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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
7・13 パラチの旅 その2

7・13 パラチの旅 その2 (2007/07/14)  パラチの旧市街、セントロヒストリコは、町全体が市の文化財に指定されていて、古い町並みが残る雰囲気のある町である。車は一切乗り入れることはできず、道路はすべて石畳である。ただ、この町の場合は石畳とはとてもいえない代物で、石切り場から切り出したものでなく、ほぼそのままの直径30センチほどの丸い石がが使われている。もちろんできるだけ平らな面を表に向けて組んでいるのだろうが、とにかく歩きぬくい。車などは、スピードをだして運転すればすぐに壊れてしまいそうである。
 そんな道に歩きつかれて、港に立ち寄った。島巡りの大型スクーナー船や、小さな船がずらっと桟橋に停泊している。桟橋を歩いていると、島巡りに行かないかと、船主らがしきりに声をかけてくる。1槽チャーターして1時間30レアルとのことである。最低で3時間ほどかかるらしい。きれいな写真をみせながらしきりにすすめるが、残念ながらその時間がない。
 この辺から町並みをうつせば綺麗だな、と思っていると、小麦色に日焼けした白人系の若者が、ちょっと間延びしたしゃべり方で声をかけてきた。聞くと、22歳ですでに船の持ち主という。弟は18歳で別の船をもっているらしい。どうやってそんな金を用意したのだと聞くと、小さい頃、家族でポルトガルに行って自分も懸命に働いて稼いだのだという。ちょうど、カメラのカードのメモリーが無くなったので交換していると、青年がそれはなんだ、ときいてきた。今やブラジルでもデジタルカメラは一般的に普及しており、決して特殊なものではない。多分僕はそのとき、「えっ?デジタルも知らないのか」とちょっとバカにした顔つきをしたのだろう。彼は、この近くの田舎にすんでいて、自分は何もしらないのだ、と間延びした調子で話した。そんなに素直に言われると、多分バカにしたような顔をしただろう自分が急に恥ずかしくなってしまった。僕は知ったかぶりをする人間や威張る人間が大嫌いなので、自分も威張ったりしないように気をつけているつもりだから、自己嫌悪に陥ってしまった。こんな素直なブラジル人は久しぶりにあった。若者との出会いは、すがすがしい海風のようで、疲れて落ち込み気味だった気分を爽快にしてくれた。

写真はサンパウロに帰って更新します
 


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