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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2021年の日記  (最終更新日 : 2021/05/16)
4月20日(火)の記 老妻の将棋

4月20日(火)の記 老妻の将棋 (2021/04/20) 老妻の将棋
ブラジルにて


未明に目覚めて、眠れなくなった。
昨日「発掘」した『日経回廊3』(西暦2015年発行)が枕元にある。

付箋づけした足立則夫さんの「李白と杜甫―うまくいかない人生を詠む。」を読む。
恥ずかしながら、李白と杜甫、といっても名前ぐらいは知っていてもそれ以上のウンチクも感慨も浮かんでこない。
そのことを後悔するに足るありがたい記事だ。

詩仙・李白と詩聖・杜甫の人生を外観、比較しながらそれぞれの代表作を味わうという趣向。

詩聖の『江村』が特に沁みる。

江村 杜甫
清江一曲抱村流
長夏江村事事幽
自去自來梁上燕
相親相近水中鴎
老妻畫紙為棋局
稚子敲針作釣鉤
多病所須惟藥物
微躯此外更何求


僕はこの漢詩にはなじみがなかったが、検索してみるとやたらに古文の試験対策がヒットする。
古文の教科書に再録されているのだろう。

特に気にかかるのが五行目だ。
足立さんの記事では、
「老妻は将棋盤を紙に描き」
という訳が掲げられている。

杜甫は役人の仕事が性に合わずにやけ酒を繰り返し、職を辞して家族と放浪の旅に出る。
この詩は「貧しくとも家族と平穏に過ごす幸せな心情を吐露」と同記事で中国文学者の金文京さんが解説している。

さて、老妻はなんのために紙に将棋盤を描いたのか?
1.老妻自身が自分の友人と将棋をさすため
2.夫がだれかと将棋をさすため
3.老妻が夫と将棋をさすため
ざっとこんなところのどれかだろうが、さて。

これが気になって起き上がり、ノートパソコンを立ち上げて検索してみるが…
言葉通りをなぞった以上の解説がほとんど見当たらない。

中国の唐代の将棋というものが僕にはわからないが…
僕の文化観では、そもそも女性が将棋をさす、夫婦で将棋をさすという光景があまりイメージできない。

いまどきはブラジルで若い男女のカップルがオンラインゲームに興じるのを身近に見かけるが。


 


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