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たこ焼きマンが行く
     たこ焼き「旅日記」  (最終更新日 : 2009/05/25)
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ベレンの「移民の肖像写真展」でタコヤキ (2009/05/25)
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「移民の肖像写真展」に来場した人々
 もうかなり前の話(07年11月)で恐縮だが、サンパウロ新聞主催で「移民の肖像」写真展を汎アマゾニア日伯協会の多大な協力を得て開催させていいただいた。その際、初日の開幕日に大阪名物の「たこ焼き」もサービスさせてもらった。
 「なぜ、たこ焼きか」と言われても説明に困るが、関西人の一人として、普段食べる機会が少ないベレンの皆様に、少しでも食べていただきたかったというのが本音である。その時の様子を、同協会機関紙である記念すべき「パンアマゾニア」250号記念号に投稿させていただいたものを、少々書き直して、ここに書かせていただく。
 
 「ベレンで、たこ焼きをやりましょうか」-。サンパウロに出張に来ていた堤事務局長にそう簡単には言ったものの、ベレン行きが近付くにつれて正直、後悔していた。というのも、写真展用の写真をはじめ備品など荷物が多く、たこ焼きの専用鉄板(家庭用の24個焼き)を飛行機便で持っていくにしても、かさ張る。第一、鉄板そのものも、決して軽いものではなかったからだ。
 しかし、関西人のサービス旺盛な精神により、「ベレンの人たちに写真を見てもらいながら、たこ焼きを食べてもらいたい」という気持ちが上回った。
 ベレンに着いて早々、まずはたこ焼きの具のメインとなる「タコ」を探さねばならない。事前に「タコはベレンにもある」と言われていたものの、一般のブラジル人には「タコ=グロテスクな生き物」という印象が強いらしく、「もし、タコが売ってなかったら、ベレンで豊富なエビでも入れるか」と考えていた。しかし、それでは「エビ焼き」となってしまい、「これやから関西人の言うことは信用ならん」と言われかねないな、と心配していた。
 幸い、ベレンにはニッポブラスという日本食品屋さんがあり、冷凍のタコが置いてあったのには助かった。当初、タコはサンパウロから持っていくべきかとも考えたが、荷物になる上に蒸し暑い気候のベレンに持って行く途中に腐ってしまっては元も子もない。
 タコは普通、頭の中身を取り出したものを塩(ゆ)茹でするのだが、ベレンにあった冷凍もののタコはすでに足と頭の部分がきれいにリンパ(掃除)されて切り分けられていた。当時、お世話になっていたMさんの自宅で下準備した際、解凍したタコを塩茹でしたら適当な大きさとなり、切る手間が省けた。
 その後は、たこ焼きに必要なメリケン粉や卵などを近くのスーパーに買出しに行き、準備は整った。
 そして、いよいよ写真展の当日(11月26日)となった。
 午前11時からの開幕を前に、午前9時に日伯協会に到着。会館入り口に特設された展覧会場では、すでに日伯協会の職員の方々により写真展の準備ができていたのには頭が下がった。
 下準備してきたが、当日になって忘れ物があるのはいつものことだ。たこ焼きを入れる皿などを忘れ、助手としてベレンに付いて来た嫁はんに近隣のY・山田スーパーで買ってきてもらう。
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ベレンで実現したたこ焼き
 その間、「たこ焼きマン」である私は、たこ焼きの素(もと)となるメリケン粉を溶くために、婦人部の台所部屋を貸してもらったのであった。大鍋やお玉杓子など婦人部の備品を貸してもらい、メリケン粉を溶き、卵やカツオだしなどを入れて準備するだけで汗が吹き出る。ベレンの蒸し暑さはハンパではない。たこ焼きを作る前から、自分自身が「ゆでダコ」状態になってしまった。ベレンに行くと、いつもお世話になっているカラオケ「キビタン」で披露する「タコ踊り」を思わず踊りたくなってしまった。
 いよいよ焼く段階になり、サンパウロから持参した専用の鉄板に火を入れるが、どうも調子が良くなく、黄色い炎しか出ない(普通はガスの火のように青白い炎となるのだが)。
 「せっかく持ってきたのに、具合悪いなあ」などと呟(つぶや)きながら空気調整弁をいじっていると、ようやく青白い炎となりヤレヤレ一安心となった。
 油を塗り鉄板も熱くなったところで、メリケン粉の素を入れると「ジュワーッ」という音がする。手早く、タコ、みじん切りしたネギ、紅ショウガを入れ、ついでに嫁はんが気を利かしてY・山田で買ってきたベレン産の桜エビ(のような小エビ)を全体にまんべんなく振りかける。
 頃あいを見計らってタコピンでひっくり返す。鉄板への油のノリもよく、勢いよくクルクルと回すと立派なたこ焼きができた。
 最初にできたたこ焼きを堤事務局長をはじめとする日伯協会の職員の方々に試食してもらう。ブラジル人の職員たちにも意外と好評だったことに気を良くし、ドンドンと作る。
 堤事務局長の計らいで、「たこ焼きマンが焼く、大阪名物たこ焼きのデモンストレーション」と書いた紙も壁に張り出していただき、恰好もついた。
 そうこうしているうちに、写真展にお客さんが入場しだした。
 写真を見てもらっている横から無理矢理、「たこ焼きのサービスです。食べてください」と言うと、来場者の皆さんは一瞬驚きながらも、快く食べてくれていた。
 その後もアマゾン移民のお年寄りの方々をはじめ、汎アマゾニア日伯協会の役員の皆さん、レストラン出雲のご主人、空手家の町田さんと息子さんのリョウトさん(日本でプロデビューした格闘家)など続々と来場してくれた。全員ではないが、何人かの人に「美味しい」と言ってもらえたことが有難かった。何よりも、ベレンの皆様に写真展来場はもとより、手作りのたこ焼きを食べてもらえたことが、関西人の自分にとっては嬉しかった。頭の中を映画「ロッキー」のテーマ曲が流れ、心の中でガッツポーズを取っている自分がいた。
 結局、写真展をやりに来たのか、たこ焼きをやりに来たのか分からない状況だったが、自分の写真展でたこ焼きを振舞えたことに満足した。機会があれば、ベレンで毎年恒例の日本週間でたこ焼きを焼いてみたいという無謀な目論見があるのだが、その夢は未だ実現していない(多分、無理と思います)。 
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完成した、たこ焼き
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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