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宇江木リカルド作品集
     詩集「反転の幻想」  (最終更新日 : 2003/05/23)
酬い

酬い (2003/05/22) 私がひねくれた詩を書くのは
生まれと育ちによるもので
性格だからどうしようもない
なにしろ右手がまず
母の膣からでてきたというのだから
あまり字を知らない幼児にして
すでに書くことが好きだったし
目の玉が最後に
母の膣に居残りたいと駄々をこねたというのだから
世の中を歪んで見るのはどうしようもない
いわゆる逆子なんだ
片眼が生まれたときから視力が不足
片側ばかりの寝癖がついて頭は歪んでいるし
臆病者で
泣き虫で
アカンタレといわれてきた私だから
世の中を儚んで反抗心を増大させ
働く意欲は皆目なくし
心が梅毒に罹って鼻欠けになって崩れて
懶惰な日々のなかで
嫌がらせの詩を書いて
嫌がられるのを楽しんでいるのだ
親の因果が子に酬い と
親の責任になすりつけて
私自身が良い子になるつもりはないけれど
歪んだ詩を書くのはどうしようもない


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