移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
岡村淳のオフレコ日記
     西暦2021年の日記  (最終更新日 : 2021/05/07)
3月24日(水)の記 『キリシタン伝説百話』余話

3月24日(水)の記 『キリシタン伝説百話』余話 (2021/03/24) 『キリシタン伝説百話』余話
ブラジルにて


食材と料理の話。
スナップしてきたグラフィティの話。
読んでいる、あるいは読んだ本。

コロナ王国ブラジルでの巣ごもり中のウエブ日記のネタは、こんなものばかりだろう。
ネットで流れてきたメディアのネタをしたり顔でアップするようなのは性に合わない。

在日本の人が、僕がウエブ日記で触れた本を何冊もネットで探して購入していると教えてもらう。
うれしい、というより恐縮である。
「したり顔」の反対語をネットで探してみるが見当たらない。

その人にダイレクトメッセージでお伝えしたのが『キリシタン伝説百話』。
谷真介さん著、ちくま学術文庫。
未読本のなかから目に留まり、今週読み終えた。

これはいろいろな意味でたっぷりと面白かった。
どの切り口から紹介させていただくか、迷う。
切ってしまわずに、まるごと差し出した方がよさそう。

キリスト教の本質に迫る部分もあれば、江戸期以降のいわゆる都市伝説のようなものまで百花繚乱だ。
僕は考古学徒になる前に、いろいろな日本の伝説を読み漁っていた時期があったことを想い出した。
キリシタン伝説のなかには日本の類型的な伝説に収まるものがかなり多い。
そこからもはみ出してしまいそうなものが、また面白い。

学生時代の僕のテーマは、現在の私たちにも生き続けている縄文文化的なものの抽出だった。
それを想い出させる「キリシタン伝説」もあった!
ずばり縄文の聖地のひとつ、秋田の伝説。
そこにキリシタンと縄文の接点をかぎだす人は、在ブラジルの僕以外にあまりいないかもしれない。

福島、納豆、ポルトガル語を結ぶオッタマゲの伝説もあった。
それは読んでのお楽しみ。

そうそう、天草に伝わる伝説のなかの老人のこと言葉を書き出しておかねば。
「きびしい取り締まりがつづいても、いっこうにキリシタンが絶えないのは、このようにせっぱつまった時に、天の神様がお救いくださるからじゃろう……」
遠藤周作のあの小説のタイトル『沈黙』の意味と共に考えていきたい。

日本は人類史上で、かつてのローマ帝国に次いで多くのキリスト教の殉教者を出した国であることも忘れてはならない。







 


前のページへ / 上へ / 次のページへ

岡村淳 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2021 岡村淳. All rights reserved.