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熟年クラブ連合会
     活動報告  (最終更新日 : 2019/02/15)
2014年5月号

2014年5月号 (2014/05/13) 健康講演&ビンゴ大会

 四月二十九日、今年最初のビンゴ大会が熟連サロンで午前十時から行なわれた。今回は健康講演(詳細は以下)も行われ、実り多い大会となった。 今年はこの時期に催しものが多く、三十日にはグランデABCの芸能祭も行われるため、ABC地区からの参加者が少なく、前売り券での購入者も前回より大分少なくて心配された。しかし遠くはカンピーナスやモジ・ダス・クルーゼス、ジュンジャイなどからマイクロバスをチャータして駆けつけてくれ、最終的には昨年同様、約百八十名が参加してくれた。
 今回も机を置かず、椅子だけの会場とし、通路も広くとって歩きやすくした。しかし、賞品の所に早くたどり着いても、いつものようにゆっくり、のんびり考えていると、後から来た人に高齢者とは思えない手早さで、サッと持って行かれたりする。それぞれの決断力が試されるところだ。
 ビンゴではいつものことだが、何回も当たる人もいれば、一回も当たらない人もいて、つい悔しくて愚痴をこぼす声やため息があちこちから聞こえてくる。これもビンゴならではの風景である。なお、熟連ビンゴ大会では当たらなかった人にも残念賞が用意されている。
 賞品は役職員から集めた寄付金で購入したり、有志から提供された数多くの品物で、一回につき約四十四人は当たるほど取り揃えられた。いつも皆に喜ばれる賞品を選ぶのが、事務局の悩みの種。多くの人から希望を聞く。今回の目玉賞品は、新品の寝具と鍋。これらはいつも人気の的で今回も争奪戦が繰り広げられた。
 賞品のみのビンゴが七回と赤券、青券の二回で、全部で九回あり、数字を全部埋める青券は、三人が当たり平等に三等分し、最高額の赤券は一人に当たり、皆に拍手で祝福された。
 なお、熟連の次回のビンゴは九月の予定である。
◎賞品寄贈者(順不同)
纐纈蹟二、中川浩巳、高山友巳、上野美佐男、 松平和也、戸田房子、滝ヶ平功、赤木竜巳、玉田伯夫、森博、香山和栄、鈴木文子、相沢絹代、池淵信子、長山豊恵、西丸俊子、岡たつみ、川添敏恵、松田マウロ


高橋理学博士の講演「抗酸化栄養で老化と病気の予防」

 今回、昼食休憩の間にたまたま当会に旅装を解かれ宿泊されている高橋真介(まさよし)理学博士のミニ講演会を持つ事となった。
 氏は日本の農水省の食品総合研究所においてDNAの保護作用で抗酸化物の測定方法を開発し、個々の抗酸化栄養素の特長を世界で始めて明らかにされた方で、演題は「抗酸化栄養で老化と病気の予防」。
 はじめに「昼食を摂りながら、聞いて下さい。あまり時間もありませんので、簡単に結論だけ言います」ということで、まず、健康を維持する食事の選び方は、
①自分に合っているか、常に確認する(人それぞ れ体質が違うので自分の経験で判断する)。
②抗酸化四種類を意識して、食材を選ぶ。
③カロリーと塩分を減らし、一日一五〇〇キロカ ロリー以下にする。
 ①は皆さんは十分にご存じのはずで実践されている事と思う。
 ②については、まず食べ物の栄養素が、なぜ病気の予防(健康維持)になるのかと言うと、私たちが生きていける理由は、食べ物の成分が呼吸することで、体内に入った酸素と結び付き、エネルギーに変っているからだ。
 しかし、そのエネルギーに変わる過程で、好ましくない酸化物毒素四種類(窒素系、過酸化水素系、塩素系、OH系毒素)が出来てしまう。その毒素は体内でたんぱく質やDNAを破壊し、血管の硬化や癌の発生の元となる。毒素は四種類に分けられるが、個々の毒素の説明は、またの機会に持つとして、生きていくためにはその四種類の毒素に対応する食事を摂らなければならない。
 老化には、IDPイミダゾールジペプチドという物質が大きな役割を果たしており、四十歳ぐらいまでは自身の筋肉内で生産されるのだが、四十歳を過ぎると生成量は減少し、老化が始まる。その減った分の栄養を補うのに一番良い食べ物が鶏の胸肉のカウド(汁)だ。
 鶏の胸肉自体はパサパサしてあまり美味しくないが、その煮汁は人間の体内の筋肉で良い成分となる最高のもの。
 抗酸化食物の主なものとしては、鶏の胸肉(一日三〇~五〇g)の汁、玄米茶、糠(ぬか)、コーヒー(アルツハイマー予防など脳に作用する)、ビタミンC錠剤、アゼイテ(=オリーブ)、赤ワイン、薄皮付ピーナツ、玉ねぎ、ニンニク、リンゴなどがある。
 ③については、カロリーを摂り過ぎると老化のスイッチが入るので、高齢者は一日一五〇〇キロカロリー以下で抑えよう、と話した。
 続く質疑応答では、「鶏の胸肉を焼いたり、揚げたりしても同様の効果があるのか?|という質問に対し「できるだけ短時間で調理して、煮汁が外に出ないようにするのがいい」と返答。
 また「ビタミンCは、ほんの少しでいいから、毎日必ず摂るように」などの注意を促した。
 最後に「以上で私の話は終わりますが、今日、ここに来ている皆様はすでに十分ご自身の健康を管理されて、元気に長生きされておられるように見受けられるので、どうか現状を維持して、ますますご活躍下さい」と話を結んだ。


訃報、内海博相談役

 当会相談役の内海博さんが四月六日、入院先のインコール病院にて逝去されました。
 葬儀は八日、アルピーナ火葬所にて執り行われ、荼毘に付されました。享年九十一歳。
 内海さんは一九二三年、東京都浅草の出身。一九三三年、十歳の時に「もんてびでお丸」で父母と共に渡伯。聖州アンドラジーナに入植。綿作に従事しました。
 一九五三年からは日系ラジオのアナウンサーとして各地で活躍。その後、希望の家事務局、デンパブラス社などに勤務。
 当会とは希望の家の旧事務所が近所であった事から何かとお付き合いがあり、また、元ラジオアナウンサーとしての弁舌の巧さで会行事の司会なども度々務めて下さいました。
 二〇〇三年からは中央老壮会会長として、二〇〇四年には老ク連副会長、二〇一二年には相談役を歴任。その間、日本の全老連より育成功労者賞を受賞しております。
 また、内海さんは将棋、囲碁、花札、百人一首などにも造詣が深く、将棋連盟では会長を、当会では「百人一首の会」を創始するなど日本の伝統的な遊びの伝承にも尽くされました。
 江戸っ子らしい気風の良さで皆から頼りにされ、愛された内海さん。ここに生前の功に感謝し、会一同、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。


実り多い北伯訪問を終えて

JICAシニア・ボランティア 宇野博
 四月十日から十四日までの五日間、ブラジル北部のジョアン・ペッソーアからベレンを訪問致しました。
 ベレンでは僚友、本多孝治シニアボランティアを通じ、パラー老人クラブの諸石会長との対談を依頼していました。この旨は、事務局へも話し「老壮の友」数部と「百歳万歳十二月号」「ギャバン一月号」を持参しての訪問でした。
 この雑誌「ギャバン」は、「月刊 百歳万歳」の創刊三十六年目を期し、読者層を広めるため、大リニューアルを図り、カラーページを大幅に増やし、「見て楽しく、読んで面白い」雑誌づくりを目指しながら、旧来の愛読者にも親しんでいただけるよう「Good Aging Magazine 百歳万歳」と表記し、新雑誌名は「ギャバンGabin」としたようです。
 この百歳万歳社の試みは、昨年来、会員増を目指す一環として、現在鋭意取り組んでいる「老壮の友」愛読者増加を図り、より読みやすく・親しみやすい機関紙とするため、我が「熟年クラブ連合会」が取り組んでいる刷新策に大いに役立つものと考えられます。
 最初に訪問したジョアン・ペッソーアの若い仲間とは、ベレンから駆けつけた同僚の本多孝治氏と共に、爽やかな風の吹きつける浜辺で、ビールを酌み交わし親睦を深めました。似顔絵師に全く似ていない「顔絵」を描いてもらったりと時間を忘れ、喧騒のサンパウロとは別世界の、ハワイとも思えるようなジョアン・ペッソーアの夜を過ごしました。 しかし、此方には日系人がほとんどいないとのことで、日系社会に触れることが出来なかったのが少し残念でした。
 翌日はベレンの三人のボランティア仲間に迎えられ、本多氏と五人で、アマゾン河沿岸のベロ・ペーゾ市場を訪れました。
 さらには、カステロ要塞やナザレ大聖堂、セー教会の訪問、夜はアマゾン沿岸のレストランで、冷たいショッピ(生ビール)を楽しみながら、ブラジルでの活動を通じての体験を語り合い、さらには帰国してからの身の処し方等について意見交換をすることが出来ました。
 いよいよ最終日となった月曜日は、諸石会長との会談場所となる本多シニアの任地、アマゾニア日伯援護協会の厚生ホームへ同行し、十一人の入所者への支援活動にご一緒させていただきました。
 一時間程度のレクリェーション支援終了後、しばらくして諸石会長が来所され、今回の北伯訪問で最も大事な対談を迎えることとなりました。
 まず、私の自己紹介から始まり、持参した「老壮の友」や「ギャバン」をお渡しし、我・熟年クラブ連合会の活動状況や会員数についてお話しをさせていただきました。諸石会長は、想像していたよりも随分お若く、トメアスに入植し、その後ベレンへ移り、パラー州やベレン市の日系社会の要職を歴任され、パラ―老人クラブへは最近入会されたものの、豊富な経験や人格を認められ、同クラブの会長に就任されたようです。
 諸石会長からは、パラー老人クラブ機関紙「パラー老壮の友」第一一三号をいただき、クラブの活動状況等について伺うことが出来ました。
 諸石さんは、会長就任とともに様々な改善策を打ち出し、機関紙「パラー老壮の友」の充実を図るため、従来は原稿をコピーして綴っていたものを、表紙を厚紙とするなど、装丁を一新するとともに、誌面内容の充実に努められたようです。しかし、良いものを作ると当然経費負担も多くなり、他の役員や会員からは、反対意見もあったようですが、必要経費は自分が捻出すると反対意見を押し切り、製作費に係る経費増額分は、会長自らが有力者の許へ足を運んで協力を得たようであり、会長職に相応しい有言実行型の会長と見受けました。
 二千人近くの会員を有する熟年クラブ連合会に比べ、パラー老人クラブは会員数三百五十名と小さな組織ですが、アマゾニア日伯援護協会との協力の基に、パラー州在住の日系高齢者向けの様々な教養講座を開催し、日系高齢者に生きがいのある毎日を過ごしていただくための一助になるよう日々活動されています。
 厚生ホームでは所属する本多氏を始めとして、ベレン箏の会に籍を置く山田裕子シニアボランティアも講師として協力しており、改めて日系社会におけるJICAボランティアの幅広い支援活動の実態を知ることが出来ました。
 最後に、諸石会長からは、サンパウロを訪問する機会は少ないのですが、必ず連合会本部を訪問させていただきます、との嬉しいお言葉をいただくことが出来ました。今後、熟年クラブがパラー老人クラブの表敬訪問をしていただければ、今回の私の北伯訪問旅行は、両組織間の大きな橋渡しが出来たことになるのではとの思いを抱き、実り多い五日間の北伯訪問旅行を終えました。


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