移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
水耕栽培プロジェクト
     プロジェクト紹介&言いたい放題  (最終更新日 : 2003/05/23)
03、1日の作業4時間で夫婦の生計が可能に

03、1日の作業4時間で夫婦の生計が可能に (2003/05/23) ~ 初期投資額300万円前後。1日の作業4時間で夫婦の生計が可能に ― 作業は苗の植付け、収穫、出荷だけ ~

― ところで、すでに日本で試験農場を開いて生産を始めているという話ですが?

僕らの試験場のある所は伊良湖。ここでやってるのはコマーシャルベースの生産ではなくて実験生産です。

― 伊良湖ってどこにあるんですか?

渥美半島の先。知多半島と向かい合ってて、その間が三河湾です。例の、ヤシの実が流れ着いた歌があるのが伊良湖岬。で、現場は田原町(たはらちょう)っていう所で、三河湾埋め立ててトヨタなんかが工場を持ってる場所です。
この実験栽培の主目的というのは、どういう問題が発生するかということ。それを洗い出すために1年以上試験をやってたわけです。作物を作る上において基本的なことには全然心配してなかったですね。作れることは私たち間違いなくできるという確信持ってやってますから。実際作れます、簡単に作れます、ブラジルでやってるように何の問題もなく。

― 気候的にはどうなんでしょう?

伊良湖の観測所の記録と、イビウナの気候とを照らし合わせるとほとんど変わりがないですね。我々、日本での気候なんかを見ても、ブラジルでやってるのとほとんど変わらない状況の土地、地域がいくらでもあるわけです。
ということは、よく見てみるとね、房総から太平洋側を西に向かって九州、沖縄に行ったっていい。雪の降らない所だったらどこでもできちゃうってことなんですよ。その範囲ではあれだけの簡易施設で十分生産できる。もう15年生産してきてるわけですから、これはもう自信持って言えることなんです。高い装置がなけりゃできないとか、そんなことは絶対ないんです。寒さも、ブラジルでも同じような寒さもあり。ただ、植物の成長が遅くなる時期はもちろん冬の寒い時期に2ヶ月ほどあるくらいで、それ以外はもうホント、見てもらって分かる通りスッポンポンの状態で、ろくな銭掛けなくても作物できちゃう。これを一発ね、皆さんに見てもらいたいわけですよ。

― モデル農場として見学もできるということですね。ほかに試験栽培で問題はありませんでしたか?

我々が一番懸念してたのは、日本の場合、一番のネックは風だと思ってたんです、特に台風。なぜそれがネックになるかっていうと、日本でやってるハウスのようながっちりした設備じゃございませんので、その風に耐え得るかということが一番の心配事だった。
そのほかに、どんな病虫害が出やすいか、品種が適当なのかと。この安い施設を提供して誰でもできるという農業を建前にしてるだけに、起き得る問題が把握できてなければ構えもできませんので、その意味でどんな問題が発生するかの洗い出しに1年費やしました。

― では実験農場で、日本で起きる可能性のある問題はすべてクリアできた、生産OKだ、という結論が出たわけですね?

そうですね。

― 風は防風柵ですか?

防風ネットですね。

― それだけでOK?

まあ基本的な施設がぶっ飛ばなければいいと思ってるわけで。ダメでもね、植物も傷ついたってまた植えなおせばいいだけのことで。全滅するような、今回私がやられた台風では、3回4回直撃っぽいやつが来ましたけど、目にあたった被害はなかったですね。

― 簡単に言ってますけど、もし植物を植えなおすとなった場合、その間は収穫がなくなりますよね?

例えばレタスの場合、早くて3~40日、寒冷期で60日あれば収穫できるわけです。
先ほども言ったように、水耕栽培は土地利用の回転率が非常に高いですから、年間5回の収穫で採算ベースに乗せられるよう計算すればいい話なわけ。

― あっ、そうなんですか。じゃあ単純計算でも、1年で6回以上の収穫が可能になるんですね。
ところで施設設置にかかる初期投資額はいくらぐらいですか?それと農地面積は?


私たちが日本で提供したいシステムは、ひっくるめて300万円前後ですね。一つの単位が一反分ということで、1000平米の敷地。実際の栽培面積は(通路に場所を取るため)その半分になってしまいますけど、一反分にかける施設の投資額がだいたい300万。

― それと、実際に生産を始めてから掛かるコストですが、月々の電気代と毎年1回交換するポンプ代ですね。ポンプは2万円でしたっけ?

ええ。壊れなきゃそのまま使えるわけで。もう8ヶ月くらい使って壊れてませんからね。たぶん1年以上もつでしょう。1年ぐらいで取り替えたってそんなに痛い値段じゃない。

― 日本での種というか苗というか、その原価なんかは?

う~ん、種自体もですね、めちゃくちゃ高いですね、日本は。ですから我々の事業の中に苗を提供するサービス業も考えてます。当然ブラジルから入れた種を使っちゃう。そうすると安い苗も提供できるわけです。

― サービス業?

生産者がですね、例えばウチの施設を買って生産者が自分ですべての管理作業をすれば自前ですから、それ計算に入れなければタダってことになりますけど、まあ我々が考えてる対象ってのは農業の素人の方を特に考えてますから、それに付随したサービス業を考えてるわけで。実際施設を購入して生産活動しようという人は単純に言えば苗の植付けと収穫と、あとそれを出荷する、その手間だけですから。理想として我々が縮図に描いているのは1日4時間作業という農業を考えています。それでだいたい1夫婦が食べていくのには、生活できるのに十分じゃないかという見込みは計算できるということです。

― それだけの収入が確保できる、と。

できると思いますね。まあ作目にもよりますけど。そしたら、そこで何が作れるかとかいうよりも、やっぱり一つの事業として、さっき言ったように生産者が利益率のいいものを選んでいけばいいわけです。

― ではプロジェクト推進のために、生産者をフォローする会社を立ち上げる、と。

会社を興す準備と、設立までなんとか今年中にやって、できれば営業まで、本年度から開始していきたいと考えています。


前のページへ / 上へ / 次のページへ

大森麗裕 :  
〒441-3415 愛知県 田原市 神戸 郷仲 64-2 T&K302 (藤城),
© Copyright 2024 大森麗裕. All rights reserved.