イビウナ(お誕生日パーティー篇 第二部) (2004/09/22)
優雅にたこ焼き
本番ではなんと、テーブル上部につける看板が付いた。(←写真) 主催者側で用意してくれたのだ。この暖簾のような看板を取りつけると、一気に屋台というか、テキ屋ふうになって雰囲気が倍増した。 この看板に「たこ焼き」という文字だけでなく、タコのイラストなども大きく描くことができ、何をやっているのか一目瞭然、分かり易かった。 それに、このパーディーの招待客はほとんどが日本人・日系人で、非日系人は1~2家族しかいなかった。そのうえ大体の人が、たこ焼きを知っていた。たこ焼きについての質問も数人からあったが、それは日本語で聞いてくる。ポルトガル語で「これは、何?」といつものように高飛車に尋ねてくる客はいなかった。 せっかく「POLVO」を練習したのだが、成果を披露する機会はなかった。悲しいような、胸をなでおろすような……
今回は商売抜きなので、材料をたっぷり使う。タコも品質で選んで大きめに切った。ネギも、紅ショウガも丁寧に刻んだ。いつもは、行列が出来るので焦って慌てるのだが、今回は綺麗に作る。 それに、いつもたこ焼きグループは男性陣が主体なのだが、今回は女性の方が多いので準備も丁寧だし、テーブルの上をこまめに拭いたりもして、そつがない。 パーティーでは、たこ焼き以外にも寿司や刺身、おでんなど大量のご馳走が並べられてあったため、1人に付きたこ焼き1~2個食べれば十分。それこそ「物珍しさに食べてみよう」といったかんじであった。 快晴で空気が澄んでいる。一杯機嫌で腹も満ちている。 ――ゆっくりと、たこ焼きを作れる。 優雅に、たこ焼きを回した。
たこ焼き普及委員会イビウナ支部を結成
セルソと、さとし。21才と20才の青年である。1人は学生でもう1人はコンピューターの仕事をしているという。 たこ焼きが気に入ったらしく何度も食べにくるので、 「やってみる?」とタコピンを手渡したのだ。 すると、なかなか筋がいい。 最初こそは手間取っていたが、女性軍らが「巧いわね~~」「さすが、すご~~い」などとおだてているうちに、メキメキと腕を上げていった。 地元の招待客らも、この2人に対してはより親しみやすい。 「お前ら、レベルダーデで、たこ焼き屋をやれば!」 などと冷かしながらつまんでいく。 結局、後半の焼きは、ほとんどこの若者2人に任せて、我々は優雅にビールを飲んでいた。
たこ焼きプロジェクトの原点は「たこ焼き普及」にあるのだから、よきカウンター・パートを得て、イビウナ支部を発足させたことは意義あることかもしれない―― 我々メンバーは、酒の肴にそんな話で勝手に盛り上がっていた。
1才の誕生日
たこ焼きには関係がないが、面白かった誕生会の出来事を紹介しよう。
長野の風習だという。 1才の誕生日には、子供に餅を一升背負わせ、その前に「そろばん」と「筆」、「ザル」を置いておいて這わせる。どれを選んだかで、将来の職業を占うという習慣があるようだ。 この子の場合はなかなか這わず、司会のお父さんが持っていたマイクをつかんだ。きっと、アナウンサーか噺家(はなしか)になると予想される。 |
教訓 パーティーで他のご馳走もある場合、招待客100人いたとしても大量に作る必要なし。 今回の分量では(上記表参照)小麦粉3kgは消費したが、タコもソースも紅しょうがもねぎも、すべて半分以上余った。 概算だが、タコ1kgに対して小麦粉4kg、ソース1本(500ml)、あおのり1袋(20g)、紅しょうが1袋、ねぎ半束で十分であろう。 また、日本人主体の誕生日パーティーのときは、「POLVO」の発音練習の必要なし。 そして、当然のことだが、商売ぬきで美人アシスタントがいる方が、楽しく優雅に焼ける。
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