落とす。上も見ずにいたら大惨事(だいさんじ)になるところであった。こちらも運良く事前に対応できて良かった。これは重いひさしが軽い板に変わったため、均衡(きんこう)が崩(くず)れたとの事。しかし一番の原因は支えるはずの板が用をなしていなかったためである。
 結局、老ク連では二階の天井を全部取り替えることにして、四日間活動を休み事務所を閉めて、ものすごい埃(ほこり)と共に天井を落とした。そして真新しい真っ白の天井になれば、壁(かべ)も塗り替えたくなり、埃だらけになった床も思い切って削って磨(みが)くこと【カスコラッキ】になった。
 このように次から次に出てくる修理のために、工事はまだ継続中であるが、きれいに使い易(やす)く直して皆に喜ばれて、会館にはまだまだ高齢者のための活動場所として、大活躍(だいかつやく)してもらわねばならない。
 日本でも従来(じゅうらい)のシロアリに対して、アメリカ乾材シロアリはどこにでも付いて困る、といって度々ニュースに登場するが、当会でも目に見えない所でこんなに大きな害(がい)になっていたとは思いもかけず、大いに今年度の予算も狂(くる)うことになった。しかし人身事故にもならずに済んだし、大して慌(あわ)てもせずに必要な処置(しょち)が出来た事に、関係者一同、大変安堵(あんど)したのであった。


童話の会松柏学園へ

JICAシニア 貞弘昌理
 去る三月二十三日、「童話で日本の心を教える会」と共に松柏学園(しょうはくがくえん)へ行き、三歳から六歳児の三クラスにレクリェーションを行った。
 老ク連からの参加者は五十嵐、田中、中原、黒川、貞弘の五名。松柏学園は大きな日本語学校で、幼児から中学生まで学んでいる。代表者五十嵐副会長の挨拶と簡単な内容の説明があってから、DVDで日本の昔話「桃太郎」「花咲じじい」「浦島太郎」を見せた。日本で何年も前からテレビでやっている「日本昔話」を録画したもの。これは我々大人が見ても面白い。絵が可愛くて良いし、声優(せいゆう)の話し方がちょっととぼけた味があって、とても良い。ここの子供たちにも受けたのが分かって、嬉しかった。
 DVDのあと、全員でその物語の歌を歌った。みんな日本の童謡で、ずっと歌っていなくても、昔からの馴染(なじ)みがあるので、楽しく歌えた。子ども達も日本語の歌は日ごろから習っているようで、我々と一緒に大きな声で歌っていた。続いてパネルシアター(板の上で人形を使って演ずる動く紙芝居)で「大きな芋」「こぶたぬきつねこ」を演じた。子供達にとっては、日頃と違う授業内容(じゅぎょうないよう)で、とても興味(きょうみ)があったようだ。子供達の反応は良く、大きな可愛い声で一生懸命歌っていた。別のクラスの生徒数人が、ドアから覗(のぞ)いていたが、その子達にも見せてやりたいと思った。
 この私たちの事業(じぎょう)は、日本の文化を伝えようと、同学園へは今回で三回目の訪問。初めは紙芝居(かみしばい)をしていたが、日本語が良く分からないのと、より動きのあるDVDの方が、子供たちの反応が良かったので、前回からこのやり方で見せている。後からお礼にと子供の書いた感想文と絵を送ってきた。たどたどしい文と子供らしい絵、我々の演じた、テレビに映った桃太郎やパネルシアターの豚(ぶた)などの絵が描いてあった。
 DVDの物語やパネルシアターは日本語で演じたが、子供たちの普段(ふだん)の会話はポルトガル語。いくら日語学校の生徒でも、日常会話では日本語はほとんど使っていないようだ。ここはブラジルなので、当然といえば当然のこと。しかし、折角(せっかく)日本語を習っているのにと一寸(ちょっと)残念な気がする。我々としては、もっともっと日本語を使ってほしいと思う。
 日本語教師の先生、頑張ってください。


カンピーナス、インダイアツーバ交流の旅

心に残る最良の日

モジ中央日会老人部 西丸俊子
 三月二十六、二十七日の両日、老ク連の親睦旅行に参加しました。モジからは三人が参加し、カンピーナスの観光を終え、無事、会館に着きました。
 明治会の例会に参加させて頂き、沖純一会長の整理された内容に大いに感ずる所がありました。例会の誕生会にはサンパウロから出席した人もお祝いして下さり、行き届いた心遣いを感じました。
 レクリエーションでは貞弘先生の懐かしい歌などがあり、楽しい時間を過ごしました。名残(なごり)惜(お)しいお別れをして、次の目的地、インダイアツーバへ向かいました。約五十分ほどで到着し、夕食を済ませてホテルへ向かいました。とても立派なホテルで疲れをゆっくりと取る事が出来ました。
 翌二十七日は二つの工場の見学です。午前七時半、ホテルを出発し、ヤンマー工場へ向かいました。ここでアチバイア清流クラブと合流して、最後まで一緒に過ごしました。澤山の方々の出迎えを受け、従業員二百三十人が働く工場内を三世の日系青年が説明しながら案内してくれました。農機具のヤンマー位しか知りませんでしたが、実際、見学をして大変な作業であることを感じました。
 続いてトヨタ自動車工場の見学です。日本から三年契約で派遣された青年が一組二十人を引率して工場内を説明しながら一巡して下さいました。工場内は生理整頓(せいりせいとん)が行き届き、ちり一つ落ちていません。NHKで自動車の組み立ての一部は見たことがありますが、一台の自動車の出来る工程を見たのは初めてです。説明の青年の言葉の丁寧(ていねい)な事、三分に一台が出来上がり、出てくる所を見させて頂き、感激しました。工場内の道路の移動は左右をよく見て「よしよし」と言ってから渡る規則だそうです。工場内では何よりも自動車が大切にされていました。日本式が徹底(てってい)していて、外人にも規則が行き届いている様子でした。
 見学を終わり、一同、インダイアツーバの会館に向かいました。日本人会会長さん、老人会会長さんのお骨折りで、二つの工場見学が実現できた事を知り、日系人が信用されていることが分かりました。
 昼食後は役員の挨拶後、貞弘先生の時間です。カンピーナス同様、楽しく歌と頭の体操、ダンスと時間を忘れる楽しいひとときでした。
 私は特にインダイアツーバで忘れられない事がありました。かねがね丸山さんから同船者がいる事は知らされ、電話連絡はしていました。お会いして、同船者と言うだけで、こんなに親切にして下さり、私を待っていて下さった事、お会いした瞬間、喜びがこみ上げてきました。また、私の同県同船者が去年の暮、亡くなられた事を聞き、悲しみの涙も流れました。長い人生で、感激の嬉し涙と悲し涙が一度にこみ上げた事は初めてでした。
 同船者の植原さんは私のためにNHKの「ためしてガッテン」の番組を全部プリントして下さり、奥様は小豆あん、栗あん、クレーメあんの三種類のお饅頭を下さり、嬉しゅうございました。このような嬉しい感激は久しぶりの事で、老ク連にありがとうの感謝の気持で一杯です。今までも支部との交流は楽しく嬉しい日でしたが、この度は感謝感激(かんしゃかんげき)雨あられの心に残る最良の日でした。ありがとうございました。

日本人の誇り、トヨタ、ヤンマーを見学

モジ中央日会老人部 貞松君江
 朝四時、緊張(きんちょう)して目を覚ましました。五時半に駅に集合の約束になっているので、絶対に遅れてはいけないと、忘れ物がないかを点検して娘の運転で駅まで送ってもらいました。見渡すと西丸さんが待っておられ、すぐ来た電車に乗って、モジからサンパウロへ。途中、押されて倒れそうになりましたが、無事、リベルダーデに到着、安堵で胸を撫で下ろしました。
 皆様と御一緒の交流旅行は初めてなので、田舎者の私には自分の無知な事がよく分かりました。一同は三十分ほど遅れて、サンパウロを出発しました。
 カンピーナスには十一時前に到着しました。カンピーナス文協で明治会の方々の出迎えを受けて皆さんと握手を交わしました。会長さん方々の挨拶があり、美味しい昼食のお弁当を頂きました。心温まるお茶も頂き、貞弘先生のギター演奏に合わせて「ふるさと」「北国の春」とみんなで歌いレクリエーションを楽しみ、実りあるひとときを過させて頂き、市内観光に向かいました。カンピーナスの街の大きさには驚きました。三十年前に訪れた記憶とは大違いでした。ガイドさん付きの市内観光を終え、インダイアツーバへと向かいました。
 インダイアツーバのレストランにて、夕食を取り、宿泊のホテルYBIAに到着しました。シャワーを浴び、早めに床につきました。
 翌二十七日金曜日は六時半には出発の準備をして下に下りて、朝のカフェーを頂きました。
丸山会長の計らいで、ヤンマー工場へ見学に行きました。そこでアチバイア清流クラブの会員の方々と一緒になり、大型トラクターの組み立てを見学しました。次はトヨタ自動車工場の見学です。立派な生前とした工場内でした、。さすが世界のトヨタ…と、日本人としての誇りを感じました。案内の社員の方も立派な日本語での応対でした。帽子をかぶり、安全眼鏡(あんぜんめがね)をかけ、サンダル履きの人は安全靴に換えての社内見学でしたが、ロボットの活躍はあまり見ることが出来ませんでした。
 その後、インダイアツーバ文協へ案内され、親和会、地元の方々の歓迎を受け、本当に心のこもった美味しい弁当、飲み物をご馳走になりました。会長さん、代表の方々の挨拶が終わり、「ビーバ、万歳」をして、今後の発展と会員の皆さまの健康をお祈りしました。
 貞弘先生のギター演奏、ゲームや踊りと楽しい一時を過し、二日間本当に有意義(ゆういぎ)な時を過させて頂き、お世話になった方々に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。


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