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熟年クラブ連合会
     生活・健康  (最終更新日 : 2018/12/14)
2014年1月号

2014年1月号 (2014/01/11) 一年間を元気で生き生きと過ごす秘訣

大山鍼灸整体治療院 大山牧彦
 新年明けましておめでとうございます。昨年は皆々様に大変お世話になり、無事に年を越すことができました。本年も精一杯皆様の健康をサポートしていけるよう努力していきたいと思ってます。
 しかしこの「老荘の友」に記事を書き始め、問い合わせや実際に治療に来られる方が増えました。読まれていることを自覚した今、一つ一つの記事をしっかり書いていかなければとプレッシャーを感じつつも頑張って行きたいと思います。
 ここで高齢者が一年間を自分らしく元気にいきいきと過ごすためには何が大切か六つ書いていきます。
 まず元気でいるために、一つ目は、身体の健康が必要。そのためには有酸素運動が大事です。要介護や寝たきりになる原因の上位は脳血管性疾患、認知症、転倒骨折や膝や腰などの運動器障害。脳血管性疾患の原因は高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病です。だから、生活習慣病を予防するには体内の脂肪を燃やす有酸素運動が効果的。心拍数を一〇〇~一一〇くらいに保つ歩行運動がお薦めです。a
 二つ目は、筋肉トレーニング。年をとると、特に運動して鍛えていない限り、筋肉は衰えます。特に下半身の筋肉が衰えやすい。しかも男性よりも女性の方が衰えやすい。その結果、転倒・骨折しやすくなります。これを予防するには下半身の筋肉、特に腰の奥にある大腰筋を鍛える必要があります。この筋肉を鍛えると、歩くときにつま先が上がるようになり、転びにくくなる。歩行運動だけではこうした筋肉は鍛えられない。
 三つ目は、脳のトレーニング。人間が対話や思考など人間らしい行動をするのに重要な役割を担っているのは脳の前頭前野という部位です。ところが、認知症の人は原因疾患にかかわらず前頭前野が働かなくなっている。健康な人でも、高齢になると前頭前野の働きが鈍ってきます。絵手紙、カラオケ、書道など、コミュニケーションを取りながら行う学習療法は、前頭前野を含む脳の多くの部位を活性化します。認知症の改善に有効であり、健康な人の脳機能の維持向上にも効果があります。
 四つ目は他人の役に立つことです。前掲の学習療法を健康な人の認知症予防にも活用できる各教室は援護協会や熟年クラブ連合会で行われている。サポーターの多くは主婦。退職した男性もいます。お金の報酬はほぼないですが、年長の学習者から感謝され、学習者から多くの気づきを与えられます。こうした機会は大きな成長機会であり、心理的報酬となります。主婦は人から感謝される機会が少ないし、男性も退職すると、人から必要とされる機会が減ります。だからこうした活動がとても良い刺激になります。
 五つ目は、明確な目標を持つこと。最近の脳の研究により、年をとったとしても脳の働きは必ずしも落ちていくとは限らず、むしろ発達する可能性があることがわかってきました。米国の例ですが、九十五歳で大学を卒業し、九十八歳で修士号をとった女性がいます。一方、中度の認知症だった女性が学習療法により認知能力を回復した後、九十九歳で生涯初めて英語の勉強を始めました。多くの英単語を覚え、外国人に対して会話もできるようになりました。
 こうした例は特殊に聞こえるかもしれないが、実はそうではないんです。普通の人との違いは、「具体的な目標」を持って日々を過ごしているか否かです。「九十五歳で大学を卒業する」「百歳までに百個の英単語を覚える」といった具体的な目標設定をすることで、日々の生活に張りやリズムが出て、前向き思考になり、潜在能力が発揮されやすくなる。ポルトガル語の勉強も諦めてはダメです。
 最後に、自分らしく生きるために、六つ目は、好きなことに取り組むこと。運動音痴だった女性が、あるきっかけでマラソンを始め、七十二歳で完走したら賞状をもらえました。いくら家事をやってもほめられることはなかったが、これが嬉しくて走るのが大好きになり、死ぬまで走り続けたいと思うようになりました。
 自分らしさとは自分では気づきにくい性質のもののようです。ところが、好きなことにずっと打ち込んでいると周囲の人に「あなたらしい」と言われるようになります。だから、自分らしく生きたいと思うなら、好きなことに取り組む。好きなことが分からない人は、まず、それを探すことです。
 こうして一人ひとりが元気にいきいきと暮らし、要介護状態にならなければ、皆が幸せになる。筋トレ、脳トレを継続すれば寝たきり・要介護状態が予防できます。それだけでなく、気持ちが明るくなり、活動意欲が湧いて、旅行に行く、買い物をするといった需要を喚起します。これこそが人間本来の姿です。こうした姿を見れば、次の世代も見習おうとして社会に良い循環が生まれます。予防に重点を置き、人間の「生きる意欲」を促すことに注力すべきです。六つの秘訣の一つでも良いことだと思ったら、すぐに行動に移してましょう。


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