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     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
1・7 街の映像とペット社会 [画像を表示]

1・7 街の映像とペット社会 (2014/01/07)  テレビのニュースに、街路や店内に取り付けられているビデオカメラで映された映像が流されることが最近急に増えた。強盗、自動車事故・・・。去年の暮れには、管理する人間が歩いているグラマーな女性をずっと撮り続け、その映像が流出し問題になったこともあった。僕もどこかで撮られていると考えるとぞっとする。もう、誰もみていないから、いないから大丈夫なんて決して言えない。カメラがどこから覗いているかわからない。
 今日は、20歳前後の若い女性が、他人の家に自分の飼っている犬を捨てる映像がテレビノニュースデ流れた。その犬はマルチーズのような長毛の成犬で純血種だと思う。抱えた犬を1mほどの柵の中に入れると、まったく振り返りもせず、どこかに行ってしまった。恐らく飼えなくなったか、長旅にでるために、他人の家の庭に捨てたのだろう。道路に捨てずに庭に捨てたのは、後をついてくると思ったのか? できればお金持ちに可愛がって欲しいと思ったのか? 
 家で生まれた仔犬を人にあげるとき、身を切られるように辛かったが、この娘からは、そんな悲壮感は全く感じられなかった。ただぽいっと、置いたという感じだった。以前にも書いたが、カーニバルや年末年始の長期の休み前には、街を徘徊する純血種の犬が増えるらしい。犬は連れていけないし、犬用のホテルに預けるにはお金がかかるし、そうかと言って旅行には行きたいから、結局犬を捨ててしまう利己的な飼い主が増えたのだ。
「困るのよね~、道で1匹プードルを保護して飼っているわ」とずっとうちの犬たちを診てもらっている獣医が嘆いたものだ。おそらく、このようなことはサンパウロだけでなく東京やニューヨークなど世界中の都会で起きているだろう。犬にしてみたら、気が付いたら野良犬になっていたという感じだろう。
 僕の住むアパートのエレヴェーター内には、「ペットの飼い方」という紙が貼られている。
「鳴いたり、人に迷惑をかけたりした場合は罰金を支払わなければならない。1日以上1匹にはしないこと、散歩に連れて行くこと・・・」など事細かに注意事項がかかれている。それだけ犬猫が多く飼われ、クレームも多いのだろう。僕も飼っている犬たちが吠えないように細心の注意を払っている。
 10数年前にはこれだけたくさんペットを飼う人はいなかった。第一、ほとんどのアパートはペットを飼うことが禁止されていた。これだけ急激にペットが飼われるようになったということは、サンパウロも都市化が進み、疎外感や孤独を感じる人が増えてきた証拠であろう。そういう僕も犬や魚に癒されているひとりである。

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光モ柔らかな朝ノ散歩は気持ちがいい。大型犬は、ほとんどのアパートでは飼育が禁止されているはずであるが、秋田犬やセントバーナードなどの大型犬を飼う人もときおり見かける


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