1 オーディション (2004/06/06)
2005年・秋に放送されるNHKドラマ「ハルとナツ 届かなかった手紙」のブラジル・ロケにエキストラとして出演することになった。
このドラマはNHK80周年を記念する大型ドラマで、脚本はあの「おしん」の橋田寿賀子先生、出演者は森光子、野際陽子、米倉涼子、仲間由紀恵という豪華キャスト。1回75分で全5回放送される。ブラジル・ロケだけでも60人のスタッフ、20人の役者を日本から連れてきた上、現地でのエキストラのべ800人、約2カ月間ブラジル各地で撮影を行うという大型スケール。時間的にも資金的にも、民放ではとても真似できない番組である。 さて、4月24日にカンピーナス市で、25日にサンパウロ市で、日系エキストラの参加登録が行われた。 「老移民の話や書籍でしか知らない当時のことを、視覚で実感したい」 僕の口実である。本音は「暇だから」、それに「好奇心」から登録日に出かけた。 登録手続きは簡単であった。氏名、住所などを記入して、「いつでも参加できる」「週末なら参加できる」といった項目をチェック。さらに、身長・体重などを量り、全身写真を撮っただけである。15分ほどで済んだ。 この登録、フタを開けてみれば、カンピーナス200人、サンパウロで800人の参加希望者が来たという。そして、登録者の6~7割は女性。男性は、ただでさえ少ないうえ、30代・40代の働き盛りの男性登録者は殆どいなかったという。さらに「いつでも参加できる」と登録カードに記入した壮年男性は、僕を含めて数名だったようだ。まあ、当然といえば当然なのだが……。 中には勘違いして着飾ってきた女優志望の女性や、登録日を過ぎた後に、無理やり押しかけてきて「私も出演させなさい」とゴリ押ししていたオバサンもいたようだ。 まあ、ともかく連絡を待つことにしよう。
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