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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
12・15 庶民への、金融危機の影響

12・15 庶民への、金融危機の影響 (2008/12/16) ひさしぶりに姉から電話があり、日本の状況を聞く。「今、どこも仕事がなくて大変よ。銀行もボーナスがなかったそうよ」う~、暗い気分になる。
 現状において、表面的な部分ではブラジル経済は、日本ほど深刻ではないように見える。ただ、それは敏感に反応する日本人とのんびりと楽天的なブラジル人の国民性があるように思える。現在ブラジルは、13か月分の給料(ボーナスのようなもの)をもらったばっかりで、「さて、何を買おう」「どこへ旅行しよう」という考えで、皆頭が一杯になっているような人々が多い。大統領もテレビで「皆頑張ってお金を使いなさい。そうすれば経済は回り、落ち込むことなくよくなります」とバカなことを言って消費を国民に促している。お金がなくなったら大統領が助けてくえるのだろうか?
 実際、国民のほとんどは毎日の生活に追われ、将来に備える、なんてことを考える余裕のある人はそれほど多くないだろう。「ブラジルは今まで、いろんなことがあったから、今回も同じさ、慣れてるよ。自分たちががたがた騒いでもどうもならないし、ひどくなっても皆同じだからしょうがないよ」そんな意見をいろんな人から聞いた。もちろんその通りだが、僕なんかは、小心モノであるからお金はできるだけ使わないようにして、なんてことをついつい考えてしまう。
 写真関係のお店に行くと、クランプラーのカメラバッグがあった。日本でさがしてなかったのであきらめていた欲しい大きさのものがあったのだ。1万円を越えるのでこちらでは大きい。悩みに悩んで購入した。今の為替でいくと日本と同じ値段だし、自分へのクリスマスプレゼントということにした。思った以上に安かったので、この値段で大丈夫なのかと売り子に聞くと「まだストックがあるからこの値段だよ。でもなくなるとあげるだろうね」今のところは、どこの店も商品のストックを持っているようで値上がりはまだ始まっていないのだ。まだまだ多くのモノを輸入にたよるブラジルではドルの変動によって大きく左右される。今のドルの急激な値上がりからすると来年あたりから、50%以上はモノの値段が上がりそうである。それこそまたインフレが再燃するのではないだろうか。
 お世話になっている、Kさんに今後のことについて聞いてみた。「オイルショック時のときも同じように、ブラジルへの影響はゆっくりゆっくりだったよ。あれが契機になってインフレがはじまったよね。いくらブラジルが資源を持っているといっても、売れなきゃしょうがないよね。世界の産業がこれほど落ちこんでいるから、来年はじめ辺りからブラジルにも影響がどんどんでてくるんじゃないかね」
 実際、家や車は売れなくなっているようで、ブラジル・フォルクスワーゲンなどもドイツの本社に助けを求めたそうだ。逆に肉は輸出が減り国内に回されているのか値段が6%下がった。
 確かに将来について、僕なんぞが考えても仕方のないことであるが、定期収入がないこともあり、ついつい心配になって考えてしまう。その時に応じて対応できる強さや、楽天的に考ようとする点が、まだまだブラジル人の域まで達していないようである。
 


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