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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2006年の日記  (最終更新日 : 2007/01/01)
8月の日記・総集編 熱帯TOKYO

8月の日記・総集編 熱帯TOKYO (2006/09/02) 8/1記 MY FAVORITE THING

ブラジルにて
昨日から子供たちそれぞれの新学期が始まる。
また未明から出家の日々の再開。
子供たちが再び学校の日々に適応できるかどうか。
バカ親なりに気にかかる。
お連れ合いの著書が国民的大ブレイクをしてしまった、藤原美子さんのエッセイを思い出す。
子供(夫もだったかな)が不機嫌な時、好きな食べ物を作ってあげて機嫌をよくする。
そんなに単純なものかと疑ったが、こちらも実践。
子供たちがしんどそうな時に好物を作る。
今晩は以前ご紹介したカルド・ヴェルデ、そして息子にはチキン・カツ。
カツは揚げるだけのもの。
成功。
食欲が落ちていると妻が心配していた息子もよく食べる。
料理は家庭の演出だ。


8/2記 生前上映

ブラジルにて
日本の若い友人から、こんなメールが届いた。
上映会はみんな岡村さんが死んでもやるつもりでいますよ。
9月に岡村の作品を関東で上映してくれるらしいのだが、場所・時間等の詳細は知らない。
うれしい話だが、とりあえず本人はそれまで死ぬ予定は入れていない。
死んでからの上映より、生前の方が楽しいだろうね。
実はNHKどこじゃないビッグな組織を向こうに回していまして、その方面の上映会も決行の運び。
僕に何かあったら、そっちの方を疑ってもらいたい。


8/3記 八月のお台場でブラジル

ブラジルにて
日本からブラジル関係の情報を発信する知人のサイトを見ていてビックリ。
思わぬところにオカムラの名前が。
ありがたい話。
http://www.venusfort.co.jp/brasil.html
残念ながらお台場にはカントク本人は間に合わないが…
ホントに写真みたいなねーちゃんたちが来るのかしら?


8/4記 モモ!

ブラジルにて
その本を読んでいなかった自分が恥ずかしくなるほどの本がある。
「モモ」(ミヒャエル・エンデ作 大島かおり訳 岩波少年文庫)を本日、読了。
古代遺跡の背後にグロテスクな高圧送電線が横切る冒頭の挿絵にまず引き付けられたが、これもエンデ自身の絵とは。
数日前、子供の本棚にダンゴムシの本はないかと探していて、モモちゃんに出会った。
昨年のクリスマス用に、娘へのプレゼントのひとつとして日本語版を買ってきたのだが、娘がひもといた形跡はなし。
時間泥棒たちと戦う、遺跡に暮らす身寄りのない少女。
痛烈だ。
日本のグーグルで検索してみて、ケッサクなエピソードを知る。
さる有名な女性タレントが愛読書として「モモ」を挙げていたそうだが、後に読んでもいないことがバレたとか。
ズバリこうした「文化人」のことが「モモ」のなかで描かれているのだ。
 「わたしはいまの話を、」とそのひとは言いました。「過去におこったことのように話しましたね。でもそれを将来おこることとしてお話ししてもよかったんですよ。わたしにとっては、どちらでもそう大きなちがいはありません。」
(「モモ」『作者のみじかいあとがき』より。)



8/5記 オコノミー

ブラジルにて
お好み焼き用に買っておいたヤマイモ(cara)の皮にカビが生え、発根も始まった。
冷凍庫のエビとイカを解凍、夜はお好み焼きということに。
ヤマイモを多目にしてみる。
するとなかなか焼いても固まらない感じ。
これはこれで奥が深い。
サンパウロはピザ屋に事欠かないが、ピザほどもたれないでいい。
娘もお好み焼きに軍配を上げている。
ブラジルチックなお好み焼きを編み出してみたいもの。


8/6記 モモ気分

ブラジルにて
 小さなモモに出来たこと、それはほかでもありません、あいての話を聞くことでした。
(「モモ」ミヒャエル・エンデ作、大島かおり訳 岩波少年文庫)

再訪日近し。
家族を家内の実家に車で連れて行き、その足であの森下妙子さんのホームを思い切って訪ねる。
日曜でも片道1時間はかかる。
いつもの部屋の名札が変わっていたのにうろたえるが、部屋が変わっただけとわかり、一安心。
日系のボーイスカウトたちの慰問の歌があるとのことで、一緒に待つこと30分。
なかなか感無量のものあり。
森下さんの部屋へ。
写真の飾ってある孫娘が、どの子の娘だかわからなくなったという。
それでも岡村のこと、そしてご一緒した訪日のことはよく覚えていてくださる。
親類のこと、信仰のことなどを話される。
僕は相づちの他、短い意見を言わせていただく。
「胸のつかえが取れた、悩みが解消した」と言っていただいた。
僕は情けないぐらい、ただ、短いひとときを付き添っただけ。
オイシイとこ取りで、申し訳なし。


8/7記 預言者と故郷

ブラジルにて
日本の山口の人より、今回の「アマゾンの読経」の上映は見合わせる、との連絡あり。
今年は「アマゾンの読経」の主人公、藤川辰雄(真弘)氏の没後20年、お命日は9月20日。
それにちなんだ改訂版も完成させた。
この件に関して僕の大きな心残りは藤川さんの故郷・山口でまだ上映が実現していないこと。
まあ、できることはさせていただいた。
いずれ機が熟する時もあるだろう。
「預言者は故郷に受け入れられない」、イエス・キリストの名言。


8/8記 窓から市街戦

ブラジルにて
昨朝、4時ごろ。
陋アパートの窓の外、至近距離から銃声とも花火ともつかない炸裂音が連続。
流れ弾にビビリながらも音源を探る。
アヴェニーダ(大通り)を隔てた眼下の銀行の駐車場が炎上中。
我が家が通報するまでもなく、パトカー、次いで消防車がやってきた。
この銀行では以前も奇怪な事故があった。
マクンバ(黒魔術)かな、ぐらいに思っていた。
昨夕のニュースで5月に引き続き、犯罪組織PCCが再びサンパウロ州各地の襲撃を開始したとの報。
今朝の新聞によると、州内の警察関連施設、銀行、ガソリンスタンドなど約100箇所が襲撃に遭ったとのこと。
組織のボスは刑務所内から携帯電話で襲撃の指示を出す。
This is Brasil with 's'.


8/9記 ビデオセラピー

ブラジルにて
訪日が近づいた時の行事のひとつが、これ。
それまで撮りためたホームビデオを日本の実家の母に持参するため、VHSにダビング。
その際の家族試写会。
とは言っても視聴率を支えているのは僕と妻で、お子さまたちはなかなか…
激しい兄弟げんかのシーンあり。
比較的、試写に付き合うおねーちゃんも気まずくなり、退場。
まあこんなのよく撮ったもんだ。
見る人が見ればけんか待ちをしていたわけでも、ヤラセたわけでもないことがわかる。
もちろん危険なシチュエーションになれば、「カメラを回しながら」でも止めに入るけど。
けんかシーンが延々と続くなか、リアルタイムの姉と弟はフトンに寝転がりながら、なかよくゲームボーイをしていた。
映像のプレビュー効果は母親がギャーギャー言って叱るよりはるかに勝る、こともある。


8/10記 お笑いIT時代

ブラジルにて
昼過ぎから、さる日系組織にて打ち合わせ。
その組織がホームページを立ち上げることとなり、不詳オカムラも「識者」実行委員みたいなことになったようだ。
今世紀になって初めてパソコンをいじり始めたような輩がこんなことになるとは、笑わせてくれる。
夜の会合で、日本からの若い研修生に僕の土地なし農民運動(MST)関係の作品のダビングを進呈。
彼女はヨーロッパでこの問題に関心を持ったという。
電気もない、電話もない、手紙も街まで出てこなければ受け取れない。
そんなところに体を張って通っていた日々があった。
弱者の武器になりうるパソコンからも阻害された人たちのことを、改めて心に留めよう。


8/11記 彼我の差

ブラジルにて
訪日を控えての準備、残務。
今回の日本での作戦は、常に増して多岐にわたるのでばかにならない。
書き物だけでとりあえず3本。
1本は1箇所のリライトで編集者からOKをゲット。
ポル語辞書片手にもう1本、ちょっとややこしいのを。
柄にもないネタだが、ブラジル発情報を日本で書くのも気が引けるので。
天をも恐れずインチキ・デタラメ書き放題、やり放題のブラジル日系コロニアのチョメー人がうらやましい。
「あそこまで自分を落とせない」とは昨日聞いた、さる先達の言葉。
同感。


8/12記 父子で串焼き

ブラジルにて
ブラジルは、明日が父の日。
犯罪組織の今回の襲撃事件も、父の日の服役者の恩赦一時出所をめぐってらしい。
息子の学校で父の日の催し、二人で行く。
昼前に終わる。
近くに串焼き屋があるのを思い出し、二人で行こうか、と誘う。
チーズなど冷菜から肉類までが串刺しにされ、お盆に並べられて順次廻ってくる。
シュラスコのロジジオのように食べ放題・均一料金ではなく、ひと串いくらと取られるのが盲点。
勘定を頼むと、バカにならない額。
日本のファミレスで息子に好きなものを好きなだけ食べさせても、ここまで行かないだろうな。
ま、いいか。
最近、サンパウロでの友人・知人との会食はミナス料理屋が多い。
ロジジオは当たり前だけど、ミナス料理もイマイチ、その串焼き屋で!という方はその旨おっしゃってくださいね。
と値段のことも書いておけば、さすがにひとり10本以上は食べないだろう、とクシを刺す。


8/13記 ないものねだり

ブラジルにて
当国は父の日。
とりあえず周囲は犯罪に巻き込まれなくて済んだようだ。
夜は再び父が台所に立つ。
先日、日本食材店で買った中国系メーカーの揚げ豆腐、日にちが経ってきたので調理する。
中は鍾乳洞のように空洞だった。
昆布やニンジンの入ったガンモドキが食べたくなってくる。
さすがにガンモはブラジルで見たことがない。
醤油、味噌、豆腐あたりはブラジルにいくつものメーカーがあり、納豆、コンニャクもブラジル製がある。
足りないのは、ガンモの他、ハンペン、チクワブ…
オデン系が浮かぶぞ。
ナルト、さつま揚げ、チクワはこちら製があるんだが。
日中の外の気温は31度という暖冬。
本来ならオデンの恋しい季節。


8/14記 仕切り直し

ブラジルにて
イギリスの航空機テロ未遂事件の余波。
アメリカ合衆国経由の飛行機も液体の機内持ち込みが禁止されたとのこと。
今回の訪日土産用に地ピンガを少し仕入れてあったが、断念せざるを得ない。
頼まれた液体プロポリスはどうするか。
多少、反米ぶりっ子したところでイギリスやアメリカを経由する人間は、今回のテロリストたちにとっては殺害されても仕方のない存在であることを再認識。
テロリストの潜むとされている国の民衆が、米英の軍隊に殺害されているのと同様に。


8/15記 トラブル慣れ

ブラジルにて
サンパウロ市民の足・メトロが24時間ストに突入。
さあ子供たちをどうするか。
以前、通常よりちょっと早い時間で出たら、いつもは30分程度のところ、2時間はかかった。
歩いた方が早いほどの交通パニック。
今日は1時間早く、未明の登校だ。
すでに車は少なくない。
ちょいと早過ぎ。
7時過ぎには上りはギッシリ。
それでもこれまでほどの混乱はない感じ。
市民は犯罪都市と州警察の抗争を体験して、自主戒厳令を敷く知恵を身につけている。
メトロのストなら、少なくとも市バスに火を放たれたり流れ弾が飛んできたりすることはない。
平和である。


8/16記 お気に入り追加

ブラジルにて
外回りの残務をいくつか。
連載用のネタの取材も行なう。
まさしくセントロにあるポルトガル語博物館。
想像とのズレが楽しいなかなかのスポットである。
チョロリと通り抜けても、じっくりと腰を落ち着けても楽しめる。
とても一回、軽くでは消化しきれない。
とりあえず「お気に入り」に追加、というところだ。
さあどう料理にて書こうか。


8/17記 映像指導

ブラジルにて
日本の知人からのメールによると、当地「父の日」関連犯罪として、TVグローボのリポーターが誘拐された事件が日本でも報道されたとのこと。
ブラジル最大のテレビ局・グローボの若いリポーターが犯罪組織PCCに誘拐された。
PCCは自分たちのメッセージを収録したDVDをテレビで放送しなければリポーターを殺害する、と脅迫。
グローボは深夜ワクでPCCのDVDを放送して、リポーターは無事解放された、という事件。
このDVDの一部をニュース番組で見た。
ちなみにYOU TUBEでも見ることができる。
ドシロートが試し撮りしたような映像。
メッセンジャーはマスクをかぶって話しているから、音声は推して知るべし。
以前、別枠の連載で紹介したが、サンパウロの刑務所では服役者の「授産」講座としてプロによる映像制作指導も行なわれていた。
残念ながら、この撮影者はこの講座を受けていなかったようだ。
間近となった訪日で、もっとも楽しみかつ懸念しているのが、さる地方都市で行なうプロジェクト。
外国人労働者の子供たち、高校生たちの撮ったビデオを観てアドバイスをする、という試み。
ちなみに行政はこういう意欲的なプロジェクトにカネを出さないそうで、当方はボランティア参加である。
自分に何ができるだろうか。
自分には理解できない彼ら、彼女たちの特性の芽を摘む恐れはないだろうか。
こちらにとってのいい修行ができそうだ。


8/18記 日常から

ブラジルにて
子どもたちの送り迎え。
食事の準備。
これもまたしばらく中止。
と思うと、日常のルーティン・ワークがいとおしい。
一期一会、日常のひとつひとつをお大切に、心を込めなければ、と思いつつ。


8/19記 赤道の彼方で

ブラジルにて
「赤道の向こうなら何でもアリ」。
大航海時代のヨーロッパでは、こんなことが言われていたそうな。
日中は賓客と郊外の秘蔵レストランでゆっくり会食。
夜は気になるイベントあり。
めんどくさくなったが、思い切って出る。
路線バスの番号を調べて乗ったのだが、道のアクシデントもあり、逆方向に向かうバスだと気づく。
すでにタイムアウト、行かないで家族といろ、というメッセージと受け止め、歩いて帰宅。
しぶしぶ行こうとしたのはこちらの国際交流基金の主催する「日本のドキュメンタリー展望」上映。
で、どんな日本のドキュメンタリーが「おかみ」に選ばれてると思います?
もちろん岡村作品など出る幕じゃない。
さすがは赤道の彼方、想像を絶する作品が上映される。
例えば小津安二郎「秋刀魚の味」。
例えば溝口健二「滝の白糸」。
なんだ、ドキュメンタリーじゃねえじゃねえか!
そんなのは日本の役人に言ってくれ。
内部の特殊な事情らしいのだが、「日本のドキュメンタリー展望」の御名のもと、日本国民の血税を用いてブラジルではこうした国際交流事業がまかり通っているということ。
さあ、自分のドキュメンタリー制作と上映、家族のことで精一杯だ。
こんなのと一緒にされないようにしよう。


8/20記 KOJO拾遺

ブラジルにて
今回、日本各地で岡村作品の上映会を実施してもらうが、上映される作品数はトータルで10本以上とバラエティーたっぷり。
残念ながら最新作「KOJO ある考古学者の死と生」は上映のお声がかからなかった。
機が熟するのを待つとしますかな。
今回の訪日後、さっそく動くのがこの「KOJO」の件。
数日前にいただいたこの作品についての興味深いコメントを、ご本人の承諾をいただいて新たにアーカイブにアップさせていただいた。
http://www.100nen.com.br/ja/okajun/000051/20060722002063.cfm


8/21記 帰郷の季節

ブラジル→
8月の…
祖霊も帰れば、移民も帰る。
日本とブラジルを結ぶ唯一の直行便となったJAL便は、見事満席。
空港には見送りの人等、知った顔がチラホラ。
幼児も含めると、5人も同じ便だった。
空港で出会った人との会話。
「日本はどちらへ?」
「九州から東北まで、あちこちをドサ周りです」
「へえ。祭りでも訪ねて回るんですか?」
「いえ、祭りを起こして回るんです」
さあ、日本のお仲間の皆さん、一緒に楽しい祭りを起こしましょうね。


8/22記 秀作2本

→アメリカ合衆国→
JAL国際線はエコノミー席でもモニターの個人視聴ができるようになっている。
SQ(シンガポール航空)のように100本近い映画から好きなものを好きな時に視聴できるシステムには劣る、中央制御された方式だが。
10本程度の映画があるが、なにせ25時間近いフライト。
めぼしいものを最初に見てしまう。
映画を一度、見始めてしまうと、なかなか読書に戻れない。
ふだんならまず進んで見ないような映画にもチャレンジ。
日本公開より先行して機内上映された佳作2本と出会う。
まず「キンキーブーツ」。
イギリス北部の靴工場の経営を亡父から受け継いだ息子と、女装願望のアフリカ系男性の交流を描く。
もうひとつ、「TAKE the LEAD」。
ニューヨークの公立高校の落ちこぼれ達と、彼らにダンスを教えようとする男の交流。
いずれもいい拾い物だった。
人間は、信じ合えるという大切な希望を伝えてくれた。
どちらも実話に基づいたドラマとのこと。


8/23記 熱帯TOKYO

→日本
飛行機を降りた時の、ムーン!のキョーレツなこと。
アマゾンどこじゃない。
とんでもないとこに、とんでもない季節に来てしまった。
この緑の勢い。
もしも東京が8月ばかりだったら。
もしも東京に冬がなかったら。
熱帯林化する東京。
冬が越せないという理由で根付いていない外来の熱帯魚、ムシキングどももはびこるだろうね。
未接触部族も登場するかもよ。
ウルトラQ主義者をそそってやまない、熱帯TOKYO。
マラリア注意!


8/24記 古城企画

日本にて
世田谷で故・古城泰さん縁の人が何人か集う。
死者を契機に、生者が新たに出会い、旧交を温めるというのは悪くない。
日本は旧盆。
Muito 盆。
ブラジルくんだりから遠隔操作をした甲斐はあったと見る。
世田谷は僕の発掘ライフの原点。
原点を再び発掘。


8/25記 家族の団らん

日本にて
明日の結婚式を控えて、目黒の実家に帰ってきた日本の姪と家族を終日撮影。
彼女の独身最後の晩餐、家族との団らんは撮りながらもなかなかであったと感じる。
非日常としての日常。
日常としての非日常。
不肖の叔父、J.岡村編の彼女の結婚ビデオはこのシーンで終わってもいいぐらい。
ま、撮影はそういうわけにもいかないだろうな。
いざ。


8/26記 帝国の片隅で

日本にて
日本の姪は、小さい時から二つの夢を話していたという。
かんごふさんに、なる。
ディズニーで働くか、結婚式を挙げる。
二つ目は後者をかなえた。
不肖の叔父はディズニー帝国なぞに踏み込むのは初めて。
スタッフの訓練はなかなかのセン。
披露宴のビデオ撮りもセットになっているのだが、これは新郎新婦の人となりを知らなければ知る気もない業者が撮るもの。
撮られる新郎新婦もどんな撮影がなされるのか、まるで知らない。
親族としてその隙間を埋める撮影に挑む。
帝国側は進行、段取り等もちろんすべてのイニシアティヴを握っている。
兵力は、据えっ放しの1台の他、三脚付のDVカムのメインカメラ、そしてミニDVのハンディカメラ。
こちら側への禁じ手は多し。
帝国側は日常の仕事だから、当然つぼは押さえまくっている。
そこにけっこう盲点がある。
身内が、手作りで、心を込める。
今回、新婦のウエディングドレスやブーケは、花嫁の母親が手作りでこさえた。
新婦の父親の話には、帝国側アスタッフが鼻をすすっていた。
金出して業者に任せりゃいいってもんじゃない。
それにしても…
わが娘にはディズニーよか、トトロの森か、木の葉隠れ里あたりで式を挙げてもらいたいもの。


8/27記 鹿屋決戦

日本にて
空路、鹿児島に行くのは初めて。
あの「郷愁は夢のなかで」の鹿児島空港。
バスの運転手さんと二人きりで鹿屋へ。
ブラジルの研修から帰った鹿児島出身の若い女性たちが、自発的にブラジル展を開く。
僕は、友情上映。
イベントのシロートが、しかもまるで初めてでよくもここまで、というボリュームである。
さまざまな、そして思わぬブラジルグッズが手に取れるというのがいい。
企画の流れや意図、岡村の上映とトークの位置づけなど打ち合わせをしたいところだったが、彼女たちは準備や接待でまさしく大童。
あくまでも拙作上映はサブである。
大体の感じをつかんで、事前の想定から軌道修正してトークと上映に挑む。
いわば全体のストーリーを知らずに、監督との打ち合わせなしで脇役として本番に臨んだようなもの。
自分のエンターティナー性が試される。
ま、こんなとこかな、という出来。
それにしても、君たち、よくやったよ。
僕も楽しかったし、勉強になった。
君たちの志と努力は、尊い。
誰がなんと言おうと、君たちに メウス パラベンス!!


8/28記 移住地みたい

日本にて
「パラグアイの移住地みたい」。
鹿児島ブラジル語学農業研修生OGふたりと県内の国立ハンセン病療養施設を訪れる。
彼女たちと僕が同じ印象を持つとは。
そもそもパラグアイの日本人移住地と、この施設の両方を見た人はあまりいないだろう。
この最初の突拍子もない印象が、まんざらでもないことが後にわかったような気がした。
「赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み」をここで上映。
意外な反応に、記録映像作家として学ぶことにしよう。


8/29記 熱都

日本にて
クソ暑い東京から九州の南まで飛んだので、さらに暑いことと覚悟していた。
緑あふれる鹿児島は、意外とさわやか、東京よりしのぎやすかった。
空気に第一次産業が香った。
「今はもう涼しいくらい」と地元の人。
東京に戻ると相変わらずクソのつく暑さ。
電車では座席に荷物を置いて、社内が混み合ってきてもどけようともしない若い連中が何人もいるのにあきれる。
暑さ倍増。
納涼サービス、ブラジルからの涼しげなリポートをご紹介しよう。
http://www.univer.net/1_nanbei/0608.html


8/30記 八月の観音

日本にて
友人とともに、ジェット船で伊豆大島へ。
佐々木美智子さんと再会。
佐々木さんは新たに民宿「アマゾン亭」を始められた。
一緒に富士見観音を訪ねる。
夏の観音は、また強烈だ。
9月20日、観音を建立した藤川真弘師のアマゾンでの没後20周年を迎える。
この観音堂で拙作「アマゾンの読経」改訂版の奉納上映をしようと打ち合わせ。
夜はアマゾン亭で「ギアナ高地の伝言」を上映。
参加された皆さんの真摯さがよく伝わってきた。
9月20日、参加大歓迎です。
岡村は前日に再び入島の予定。
温泉と上映!


8/31記 戦力温存

日本にて
昼前のジェット船で伊豆大島・元町港を発つ。
竹芝港到着後、所用を済ませ、目星をつけておいたインターネットカフェへ。
明日は仙台。
経費節約のため、今晩の夜行バスを考えていた。
訪日早々、さる人から「夜行バスばかりじゃ体が持たないだろう。これで新幹線を使ってくれ。」とカンパをちょうだいした。
訪日の初戦から疲労が重なっているため、ご好意をありがたく受け、明日朝イチの「はやて」で行くことにする。
まだまだこれからだ。


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