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熟年クラブ連合会
     FOTO  (最終更新日 : 2015/01/16)
スザノ福栄会 杉本正さん [全画像を表示]

スザノ福栄会 杉本正さん (2007/10/05)
杉本正さん01.jpg
汎スザノ陸上部員と(前列右から2人目が杉本さん)
 当会相談役の杉本正さんは一九一七年、北海道北見市に父・馬治、母・シナの長男として生まれました。
 一九三一年、十四歳で父母弟妹いとこと共にブラジルに移住し、ノロエステ線カフェランジャのシャンテプレード耕地に入植しました。しかしわずか八ヶ月でそこに見切りを付け、違約金を払いサンパウロの現在の地、福博に移転しました。そこではトマトを栽培し、好成績を上げ、新しく土地を買い増しましたが、その矢先に境界伐採作業をしていたお父さんが毒蛇にかまれて急死してしまいました。
 その頃の福博は一日に一回薪を焚いて走る運搬車が通るだけで病院へ運んだ時には、時既に遅く成す術もなかったそうです。お父さんの体には一面蛇のうろこの模様がくっきりと浮んでいたという程コブラウルツの毒は猛毒だったのです。
 渡伯後五年、十九歳にして杉本さんは一家の長となり弟、妹の面倒を見、生活を立ててゆく事となりました。
 その後、弟さん二人の家族と共に住み働くという共同生活の型を取り、大家族を妻の鶴代さんとまとめ、切り盛りしました。
 農業に関してはバタタ(じゃが芋)一筋で、研究熱心な杉本さんはそれまでは不可能とされていた連作に成功。山本喜誉司賞、INCRA農産物増産賞などに輝いております。「これらの賞は夢半ばで倒れた親父へのせめてもの親孝行と思っている」と語っております。
 杉本さんは老ク連をはじめ、これまでさまざまな団体の役職に付いており、それらを一心に勤めました。その功績により勲六等単光旭日章をはじめ先の老ク育成功労者賞等たくさんの賞を受賞していますが、これらもすべて弟や妻、周りの人達の和と協力のお陰と感謝しています。
 今年で着伯七十六年になりますが、その間毎日日記を書き綴っております。その量は膨大で、天気、温度、諸事、雑事に至るまで一大記録となっています。これだけをみても杉本さんの根気、勤勉さが伺えます。
 さて、杉本さんは今年九十歳になりますが、その健脚は「知る人ぞ知る」で、昨年、老ク連の旅行で行ったマリンガ大聖堂の塔百二十m(五二〇段)の頂上まで若い人に負けずに一気に登りつめました。 左の写真は一九三八年二十一歳の時のもの。汎スザノ陸上部のメンバーと写しました。この時の大会には走り高跳び、走り幅跳び、三段跳びの三種目で優勝しました。こうした競技に打ち込んでいる時は日々の労働のきつさを忘れる唯一の時でもありました。
 杉本さんは今もかくしゃくと毎月の老ク代表者会議に出席しております。
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奥さんの鶴代さんと


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