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熟年クラブ連合会
     生活・健康  (最終更新日 : 2018/12/14)
2013年12月号

2013年12月号 (2013/12/13) 「ブラックフライデー」って何?

沖縄ヒヤミカチ老壮会 紀葉子
 ショッピングセンターでサンタクロースが微笑むポスターに「ブラックフライデー」の文字が並んでいるのに驚いた。世界恐慌の引き金となったブラックマンデーを彷彿させる言葉にクリスマスの幸せの象徴が添えられていることに強い違和感を覚えた。人文研に戻って職員の星さんに訊いてみると「ブラックフライデー」は先頃、アメリカ合衆国の真似をして始まった歳末のプロモーションだと言う。アメリカ合衆国では感謝祭の翌日から始まるクリスマス商戦の初日を意味するということだが、何でもアメリカ合衆国の真似をしたがる日本でもこの感謝祭を取り入れるのは難しい。また、ブラックフライデーというのは語感があまり好ましくない。さらにこのブラックというのは店の売り上げが黒字になることを意味しているというのだからなおさら日本社会には受け入れられにくいだろう。閉店覚悟の赤字セールと謳う店に足を運びついついお金を使ってしまうことはあっても、店を黒字にしてやるためにわざわざ買い物をしようとは思わないのが日本人にありがちな思考様式ではなかろうか。
 とはいっても、この時期、ボーナス目当ての商戦が展開されることに違いは無く、日本でもお歳暮、クリスマスのプレゼント、お正月の準備と何かと出費の多い季節でもある。今年はアベノミクスのおかげでボーナスが増える企業と業績不振から抜け出せないままボーナスのない企業とに二極化しているようだ。ボーナスがもらえる人にとっては楽しいクリスマスかもしれないが、そうでない人にとっては春に消費税の値上げが控えていることもあり寂しい年の暮れとなるだろう。日本は生活水準に大差のない「平等」な社会と言われていたのが遠い昔のようだ。民間企業のこの冬のボーナス支給額は五年ぶりに増加に転じるといっても一部の大企業の正社員だけで、かつての出稼ぎ労働者たちと同様の派遣労働に従事している非正規雇用の社員にとっては全く縁のない話。非正規雇用の労働者は出稼ぎ労働者たちが帰国する間隙を埋めるかのように増加の一途をたどり、今や二百万人を突破し、日本の労働者の三人に一人は非正規雇用だ。これでは歳末商戦が盛り上がるのも厳しかろう。
 一方、ブラジルでは十一月二十九日の一日だけで昨年比九五%の売り上げ増で、実に四億二四〇〇万R$の取引があったとか。この旺盛な消費行動こそ、安倍内閣が期待しているデフレからの脱却を導くものだろう。明日の生活のために蓄えるアリのような日本人と違い、明日の生活に不安があろうとも買い物に走るブラジル人。日本の好景気への転換の鍵はこうしたキリギリス的な行動様式にあるのかもしれないけれど、そんな日本の未来は、それこそブラック?


脳梗塞の前兆

大山鍼灸整体治療院 大山牧彦
 今年も終わろうとしていますがいかがお過ごしでしょうか?皆様が健康で年を越せることをお祈り申し上げます。今回はある日突然発症する脳梗塞についてお話します。突然起こる症状ですが前触れ、前兆がある時もあります。
 例えば、『ある日突然片側の視界が悪くなる視野狭窄が起こるが、疲れのせいだと思って一晩休んだら、翌朝には視界が元に戻っていたので安心していたら、数日後には脳梗塞を発症した。』という例があります。
 こういう一時期的に症状があるものの、数分で症状が無くなってしまう前触れをTIA(一過性脳虚血発作)と言います。
 TIAの代表的な症状は以下の通りです。
・片目が見えなくなる
・ものが二重に見える
・転倒しやすくなる
・片側の麻痺やしびれ(顔、手足)
・ろれつが回らない
・言葉が出ない
・言う事が理解できない
 TIAは、四十八時間以内に五%の確率で脳梗塞へ移行し、そこまでいかなくても、いずれは脳梗塞を発症する可能性があります。一過性の症状なので見過ごしやすいのですが、逆に言うとTIA症状に気付くことが出来さえすれば大事に至らずに済むのです。TIAは脳梗塞を見つける最後のチャンスなのです。
*梗塞の前兆をチェックする方法
TIAか脳梗塞かどうかを判断する方法があります。
【FASTテスト方法】
Face:顔の麻痺
 口を広げてイーと言い、口角の片側が上がらなければ要注意!
Arm:腕の麻痺
 手のひらを上にして両腕を肩の高さまであげて目をつぶってキープ。片腕が下がってきたら要注意!
Speech:言葉の障害
 「太郎が花子にリンゴをあげた」などの短い文章を言えるかどうかをチェック。
Time:すぐ受診
 FASTテストのどれか一つでもできなければ、即座に救急車を呼ぶ。
 「このぐらいの症状で救急車を呼んでもいいの?」と、特に一過性の症状であったり、まだ軽度の症状の場合だと救急車を呼ぶのは躊躇しますよね。しかし、脳梗塞のFASTテストで一つでも該当する項目があれば例え数分の症状であっても、遠慮せずに救急隊員にFASTテストのこの症状があると伝えましょう。なぜなら、脳梗塞は発症からどれだけの時間が経過しているか、治療は時間との勝負なのです。発症からの時間経過で出来る治療が異なってくるのです。
* 時間との勝負!
 脳梗塞の画期的治療法(発症から四・五時間~八時間がポイント)
 脳梗塞は発症からの時間経過がカギです。脳梗塞発症後の経過時間により命の危険、後遺症の程度に差が出てきます。
TPA・・・発症から四・五時間以内がポイント
 血栓を溶かす薬剤で、四・五時間以内という時間内で使用できれば後遺症もなく、血栓を溶かすことが出来る点滴治療薬。
血管内治療・・・発症から八時間以内がポイント
 足の動脈から脳の閉塞部分までカテーテルを挿入し、血の塊を細かくしてカテーテルで吸引して取り除く治療法。切らずにできる手術なので患者への負担が少なくて済む。救急車を呼んだ時点で発症から四・五時間を超えている場合が多く、また、病院に搬送されてから検査に一時間程度要することから発症から三時間以内に救急車を呼べるかどうかがカギとなります。FASTテストで症状があれば、速やかに救急車を呼ぶようにしましょう。しかしブラジルでは救急車が中々来ないのが現状。どんな手段を使ってでも掛かりつけの病院やpronto  socorro(救急病院)に駆け込むしかない気がします。何かお気づきになりましたら熟年クラブ連合会にいますので相談してみて下さい。


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