番外、たこ焼き、牛タン・パーティー(準備篇) (2006/04/14)
(2006年4月1日(土) 晴れ時々曇り)
普段お世話になっている人々への感謝の意を込めて、自宅でたこ焼きと牛タン・パーティーをやることになった。
たこ焼きは、大阪出身の若者たちとパダリア(パン屋さん兼飲み屋さん)で飲んでいた際、「せっかく大阪人が集ったんやから、いつかたこ焼きでもやりまひょか」と1号の安易な思いつきから始ったもの。牛タンはコーイチ君という、いつもインターネット・ラジオを手伝ってくれる青年に大いに受けていたことから、「彼が来るなら、牛タンも付けるか」ということになったのだった。 当日は午後3時頃から始めることになっていた。我々1号家族はこの日の午前、まずはベビーダ(飲み物)のセルベージャ(ビール)などを買出しにスーパーへ。帰宅後早速、冷蔵庫にセルベージャを押し込んだあと、引き続いていつも行く最寄のフェイラ(青空市場)ではなく、サンパウロで最大規模と言われるアクリマソンのフェイラまで足を伸ばした。このフェイラは、1号が日伯毎日新聞社の男子寮に住んでいた独身時代によく通っていたフェイラで、とにかく品数が多いことで有名だった。 タコは当初、いつも行き慣れたカンタレーラ(中央市場)で買う予定だったが、嫁はんの「アクリマソンのフェイラに行けば、きっとタコもあるよ」との言葉に乗せられ、「そやな、どっちみちタンも買わないかんし、まあ行ってみよか」ということになったのだった。
午前11時過ぎに現場に到着すると、すでに買い物客で活況を呈している。「まずは値段チェックや」とばかりに、4軒ほど並んでいる魚屋へ。お目当てのタコは有るには有ったが、値段が1キロ20レアル以上もするものばかり。おまけに寿司用の大ダコのため、1匹で2、3キロもしてしまう。ブラジル国内でタコを買う客は、そう多くはなく、大ダコを半分に切ってまで売ってくれる業者などはいない。
「もっと小さいタコはないの」と嫁はん。魚屋の兄ちゃんは店頭に並べていないモノを下の方からおもむろに取り出すが、やや小ぶりのタコでも1・5キロほどはするらしい。
「30レアル!」と兄ちゃん。1号は改めてカンタレーラに赴くことも考え「ウーン」と唸った後、「二度手間になるし、買うか」と妥協。値段が高いだけあって新鮮なタコを手に入れたのであった。
牛タンは、以前から顔見知りのオッチャンのところで過去最高の4頭分を購入。一人前に成長していたニイチャンに皮を剥(は)いでもらった。
野菜類なども購入して意気揚々と引きあげた我々は、早速、自宅で下準備に入る。まずはタンの薄切りを嫁はんとソグラが担当。1頭分で2キロほどもあるタンを霜降りの上質のところと、そうでないところを分けて切断する。牛タンに使えない部分は、後日のカレーライス用の肉として冷凍する。 1号はそれらと並行して、タコの頭と足の部分を切断して塩茹での用意。実際に湯掻いてみると、足の付け根の太いところで直径3、4センチもある上等品。「これは、たこ焼き用だけで食べるのはもったいないで」と1号。「毒見も兼ねて、私たちの昼食用にタコ刺にしたらいいよ」と嫁はんも賛同する。
湯掻いたタコを氷水を入れたボールで軽く洗い、引き締まったタコの足を2本、刺身用として薄切りにして皿に並べる。我々家族の昼食は、試食用の牛タンとタコ刺しの豪華版。タコ刺しをわさび醤油につけて食べる。適度に染み込んだ塩味が、旨みを増し、コリコリとした舌触りが何とも言えない。午後から来る皆さんには申し訳ないと思いながら、「美味い、美味い」と言いつつ昼メシを食い、準備を万端に整えたのだった。(つづく)
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