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熟年クラブ連合会
     生活・健康  (最終更新日 : 2018/12/14)
2011年11月号

2011年11月号 (2011/11/11) 心豊かな老年期を生きる(1) 「終活」のための三つのステップ

 三月十一日の東日本大震災以来、私たちは思ってもみない事態が人生にはあるものだと身をもって知りました。これからの人生に思いを馳せる時、あと十年、あるいは二十年の人生をどう生きるのが幸せなのかということを考えます。
 「終活」は高齢者だけの問題ではなく、私たちが終わりの時に向かってよりよく生きるため元気なときに始めなければならない活動なのです。心豊かな人生のための「終活」をはじめてみましょう。
「終活」はこれからの人生設計を作りなおすきっかけに
 人生には「余生」はないと思います。全ての人が人生において「現役」なのです。私たちは「終活」を余生の仕事と捉えていません。今回の大震災のような事が時として人生には起こりうるからです。そんなときに後悔しないために、またもし、あなたが亡くなった時に家族が悩んだり苦しんだりしないためにもう一度人生設計を作りなおすということから考えたいと思います。
 今「生きている私の人生」はもちろん、家族や周りの人々の人生も楽しく幸せになるように次の三つのステップを踏んでいただきたいと思います。きっと気持ちが豊かになることでしょう。
 ①ステップでは「人生のたなおろし」で自身を知り、自分の考え方を次の世代に継承してゆこうと提案します。
 ②ステップは物に囲まれた生活より、もっとシンプルな暮らしを。たくさんより、少なくても物の一つ一つを大切にしたい。物の整理は元気なうちにしたいと思います。「もったいない」というので使わないでとっておけばそれこそ「もったいない」ですね。
 ③ステップは「エンディング・ノート」を作ることを提案します。自分の考え方はもちろん、親戚や友人のこと、財産のこと、保険のこと等など自分にまつわるすべてのことを自分で整理整頓していただきたいのです。

ステップ①「人生のたなおろし」心を伝えよう

 シニア世代に入った時、これから先の不安を解消するというのが「終活」です。終活カウンセラー協会の武藤頼胡(よりこ)理事によりますと「シニア世代というとだいたい五十歳ぐらいからですが、もっと早くからでもいいのではないかと思います」。「終活」の最初は「自分の人生のたなおろし」です。自分がどういう人生を送って来たかをしるします。
 その手順はノートに五年から十年単位に区切りをつけます。または、小学校入学前、小学生時代、中学校・高校時代、大学時代、社会人になった時代、結婚した頃という区切り方でも書きやすければどちらでも結構です。各々一ページずつと、広くスペースをとります。
 例えば生まれてから小学校入学前のページにはどこで生まれ、その時の家族構成、友だちの名前、今でも覚えている出来事などを書きます。毎日少しずつ他のページも書いていき、また繰り返し読み、それによって思い出したことを箇条書きに書いていきます。様々なことが思い出され、親が一生懸命働いていた姿も思い出し、感謝出来ます。
 そしてその時代に自分がどんなことを考えていたか分かります。
 これは認知症予防に各地で行われている「回想療法」に近いものがあるようで楽しみながら書くことができます。
 この「人生のたなおろし」をすることによって自分史を書くヒントになる人や「エンディング・ノート」への記入がしやすくなります。
 「書いているうちに自分の今の『あり方』『考え方』はどんなきっかけや出会いで形成されたのかなどが少しずつ見えてきます。全部書くことが目的ではなく、じっくりしみじみと自分の人生で何があり、どんな人と出会い、どんな影響を受け、今、ここにいるのかを感じることが『わたしらしさ』につながってきます。その『自分らしさ』を十分に発揮し、これからの入生を楽しんでいってくださればと思います。ときどき、人生のたなおろしをして、いつまでも『自分らしく』輝いた人生を送っていただきたいのです。
家訓や心の継承をしたい
感謝とゆるすことをしてゆこう
 私たちは相続というと財産の相続を考えますが、じつは考え方とか想いの相続の方が大事で、この相続を「想続」と表現しています。親から子への「想続」は「家訓のようなものとか心の継承がとても大事」だと思います。親から言われた一言が今も自分が物事を決める判断基準になっている、とか先生がほめてくれた一言があるから自分の人生の進路が決まったなどということがあると思います。そんな言葉を思い出して書き留めてみると自分は幸せであったとか、感謝の念が湧いてきます。
 「これからの人生は『感謝』と共に『ゆるす』という作業もしていってほしいものです。一日一つゆるす。世の中ゆるせないことが多いですから、『ゆるす』という行為はとても大事だと思います。(続く)【「百歳万歳」より要約】


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