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     FOTO  (最終更新日 : 2015/01/16)
アクリマソン若葉会 岡田伊津子さん

アクリマソン若葉会 岡田伊津子さん (2007/09/12)
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「おばあちゃんの手作り人形」
 岡田さんは一九五八年、ご主人と娘さん(当時二歳)の三人で渡伯しました。
 ご主人は日本では大企業に勤務しており、将来を嘱望された化学者でしたが、周囲の反対を押し切って、あえてブラジルに夢を求めての移住でした。
 頼る人も職も決っていない学者の移住は苦労の連続で、日本から持参した物を売り、食い繋ぐ生活に伊津子さんは何度も日本への帰国を考えたそうです。
 それでもご主人の「あと一年だけ頼む」の言葉に帰国を思いとどまりがんばったお蔭で今があるそうです。
 まさに男のロマンは女のガマンです。
 現在は四人の子供たちはそれぞれに家庭を持ち、苦楽を共にしたご主人も四年前に亡くなりました。
 一人住まいの伊津子さんの楽しみは人形を作る事です。
 人形作りのきっかけは幼くして母を亡くした孫娘を慰めるつもりで見よう見真似でオランダ人形を作った事がきっかけでした。
 いつもママイ、ママイと母を探しては泣いていた子が、この伊津子お婆ちゃんが作った人形をしっかりと抱いて「一緒にネンネする」と、ニッコリ微笑んだのです。伊津子さんはあの時の笑顔が今でも忘れられないそうです。
 そして伊津子さんが次々と作り出す人形はご主人の少年時代の田舎での思い出の一コマ(トンボ取りや蝉取り)であったり、伊津子さんの幼い頃の遊び、ままごとやお手玉遊びであったり、旅行先で出会ったお爺さんであったりと多彩です。
 晩年、病弱で寝たり起きたりだったご主人はこれらの人形で故郷や友を偲び、ずいぶんと慰められているようだったと言います。
 この人形たちは顔も手足もすべて手作りです。以前、洋裁やデザインもしていた伊津子さんなので、来ている着物や小物も本物そっくり。見ているだけで心が和み、思わず笑みが浮かんでくるような優しさに溢れています。
 一体一体に心を込めて「可愛くなってね」と、話し掛けながら作るとかで、一つとして同じものはありません。まるで生きている人間のように個性一杯です。
 伊津子さんの子供たちや孫たちはフランス、アメリカ、タイ、日本と世界中に散らばって住んでいます。伊津子さんが訪問する時のお土産はみんな「おばあちゃんの人形がいい」というほど世代を超えた人気です。
 伊津子さんは今年七十九歳。可愛いお人形さんに囲まれているせいかとても若々しいおばあちゃんです。
 十一月二十五日の文協での老ク連カラオケ大会に展示しますので、会員の皆様も是非、ご覧下さい。
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