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11月18日(火)の記 パラナ州縦断 (2025/11/26)
パラナ州縦断 ブラジルにて
サンパウロとクリチーバを結ぶ長距離バスは、大西洋海岸山脈を縦断する山道を行く。 これまでもっぱら自家用車で通ったが、山間のためカーラジオを受信できるのは都市部周辺に限られていた。 携帯電話もほとんど圏外になる。
今回の夜行バスはwi-fiがそこそこつながって助かった。 眠りは浅い。 午前2時前に、佐々木神父の介護をするブラジル純心聖母会のシスターからのメッセージ。 神父さんは、0時40分に集中治療室で帰天された由。
嗚呼。
あまりに、ドラマチック。
バス車中から、僕のつながる範囲内のブラジルと日本の関係者に訃報を伝える。
病院にお見舞いにあがって即、サンパウロに戻るつもりだったので着替え等は持参しなかった。 が、行きがかり上、葬儀への参列を決意。
葬儀はクリチーバで行なわれるものと思い込んでいた。 シスターたちと神父さんが長年、司牧にあたっていた北パラナの教区とのやりとりが伝わってくる。
葬儀と埋葬は、おそらく明日、北パラナのコルネリオ・プロコピオという町で行なわれることになりそうとのこと。
バスは午前6時半にクリチーバ着。 シスターたちはさぞ取り込まれているだろうが、土産物類だけでもおわたししたい。 担当のシスターのお言葉に甘えて「純心聖母の家」にタクシーで向かう。 シスターたちと朝のコーヒーをともにしながら経過と今後についてうかがい、僕にできそうなことをうけたまわる。
遺体は葬儀社にわたって処置のうえ、午前中にクリチーバを発って北パラナに運ばれる予定とのこと。 シスターたちは車二台で移動するとのことで、お誘いもいただくが、僕は長距離バスを乗り継いで明日の葬儀に参列させていただくことにする。
クリチーバ10時発ロンドリーナ行きのバスに間に合った。 このバスもwi-fiが快調で、危機一髪の作業をさせていただいた。
パラナ州縦断。 神父さんからの貴重な賜物を感じる。
土地なき農民たちの指導にあたっていた石丸春治さんの「いまわ」の地がこの沿線だ。 佐々木神父、石丸さん、そしてアモレイラの堂園シスター。 パラナに生きた日本人の先達たちから、僕はどれだけのお恵みをいただいてきたか。
存命の人は、クリチーバで静養中の中村矗(ひとし)さんだけとなってしまった。 企画中の、佐々木神父についての冊子も、ご本人の生前には間に合わず。
車窓の大地と植生が心身にしみる。
このバスは、あちこちの町に停まっていく。 ロンドリーナ到着は日没後、19時をだいぶまわった。 道中で予約したバスターミナル近くの格安ホテルに向かう。
この町も歩行者にはやさしくない都市計画だな。
宿で、夜半でも開いている飯屋を教えてもらう。 え、ティラピアバーガー? 内陸ならではか。 あえて、喰らってみるか。
着替えはないが、シャワーを浴びて横になれるだけでもありがたい。
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