決してあなたを誹謗しようなぞと思っていません 純粋な心からの問い掛けです どんなことにでも疑問を湧かせるのは 若いまだまだ若いこころのせいですから 私もむかし リオ・デ・ジャネイロの小農園で 自然の移り変りに身を委ね すべてを肯定して生きようと 土を耕したことがありました いやはや幼稚な夢でしたね 周囲の 現実は厳しく貧しく無知蒙昧で 清く正しくなんぞというのを 冷ややかに嘲笑う連中ばかり もう生きていることが厭になり 全身に湿疹して失神して 這々の体で サン・パウロに逃げ帰ってきました そのあとは一途に 深い懐疑の奈落に向かって 落込んでゆくだけ もしこの絶望から脱出しようとすれば 体制に反逆して狼煙をあげるだけだと 遠い昔に まだ若かった反抗精神を剥出しにして 左翼団体に走った日のあったのを懐いだしたけれど いまはそんな元気もなくなって ただひたすらに うなじを垂れるだけ 救いのないこの小羊を どうぞお導きください 神に祈るよりは 詩人のあなたにお縋りしたほうが 手っ取りばやいかと 計算するだけのゆとりのある 私を 嗤ってもらっても結構です ただ誤解だけはしないでください じゃないかと 誤解されるほど悲しいことはありませんので

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