文協水曜シネマ (2005/08/24)
文協(上原幸啓会長)創立五十周年を記念し、八月三日午後〇時半から毎週水曜日の同時刻に「水曜シネマ」と題した日本映画上映会が文協大講堂(サン・ジョアキン街三八一番)で今後継続して開催される。主催は文協、企画は「ブンバ!」エジトーラとショーエイ出版が担当している。 同イベントは、サンパウロ市内に在住する映画通の布施直佐氏(四〇)が個人的に保持している日本映画のDVDを上映し、その前後に同氏による簡単な解説が付くという。 布施氏が保持している日本映画のDVDは新旧問わず約百五十本におよび、要望により新作も取り寄せることができるという。今回初めての試みであるため、今後は視聴者がどのような傾向の映画を求めているかアンケートを取り、希望によっては美空ひばり特集や時代劇ものなども上映可能となる。 会場となる文協大講堂は週末の予定はほぼ満杯の状態だが、平日は使用されずに開いていることに目を付けたのが八月から始まるイベント。かつて栄えていたリベルダーデ区での日本映画館が無くなった今、ブラジルであまり上映される機会の少ない日本映画を上映することで、一般への娯楽の提供、日本文化普及とともに文協の活性化を進めることが大きな目的だ。 今後進めていく上で、大講堂前サロンの有効利用も考慮されており、案内に来社した布施氏と「ブンバ!」編集長の細川多美子氏は、「皆様の協力により、さまざまなアイディアを待っています」と、従来の文協には無かった前向きな参加型のイベントづくりが進みそうだ。 上映は当面日本語のみで実施されるが、ポ語訳の字幕を付けることや、今後は地方での上映も考慮されている。 入場料金は文協会員は無料だが、非会員は二レアルが必要。 「日本の文化、伝統・風土や日本人の奥深い芸術性を再発見するチャンスです」と主催者側では毎週水曜日の入場を呼びかけている。 八月、九月の上映予定は次の通り(カッコ内は制作年)。 [八月] ◎三日=「ひばり・チエミの弥次喜多道中」(一九六二年)。出演=美空ひばり、江利チエミほか。 ◎十日=「薄桜記」(一九五九年)。出演=市川雷蔵、勝新太郎ほか。 ◎十七日=「人生劇場 青春篇・愛欲篇・残侠篇」(一九七二年)。出演=竹脇無我、森繁久弥ほか。 ◎二十四日=「不知火検校」(一九六〇年)。出演=勝新太郎、中村玉緒ほか。 ◎三十一日=「斬る」(一九六二年)。出演=市川雷蔵、藤村志保ほか。
[九月] ◎七日=「浮草」(一九五九年)。出演=中村雁治郎、京マチ子ほか。 ◎十四日=「丹下左膳余話 百万両の壷」(一九六三年)。出演=大河内伝次郎、喜代三ほか。 ◎二十一日=「くちづけ」(一九五七年)。出演=川口浩、三益愛子ほか。(2005年八月、サンパウロ新聞掲載)
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