移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
熟年クラブ連合会
     俳句・短歌・川柳・詩  (最終更新日 : 2019/02/15)
2016年10月号

2016年10月号 (2016/10/14) 俳句 (選者=樋口玄海児)


日傘組帽子組あり山笑ふ
口ずさむ山小屋の歌山笑ふ
プリマベイラ門に仕立てて古館
都市はなれ着く遊園地春の蝉
【畠山てるえ】
(評:「日傘組帽子組あり山笑ふ」。ブラジルらしい句。家を出る時は涼しかった日和も昼頃は暑くなり、日傘組または帽子組と色々と楽しいピクニック風景となったと言っている。日傘組また帽子組と言葉を重ねたところも俳句らしい俳句になった。五七五がピッタリ。これを口ずさむ人も楽しんでいるようだ。俳句はリズムも大事。)

ピンガ臭に馴れて五十年山笑ふ
庭四温今日こそはと鍬を持ち
明日から赤を着ようか日脚伸ぶ
刺青の似合ふ選手やリオ五輪
【田中保子】
(評:「刺青の似合ふ選手やリオ五輪」。時代は変わっていく。驚きである。オリンピックの選手に刺青を入れた選手が何人も出てきた。一国の選手である。選者の目にも余るものである。また、今年は特にリオでのオリンピックで多くの句が出来、この句もそうだ。特別な時は季として良いように思う。)

パラオリンピックの聖像照らす春の月
日脚伸ぶこまねずみのごと双子孫
ラジオ体操初まる時間燕来る
国境守る兵の行進独立祭
【香山和栄】

ヨットレース背にポンデアスカール美しく
御こし待つ山頂カペーラ春の風
山登る守護神御こし木の芽坂
地境の一樹華やぐ紅若葉
【清水もと子】

終戦日強制立退きある昔
夜桜や思い出の尚美しく
国の春ファベーラ育ちの金メダル
八月や重き歴史の我が祖国
【鈴木文子】

少し伸び茗荷に雨二日ほど
白砂糖ふりかけたように牛てい花
店先に青き梅買う東洋街
木の芽吹く森の小リスは恋に走り
【寺田雪恵】

町挙げて緑地運動樹木の日
峡谷の瀬音まじりて河鹿鳴く
かたまりて枝に移りて囀りぬ
【青木駿浪】

インジオの踊りははだか山笑ふ
山笑う隣り同志で子だくさん
イッペー黄桃も咲いて春つげる
【原口貴美子】

野ねずみの逃げ遅れたる焼野かな
貯水池の堰の花芽伸び早し
屋上より遊歩道あり春日差す
【森川玲子】

祝い事つづく九月や春を待つ
夫逝きて何かと迷う事多し
小春日や家族そろうて墓参せる
父偲び墓去りかたし冬日中
【矢島みどり】

職退いて専業主婦に日脚のぶ
失業の孫に詮なく日脚のぶ
寒鯉の沈みて銀行まだ開かず
【猪野ミツエ】

アマゾンのポロロカが起す風白し
蛇喰って耕す畑一番雨
パラガイに近い地平や喜雨来る
【樋口玄海児】


短歌 (選者=新井知里)


春一と日孫等と山にのぼり来て四方(よも)の山脈絶景なりや
砂利道を曲がりまがりて高原の合掌屋根のかわいい別荘
高原の宿はさわやか明け早く窓を開ければ見下ろす雲海
【サウーデ文化協会老壮部 山田かおる】
(評:米寿を過ぎてお孫さんたちと山に登って雲海をみたこと、いい想い出になります。)

雨あがりハワイの空にあざやかに二重の虹はくっきり消えず
月明りイグアスの滝にうっすらと虹うき上がりひそかに消えし
【サンパウロ中央老壮会 西原訓子】
(評:なかなか町住まいには虹を見る機会がないのに、良い場所で見えたのですね。二重の虹を見たいものです。)

父の日や亡父を偲び朝食後みな連れ立ちて墓参りせし
子等それぞれ美しき供花持ちよりて亡き父偲びしばし去りがたし
吾が文机の前に亡夫の写真あり去り日偲ばすやさし目差し
【プラッサ・ダ・アルボレ老壮会 矢島みどり】
(評:優しい目をされた御主人の様子、そして子供さん方の様子がよくわかり、やさしい歌はいいですね。)

リオ五輪テレビの前に長く座ると良くないと言うけれど吾れは
オリンピック日の丸の旗出てくればいつの間にやら釘づけとなる
国際で必死に競う選手たち二つの国へ声援送る
【バレットス寿楽会 池田正勝】
(評:リオ五輪は本当にテレビの前に釘づけになりました。これを機に立派な国になることを祈りましょう。)

ブラジル丸でリオ観光しサントスへ万感のリオでオリンピック開催
念願のリオオリンピック無事閉幕祝え諸共ビーバブラジル
閉会式に小池都知事に安倍総理君が代斉唱移民の涙
【インダイアツーバ親和会 野村文恵】
(評:リオ五輪は移民の祈りが叶ったビバブラジルでした。閉幕式の各国の方々の笑顔が嬉しかったですね。)

ペットユキ十三才の誕生日ケーキカットにハッピーバースデー合唱
矍鑠と百才媼ものど競うカラオケ大会健康のもと
見合歴十指にあまると自慢する友はロテリアに当りと笑む
【サンパウロ中央老壮会 三宅珠美】
(評:みんな楽しい歌ですね。歌は優しさと少しのユーモアも大切ですね。)

重ね着し出かけた町の軒下に毛布の下で寝る人が居て
霧の後雲一つなき青い空冬の寒さを忘れさすかに
夜明け前サビアの声で起こされて春の近づき季節の変化
【サンパウロ中央老壮 尾身千枝子】
(評:冬から春への季節感が出ています。春が早く訪れるといいですね。)

早朝に体操に行く道すがら何やら虫の音初秋を感ず
ブラジルは四季がはっきりなきにしてされど秋冬百花満開
冬とてもサンパウロの空高く澄み残月十三夜とくに美はし
【セントロ桜会 大志田良子】
(評:サンパウロの季節もぼつぼつ暖かくなり春ですね。冬でも美しい花が咲き、特にイペーの花は美しいと思います。)

カーテンを開ければ一斉に咲く花がみんなお早うと言うがに見える
短歌を詠みうたを歌っていつまでも元気でいたいと私の願い
【スザノ福栄会 青柳ます】
(評:願いどおり、いつまでもお元気でいて下さい。)

アパートの庭は賑やか冬休み二人で玉蹴る子等と一緒に
寒さつづき外に出るのもためらわれ家にこもれり老いたる吾は
母親に抱かれし赤子もいつ知らず大きくなりて戸惑う吾ら
【スザノ福栄会 杉本鶴代】
(評:抱かれていた赤子がいつしか大きくなっている賑やかな様子が楽しいですね。)

咲ききわまり匂いただよう月下美人沙の天井より月光がさす
四国高野と呼ばるる高処の雲辺寺雲(くも)の世の札所に参る
うっすらと雪の積れる赤鉄橋おもむき変わる冬の古里
【スザノ福栄会 寺尾芳子】
(評:故里はいつも心の奥にある場所ですね。月下美人の天井より月光がさすは、お上手です。)

電球の取り替えとなればつくづくと男手ほしき梯子に上がる
いつの日か癒えて出席さるる日を待つ身につれなし君逝き給う
【サンパウロ 野村康】
(評:電球の取り替えの歌はいいですね。梯子に上がるもいいです。)

一歳の曾孫も抱けぬ身となれどあどけなき笑顔わが分身よ
締切りの迫りし短歌まとめんとペンは持てども腕くむばかり
ガラクタも使い上手に用うれば又あたらしく一役果たす
【スザノ福栄会 原君子】
(評:あどけない曾孫さんを抱けないけど笑顔があればいいですね。短歌もまとまらない時は少し置いてみましょう。)

丘に並ぶ小さき家の白壁を染めて夕映えが描く平安
【スザノ福栄会 青柳房治】
(評:夕ぐれ時の静かな情景が目に浮かびます。)

日本の見学終えて帰り来しふたりの孫娘の少なき話題
遠つみ祖(おや)に焼香して来し孫らと思えばうれしブラジルに住み
日本のすぐれた文化を見てかえりまた行きたいと孫娘いう
【スザノ福栄会 藤田朝壽】
(評:お孫さんお二人が日本見学に行かれたこと、おめでとうございます。遠い地から行きみ祖に焼香され、藤田さんもさぞ嬉しいことでしょうね。一連の物語のようです。)

早速に短歌大会で会いし人健康ニンジンの使い方送りくれ
ピタンガの花散る雪の降るごとくもうすぐ小鳥と私のおやつ
【新井知里】


川柳 (選者=柿嶋さだ子)


甲斐性者清貧鼻で嗤(わら)ってる
選手らに圧倒されるパラリンピック
障害の選手の体に神を見る
【サンパウロ中央老壮会 中西笑】
(評:正に神技としか思えない障害者のスポーツ妙技には感動させられるばかりです。)

イッペーのじゅうたん踏んで園散歩
風に舞うイッペーに犬も目を細め
武力よりスポーツ競って世の平和
【なつメロ倶楽部 坂口清子】
(評:武力は人を困難におとし入れ、スポーツは心身共に健やかに人を生かしてくれます。)

リオ五輪開会式でも点稼ぎ
リオ五輪終りよければすべて良し
ネイマール千両役者金メダル
【サンパウロ中央老壮会 鈴木ふみ】
(評:ブラジルサッカーの金メダル。ネイマールの活躍は流石でした。)

天晴れだ努力の跡の金メダル
年ふれど目はいつまでも美人追う
古稀すぎてなほ働けど貯金なし
【サンパウロ中央老壮会 角谷博】
(評:美人を追う目に原因がありそうですね。)

棒高でブラジル男子世界一
レスリング大和撫子金メダル
柔道でブラジル女子が金メダル
【セントロ桜会 中山実】
(評:リオ五輪でも女子選手の活躍が目立ちましたが、ファベーラ育ちのラファエラの金メダルは特に印象的でした。)

トンネルを抜けて己の道を行く
識見の広さもの言う長の椅子
当然の事が言えない浮世風
【カンピーナス明治会 塩飽博柳】
(評:素顔では通れない人の道。世渡りは本当に難しいものですね。)

目に見えぬ微細菌が風に舞い
手から手に消毒なしで回る金
少しずつ身軽になって登る坂
【サントス伯寿会 三上治子】
(評:心身共に軽やかにゆっくりゆっくり登りましょう。)

老いてなお捨てるに惜しい物が増え
錆声が歌う演歌に味があり
先ず下書き何枚もして書く手紙
【サントス厚生ホーム 大矢のぶ子】
(評:手紙を書くのは難しいもの。見上げたお心がけです。)

オイと呼ぶ無口な愛を信じ切る
骨肉の介護に揺れてみな無口
高齢化少子化次の化が恐い
【サンパウロ中央老壮会 藤倉澄湖】
(評:次には何化が起このか。さらに厳しい変化が来そうですね。)

厚い壁何度砕いた移民魂
好奇心旺盛にして脳みがき
逃げるより背負えば気持晴れてくる
【サンパウロ市 大塚弥生】
(評:プラス思考に変えてしまえば新たな道が開けるものです。)

大海を越えてつかんだ今の幸
上下なく気分さわやか良い仲間
身に合った重さ以上は担がない
【サンパウロ市 渡辺文子】
(評:何事も身に合った行動が無難です。)

中々に出来ぬ人生当たり前
信頼の人は言葉をはずさない
年のせい言われて返す言葉なし
【オザスコ市 林久美】
(評:いつか我が身と思えば強い事は言えませんね。)

乗り換えは牛車でよしあの世行き
やがて着く終点その先分からない
向かい風振り向き出来ぬ風車
【オザスコ市 井上風車】
(評:振り向けば吹き飛ばされるだけ。後戻り出来ぬ人生に似ていますね。)

はっとする居眠り運転事故のもと
そっと押す親の気づかい子ら育ち
まだやる気前向き姿勢孫に見せ
【ソロカバ市 早川量通】
(評:「爺ちゃんヤルねえ」目を見張る孫さんが見えるようです。)

知恵袋その時その場で使い分け
物価高お偉方には縁がない
響き合う語感話題に花が咲き
【スザノ市 飛松信雄】
(評:意気投合。話題はそれからそれへと尽きない。)

怒りなき平和な日々を望む民
若人が挑む五輪の世界一
民族が五輪で見せた底力
【オザスコ市 斉藤晃伯】
(評:民族の底力が光ったリオ五輪でした。)

◎席題「一生」(笑出題)
一生をこの人に賭け託す夢【ふみ】
移民等の一生農に命賭け【ふみ】
懸命に生きた一生悔はなし【清子】
一生に一度のチャンス夢掴もう【清子】
一生の想い出もって冥土ゆく【博】
我が道を一生懸命悔いはなし【博】
ポルトガル語一生かけてチャレンジ【京子】
一生の思い出としたいブラジルよ【京子】
一生を砂漠の水でありたいと【留美】
一生の思い出抱いて卒寿過ぎ【実】
一生の貯金はたいて援協に【笑】
友達の一生聞いて泣き笑い【笑】
毎日が一生今日という重み【選者吟】


前のページへ / 上へ / 次のページへ

熟年クラブ連合会 :  
Rua. Dr.Siqueira Campos, 134, Liberdade, S?o Paulo, Cep:01509-020, São Paulo, Brasil
Tel: 11-3209-5935, Fax: 11-3208-0981, E-mail: Click here
© Copyright 2019 熟年クラブ連合会. All rights reserved.