そんなつもりではなかった (2003/05/22)
いやはや人間社会のなんという煩わしさ コロニア社会にも大勢 お山の大将になりたい人たちがいたとは 人間社会とは縁を切ろうと考えて ブラジルにきたのだけれど そういうわけにもいかなくて ついつい入った文芸世界 古い移民が先輩顏するのは当然として 詩を書く人まで師匠面する あいつはうるさい奴だから 担ぎ上げておけばおとなしいと 御輿に乗せられて上機嫌の男が 新入りの私をいじめにかかる
おお師よ 私はあなたの頭を利用して 踏みつけて頭角を現すつもりだ 私は悪辣で残酷で師を師とも思わない 師を敬い尊ぶ精神を持ち合わせない 師の頭は踏みつけるためにあるものと思っている 恩義などという道徳観のあることは知っていても それを蹈襲するつもりはない 弟子は師への反逆精神を養うしか 師を乗り越えてゆくことはできないのだから 師は弟子によって暗殺されるための存在 師よこの厳然とした現実を許されてあれ
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