11・26 老後の顔 (2006/11/27)
父が亡くなったこと、そして老人と接触する機会が増えたせいか、自分の老後について考えることが多くなった。 毎週日曜日、カラオケ・ダンスの会場に行って、写真を撮らしてもらっている。人見知りが激しい僕にとって毎週会場に行くのは、結構つらいときもあるが、人生を重ねた人達を見れるのはひとつの楽しみでもある。 彼らを見ていると、よく食べて、よく踊る。平均年齢は65歳を超えているそうであるが、とてもそうは見えない。この会場では昼食ついており、セルフサービスになっている。男性も女性も食べること、食べること。お皿にてんこ盛りを平らげてしまう。痩せた上品そうなおばあちゃんもそうであるから驚いてしまう。たくさんの仲間といると食欲が沸くのだろうか? 異性との交流をひとつの目的にきているから、みんな綺麗に着飾っている。30年、40年前はさぞかし綺麗だったろうな、と安易に想像がつくおばあちゃんがひらひらの、真っ赤なスカートをきていたり、会場は結構色っぽい雰囲気にあふれ、みんな生き生きとしている。時には異性問題があったりするそうで、そんな色のある話を聞いていると彼らの活力の強さを感じてしまう。 多くの人は、踊りに習いに行っているそうであるが、炭坑節でルンバを踊ったり、独自の踊りで踊る人がいたりと、何でもありなところが移民の人たちらしくていい。 「移民当初は大変だったけど、今は、ここでこうして踊ることができて楽しいよ。日本にもこんなところないだろう」とあるおじいいちゃんがにっこり笑った。 見ていてほっとするようなやさしい顔をしたおばあちゃんがいるかと思えば、いかにも頑固そうな、むすっとしたおじいちゃんもいる。その人の人生が顔に出ているのだと思う。できれば、いつもニコニコしたやさしい顔になりたいと思うが、今の感じからすれば、僕はきっとむすっとした顔のヘンコツ爺になるのだろうなと思う。
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