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熟年クラブ連合会
     活動報告  (最終更新日 : 2019/02/15)
2010年9月号

2010年9月号 (2010/09/12) 第34回老ク大会&芸能祭「小野寺医師が胃の病気を講演」

 八月七日土曜日、文協大講堂において第三十四回老人クラブ大会が開催された。
 十時から始まった式典では、内海副会長による開会の辞の後、先亡会員への黙祷、老人クラブの歌の斉唱、来賓、役員紹介に続き、五十嵐会長が会を育ててくれた先人への感謝と共に「年齢に関係なく集い楽しめる会にしていきたい」と挨拶。会員への無料診断を行う遠藤エリオ眼科医など、協力関係者への感謝の意も示した。
 壇上には、在サンパウロ総領事館の鎌倉由明領事、村上ビセンテJICAサンパウロ支所ボランティア担当、山下ジョルジ文協副会長、菊地義治援協副会長、与儀昭雄県連会長、吉岡黎明救済会会長、清水オリジオ・サンタンデール銀行取締役など八名の来賓と、朝枝顧問以下五名の老ク連役員、そしてPL診療所の小野寺近先生が並んだ。
 来賓祝辞に続き、PL診療所の小野寺近先生(五七)が「胃の病気」に関して講演を行った。
 小野寺医師は岩手県水沢市の生まれ。十八歳まで大阪府富田林(とんだばやし)市に住み、PL学園を卒業した後、一九七四年二十一歳で渡伯。リオ州の医科大学に進み、十二年間リオに住んだ。氏によると、胃腸は自律神経に支配され、ストレスが原因で胃炎や胃潰瘍(かいよう)になるという。その違いは、胃炎は胃壁の表面が炎症を起こし、胃潰瘍は表面の穴が深く開いた状態だとのこと。胃潰瘍の場合は、空腹時に胃が痛み、血を吐いたり、黒い便が出たりする。胃がんは、痛みが無いために処置が遅れやすいが、食べ物の傾向が変わった場合は要注意。また、貧血がひどくなったり、急に痩せたりした場合もすぐに検査をすることが重要。
 さらに、性格によって胃炎、胃潰瘍、胃がんになりやすいタイプがあるといい、胃炎は、頼まれ事を断りきれず、自責の念に絡まれる人がなりやすい。胃潰瘍は、他人に注文を付けたり、干渉したがる人。胃がんは、自分の意見を曲げずに頑固な人がなりやすいそうだ。
 胃の病気を防ぐためには、偏食のない腹八分目が大切で、「どれだけ生きるか」ではなく、「どのように楽しく生きるかが大事」と語った。
 その後、老ク連教養教室の発表が行われた。小野寺七郎先生指導によるコーラス・グループが「そよ風の歌」「赤い花白い花」「折鶴」「夏の思い出」「エーデルワイス」を披露。練功体操教室(寺田洋子先生指導)のデモンストレーションに続いて、健康体操教室(戸塚マリ先生指導)による「ラインダンス」「イス・ダンス」が行われ、会場も一緒になって身体を動かした。
 発表会の最後は、踊り教室(玉井須美子先生指導)による「花姿チントンシャン」が行われ、引き続き、芸能祭へと移行した。
 芸能祭は式典前の朝八時半から民謡で幕を開け、式典と昼食休憩をはさみ、午後からも個舞、団舞などが続いた。最高齢者の安田裕規柄さん(九十五歳、サンパウロ中央老壮会)をはじめ、約三百二十名の会員が民謡や個舞、団舞など七十一の演目を披露した。皆、日頃の練習の成果を晴れの大舞台で発表し、晴れ晴れしい笑顔が飛び交った。
 また、恒例のバザーでは講堂前のサロンに衣料品や食料品など二十店余りの店が並び、終始多くの人々で賑わっていた。
なお芸能祭の入賞者は以下の通り。

民謡A(81歳以上)
一位 米節 イタケーラ寿会(田中千恵子)
二位 日光山唄 サンパウロ中央老壮会(阿部秀富)
三位 米山甚句 サンパウロ中央老壮会(安藤祝)
四位 宮城馬子唄 サンパウロ中央老壮会(長谷川英隆)
民謡B(80歳以下)
一位 日向木晩唄 サンパウロ中央老壮会(合田郁子)
二位 宮城馬子唄 ビラ・ソニア老壮クラブ(瀧ケ平功)
三位 相馬土搗唄 サンパウロ中央老壮会(小泉政雄)
四位 南部木晩唄 レプレーザ高砂子会(荘おとり)
個人・対舞 A(80歳以上)
一位 人生劇場 サント・アマーロあおぞら会(酒匂貢)
二位 土佐武士 ビラ・ソニア老壮クラブ(瀧ケ平功)
個人・対舞B(79歳以下)
一位 浜町夢がたり カンピーナス明治会(斉藤多加子)
二位 いつわりさのさ サント・アンドレ白寿会(西田和子)
三位 新妻鏡 アニャンゲーラ仲よし会(宮田文野・文子)
四位 おけさ未練 サンパウロ東部紅葉会(遠藤照子)
団体舞踊A(9名以上)
一位 帆桂起し唄 ジュンジアイ陸会(小堀冨美恵91、長山豊恵86、和田ちどり86、長谷川月枝81、北原民子80、井田すみ子79、鴫田つたえ75、溝口とし子75、久保静香74、渡辺とし江73、平沢万理子70、太田忠之70、山崎美子70、梶田貴美子67、北野つる子65、酒井百合子65)
二位 日本一音頭 ジュンジアイ陸会 9名
三位 証城寺のたぬきばやし ジュンジアイ陸会 15名
団体舞踊B(8名以下)
一位 女黒田節 サント・アンドレ白寿会(尾田咲枝88、佐々木道子73、西田和子69、梅津サチ子64、小坪フサ子64、本田ケイ子69)
二位 花の日本総踊り サン・ベルナルド松寿会 8名
三位 伊万里小唄 リベロン・プレット壮寿会 3名
四位 佐渡の恋歌 サント・アンドレ白寿会 3名
ダンス&体操
一位(若者たち)健康表現体操 リベロン・ピーレス錦友会(赤木竜巳82、赤木和子81、坂本みつ子79、高橋みや子76、大江 清子75、中原日出子75、秦野信子70、林スミ子69、隅田律子65、吹田悦子63
二位 きよしのズンドコ節 ピニェイロス文化親睦会 15名
コーラス
一位 あの丘こえて リベロン・プレット壮寿会(松本静子83、山村和子83、大庭千代子82、上原ハルエ79、宮阪玲子77、山田シズエ75、山根エミ子75、泉文子74、志方裕子74、東オウガ73、船山ミナ子72、首藤洋子67、堺安代65、永吉美恵子64)


老人クラブ35周年祭&地蔵祭

 八月二十日金曜日、老ク連に於いて創立三十五周年と第一回地蔵祭りが開催された。
 当日は、清水オリジオ・サンタンデール銀行取締役、村上ビセンテJICA支所職員、坂和三郎援協会長、原沢和夫元援協会長、下本八郎元聖州議、芸能方面の協力者である福本千賀人(ちかと)氏、のうそん発行責任者の永田久先生らが出席され、はじめに先亡者法要と地蔵供養が浄土宗海外開教使で日伯寺の石川聖教導師によって行われた。読経の合間に参加者ら約百五十名が焼香した。
 その後、会場をサロンに移し、杉本正顧問の発声により、乾杯が行われた。
 昼食後、小坂副会長の司会で式典が行われた。下本州議が「二世の立場として、一世の皆さまには本当に感謝している」と祝辞を述べた。引き続き、あいさつに立った五十嵐会長は、八月が老ク連の誕生月であることや地蔵盆祭は日本各地で開催されることを説明。開催理由を話し、今後各支部と交流し、さらに活動を充実していく考えを示した。
 三十五周年を記念して、石川導師が「キリスト教と仏教~神の超越と内在について~」をテーマに講演。イギリスの歴史学者が、二十世紀を代表する最大の出来事は、キリスト教と仏教が出会ったことであると話し、宗教として名前は違っても、大局的な所で実体は同じであると述べた。
 講演の後、コーラス教室のメンバーによる歌や舞踊教室の踊り、カラオケ教室による地蔵の歌などが披露された。
 また、老人クラブで長い間活躍し、今も現役で会のために尽くしている九十歳以上の会長など六名に五十嵐会長から表彰状が送られた。
 今回、表彰されたのはサント・アマーロあおぞら会の重道清富氏、オウリンニョス長寿会の中川由太郎氏、プラッサ・ダ・アルボレ老壮会の川合美代子氏、ナザレー老壮会の河中司氏、フェルナンド・ポリス千歳会の西山侃治氏、セントロ桜会の矢野恵美子氏。
 尚、今回初めて行われた地蔵祭りは、大変好評のため、今後、毎年続ける予定である。


与古田徳造氏をお迎えして

バウルー福寿会会長 酒井威夫
与古田先生.jpg
 八月二十二日の午前十一時にバウルーのロドビアリオ(長距離バス停留所)に先生を迎えに益山書記と二人で行った。予定の十一時三十分より少し早くマリリア行きのオニブスが着き、まだこれでは無いだろうと思っていたら、下車した人が「与古田です」と手を挙げて言われた。
 写真ではもっと年配の方と感じていたがまだ若い方だった。挨拶して車に乗ってから聞くと一九四四年生まれと言われ、自分から見れば二十歳近くも若い先生だった。
 とりあえず、先生と益山さんと三人でレストランに案内して、アルモッサ(昼食)をして貰う。「大きな町ですね。人口はどれ位ですか?」と聞かれた。「おおよそ四十万人位です」と返事をすると、「大きな市なのですねぇ」と感心された。
 今日の会場のバウル日伯文化協会会館に案内して、時間前なので事務所に案内してくつろいで戴く。同県人の津波古岩雄さんが来られたので紹介すると喜ばれて、お国言葉で話が弾んだ様だった。例会の時間に会場に来て戴き、会員に紹介。月例会なので何時もの行事に参加して貰い、八月誕生祝いの方にはプレゼント等を手渡して戴く。月例会の後は、フランゴ(鶏肉)のシュラスコで父の日の祝いで賑わった。
 先生が自己紹介して、JICAのシニア・ボランティアとして来伯された過程や高齢者の健康維持等、百歳を越えて生きる方法についてお話をされた。次いで会場から二人の女性を選んで三線の伴奏に使うサンバという楽器を練習してもらい、沖縄民謡などを即席で共演した。津波古さんも誘い、舞台に上がって三線にあわせて沖縄踊りで会場を沸かした。
 月例会に合わせて来て戴いたので時間も短くなり、年配の方は余り長い時間は疲れて、帰られてしまう。与古田先生には物足りない会合であったかも知れないが勘弁して頂く。
 例会後は残った人達で歓迎会の夜食。先生は自分の生い立ち等語られた。南洋群島のサイパン島で生まれ育ち、日米戦争の最中に父上は爆死されたそうだ。母上と生き残り沖縄に帰られ、成人された事等、涙なくしては聞かれないお話であった。自分も戦前にブラジルから日本へ帰国した従兄弟が、沖縄の激戦で戦死されて居たことも戦後暫くしてから聞いた事等思い出した。戦後もすでに六十五年。様々な人生を送られた方が多い事を知らされた。
 午後六時過ぎに名残惜しいお別れをして、益山さんにホテルへ送って戴く。まだ先生の任期も一年近く残っているとの事。機会があればまたぜひお目にかかりたいと思う。


芸能祭に出演して

ジュンジャイ睦会 長山豊恵
 月日の経つのは早いもので、今年も八月七日が早々と来ました。
 年に一度の老人クラブ大会&芸能祭のある月です。
 睦会一同は、八月の寒さも何のその。張り切って、朝早く六時から四十名が大型バスでサンパウロへ向けて出発しました。
 行ってみると、毎年顔を合わせる踊り仲間もだんだんと少なくなっていて、代わりに知らないお方がたくさん居りました。
 バザーもサロンいっぱいに並んでいて、踊りの合間に覗くと終始バザー会場はお客さんで賑わっていました。
 今年も高齢のお方が元気よく踊っていらっしゃるのが目に付きました。私たちの仲間にも九十一歳の方がおり、団舞ではその方が最高齢ですが、やはり元気よく一緒に踊りました。この度の踊りも皆で知恵を出し合って頑張ってみました。思いがけなく一位、二位、三位と続けて入賞したのは初めてのことでしたので、嬉しさを通り越して、呆然としてしまいました。
 みんな大喜びで、帰りのバスの中は賑やかなものでした。
 種目も多い中で選ぶのも大変な事と思います。審査の方々も朝早くからさぞ大変な事だったでしょう。本当に色々とありがとうございました。


芸能祭アラカルト「一、二、三 位の快挙、ジュンジャイ睦会」

 団舞Aで一、二、三位と全部制覇したジュンジャイ睦会。老ク芸能祭始まって以来の快挙です。
 毎年何か新しい試みを取り入れて上位に入賞している睦会。よほど、蔭に素晴らしい軍師がいるのでは…と、思われているようですが、そうではありません。皆が色々智恵を出し合って、あぁでもない、こうでもないと試行錯誤した結果なのだそうです。
 衣装も一度使ったものを手直ししたり、身の回りのパンの空き袋やバンデージャ(使い捨て容器)を使い、最後の最後まで直しているとか。もう頭の中は来年に向かっているそうです。


「お帰りなさい。サンベルナルド松寿会」

 老ク連をしばらく退会していたサンベルナルド松寿会が今年再び復帰しました。
 今回の芸能祭は、復帰後、初めての老ク連参加行事でした。団舞Bでは見事、二位に入賞。餅川寿美子会長は「私たちは老ク連の創立会員。また芸能祭に参加できて、その上入賞もできてとても嬉しかったです。皆さん、またよろしくお願いします」と語っておられました。


「遠方よりご苦労様。リ・プレット壮寿会」

 今年初めて芸能祭に参加したリ・プレット壮寿会。四種目にエントリーしました。
 会館を早朝四時に出発し、帰着は九時だったそうです。
 遠方からはるばる参加されましたが、団舞Bでは三位、コーラスでは一位に入賞するなど好成績を残しました。「遠くからお疲れになったでしょう」と伺うと、「いえ、皆元気そのもの。大丈夫。楽しかったです。来年もぜひ参加したいです」と嬉しい返事でした。


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