最後に (2003/05/23)
おまえの詩は 冗舌詩だと決定づけられた
俺はそれを是認する
俺は元来無口で口下手なんだ だから詩を書くとき つい筆が走って冗舌になる
俺の冗舌は冗談だよ 本気になんぞしないでほしい
広大無辺のブラジルにきて ほんの一握りほどの日本人社会が 我田引水の独善のなかで 微温湯に浸かっているのがおかしくて ちょっと石ころ投げ込んで 波紋の広がるのを面白がっただけ それでもし人が騒ぐのなら 悪戯をした効果があったのだから 俺の詩も捨てたもんじゃないなと 北叟笑むことにする
人の顔色窺いながら 飼い馴らされた犬の目をして 臆病そうに吠えたてるくらいなら 月に向かって吠えているほうがなんぼかましや それとも横着かまして寝ているほうがええやろう だから俺は卑猥なところを開陳するかわりに 遠慮なく独り善がりの冗舌詩を開陳する
|