昏い雨の日曜日に (2003/05/22)
あぁぁぁ厭になるなあ と だらしなく寝転んで思う いま雨のなかへ出ていったら 俺は虚像の白雪璟になって 溶けてくずれて精液のようになり 流されて消滅してしまうように思う
朝の昏いうちから降りつづいている雨が 生活とか倦怠とか期待とか落胆とか 政治とか社会とか思想とか哲学とか 体制とか民衆とか エトセトラ なんだか安っぽくて そこらにごろごろしている単語を 拾い集めて俺を脅迫する
あぁぁぁ厭になるなあ と 気持ちよく足を伸ばして思う 俺は虚心に金平糖になって 心を刺々しくさせても所詮は甘い砂糖菓子 溶けてくずれて精液のようになり べたべたとそこいらを汚すだけ
日曜日がすぎて次の日曜日になっても 虚栄とか虚脱とか虚無とか虚勢とか 虚偽ではなくても虚飾でしかない虚根を 虚妄のねじり飴にして ありったけ並べて女たちを欺いて
あぁぁぁ厭になるなあ と 欝勃としながらも奮い起こした 俺の性への執着は いや違った 生への執着は かけたかすかな思いが折れて どこを割っても黒々とした死神の嘲笑う顏
白々しい苦悶のなかで 降りつづく雨の音を聞いていると 気持ちはますますカステラのようにかすかすになり 雨の音や雫に涙をごまかしても 遠い日の悔恨が追いすがり異常接近して 俺に進路を誤らせてしまった
こんな雨の日は不吉なことばかり懐いだすから あぁぁぁ厭になるなあ 厭になる 厭に
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