移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
水耕栽培プロジェクト
     プロジェクト紹介&言いたい放題  (最終更新日 : 2003/05/23)
09、コミュニティの再構築

09、コミュニティの再構築 (2003/05/23) ~ コミュニティの再構築 ― 新しいライフスタイルの提案 ~

― また繰り返しになると思いますが、この事業を通じてご自分の夢というか、これこそがこの事業のテーマなんだというものをひとつお聞かせ下さい。

さっきも言ったように、日本の今の状況が改善される一躍になれればということ。まず、もともと農業国だった日本が、たった2%のアレになってる、これはおかしいんじゃないかと。戦後五十年無駄遣いしてきた投資が、再利用されなきゃいけないんじゃないか。これがリサイクルされなきゃいけないっていう一つの提案、ですね。
で、そこから付帯して、今の日本の社会問題でもある、会社人間だった人たちが一人の個人になった場合の寂しい生活。それを、こういう生産活動を通じて一つのコミュニティができれば、別の社会ができるわけで、そういった寂しさも補えるだろうし。ゆくゆくは娯楽のクラブもみんなで簡単に作ることができる。
そうなれば老後の問題にしても、お互いで助け合うこともできるわけですね。介護士の世話にならなくても、仲間が必要とした場合ほかの動ける仲間が手伝ってあげるとか、そういうこともできるわけです。やっぱりお歳になってもね、人様のお世話になるのは恥ずかしいっていう意識もあるけれど、同い年ぐらいのお仲間にやってもらえればもっと気楽に介護も受けられるんじゃないか、というところまで行くんじゃないかと思うんですね。
今までのぜいたくな生活に慣れてる人は「してもらう」っていう感覚になってますけど、これからはもう、自分たちで何かをしていこうっていう意識をやっぱり目指してもらいたい。で、これでうまくいけば、そういう社会も作れるんじゃないかというふうに思うんですよね。ですから、たったこれだけのことでね、波及する効果ってのは莫大なものがあるんじゃないかっていうふうに。これがもしそこまで行けば、私としてはもう最高ですね。

― 個々人としても夢が持てるし、コミュニティが作れる社会になる。

ええ。

― 今の日本、儲かってる人たちとリストラ組といった、持てる者と持てない者との差が徐々に開いてきたようなところがありますし、その下のグループにいる人たちが没落意識を持ってしまっているような感じを受けますが。

う~ん、だからそこなんですね。私たちがブラジルから発信してるのもね、人間の生き方はそういう定食コースだけじゃございませんよと。あんたの人生なんだからね、あんたが好きなようにやればいいじゃないかと。傍は傍、という生き方をね、もうそろそろしてもいいと思うんですよね。いくら島国でも、まだ(島国意識が)根強く残ってますけど、そんなこと言ってる場合じゃないでしょう。自分の人生が先だから。ね、そんなこと傍のために何で苦労してヒイヒイ言ってなきゃいけないかと。
要するにねライフスタイル、まあ基本的には農業で今テーマを追ってますから、農業のライフスタイルも変えれば、農業に対する見方も変わってくるだろうし。自分でもできるということで。
もう、従来の農業っていったらそら半端な気持ちじゃできませんよ。皆さん美味しい物ができてフレッシュな物が食べられてなんて、そんな甘いものじゃないんだからさ。大変な作業ですよ。知識的にだって土壌学から始まって、気象学から、育苗だなんだかんだあるわけじゃないですか。そういういろんな要素がかみ合うのが農業ですからね。それは勉強しなくても経験上身についてくるものだけど、今から始めようっていう中高年のおじさんたちじゃさ、そんなゆっくりしてる暇はないわけだから。だからその分が省けるんですよ、これ。体力的にも省けるし。

― それで、即座に生産、採算ベースに乗せることができる、と。

そうです。この施設もね、もう1ヶ月も掛かんないから、一反歩単位だったら。2週間もあればできちゃう。

― それで種というか苗というか植えて2ヶ月もあれば最初の収穫ができちゃう。夢のような話ですよね。

これ、夢じゃないんです。今までしてなかっただけの話で、できるんだもの。それなんです。だから通念からいって、こうじゃなきゃできないって頭はやっぱり捨ててもらわないと、ねえ、先がなくなっちゃいますから。今までやってきたことが行き詰まってるんだから、他の方法として今までやってなかった方法を導入するしかないじゃないですか。
だから、それこそどこかに依存していちいち上の人の顔色うかがっている必要もないしね。もう自分の時間に戻ったんだから好きなようにやって、自分で食いぶちを稼いで。いいんじゃないですか、こういう生き方も。
それとねえ、土いじりほどの重労働はない代わりに、多少の運動はできますからね。あとやっぱり、いい空気も吸えるんじゃないかと思うわけですよ。

― ああ、そうですね。事務所とか工場とかの職場と違って。

そう、囲いの中の仕事と違って外での仕事だし。
で、自然的な状況で苦しむ部分もかなり少なくできるわけですよね。条件を作って栽培しているわけだから、そういった自然災害に関するリスクってのはかなり少ないですよ。まあ、雨ばっかりで光が足りなかったっていう場合もあるけれど、逆に日照りで水が足りなくて、ということはない。水の中に植えてるんだから大丈夫なわけですよね。
ただね当然、問題だってあると思いますよ、ありますよ。難しさも出てくる場合もある、状況に応じてね。だけど普通の農業やるよりはかなり楽だということ。管理栽培ですから計画的にプログラム通り行きやすいわけです。まあ、あまり寒すぎたとか、ハウスがない分だけ、ちょっと成長が遅れるとかいう現象はもちろんありますけど、それによる被害って言ったってですね、たとえば土耕であれば全面的にパーになっちゃう場合もあるし、そもそも投下するコストが違いますから。仮に全滅したとしても土耕でやるより損する部分は少ないわけです。で、新しく苗さえ用意してあればまたすぐにスタートできるわけですから、やり直しに、リターンするのにあっという間にできちゃうわけですよ。

― 言ってみれば、リスクとしては損したとしてもせいぜい2か月分。

これはもう完璧ってものはありっこないんです。ただ普通の農業よりもっと自然の恩恵を受けやすいようにしているわけですよ。まあ、なんだってリスクはあるわけですから、100%OKっていう甘い考えはどんな世の中にも存在しないんだからそれはやっぱり認識して頂かなければいけないけど、普通よりはリスクは少ない。

― 労力も少ない、リスクも少ない。

ということですね。で、農家のライフスタイルの話で言えば、作業が楽な分、自由に使える時間が増えると思うんです。また、例えば第三者に留守を預けてやるってこともできるわけですよ、もうシステムは決まっているわけですから。例えば1か月休みたいと、そしたらサービス業でヘルパーがいれば、それがパッと入ればできるわけだし。2~3日ちょっと用があるっていう場合だったら隣の人に見てもらうって手もあるわけだし。だからなんかしたいって場合、非常にその対応性があるわけですわな。


前のページへ / 上へ / 次のページへ

大森麗裕 :  
〒441-3415 愛知県 田原市 神戸 郷仲 64-2 T&K302 (藤城),
© Copyright 2019 大森麗裕. All rights reserved.