5月の日記・総集編 縄文ストーカー (2009/06/02)
5/1(土)記 パンデミ列島とメキシコのゾンビ
日本にて 明日から連休に入ってしまう。 今日中に、郵便局に4往復。 知人友人・親類にダンボール詰めの書籍類を発送。 まだまだ・・・
途中、駅前の薬局に立ち寄る。 ブラジルから頼まれたものの購入のため。 豚インフルエンザ対策のマスクを求める人で混み合うが、すでに在庫はない。 確実な入庫の予定も立っていない、と店員が繰り返す。 集まる女性客らに、店員は声を張り上げ、にわか対策レクチャーを行なう。 家にいてテレビのニュースやワイドショーをつけっぱなしにすれば、嫌でも危機感があおられてしまうことだろう。
テレビニュースの、メキシコでの死者数は昨日まで確か100人以上だったはず。 しかし、今日は10人台に激減している。 そのあたりがテレビニュースのハシゴ見では、わからない。 まさか死者が蘇生したとか?
夕方より所用で町へ。 都合、5路線の地下鉄に乗る。 マスク使用率は5パーセントぐらいか。 目先の仕事・ないし明日からの連休に心を奪われるサラリーマンやOLには豚(トン)フレどころじゃない感じ。
帰りの日比谷線では、オヤジがしきりにくしゃみを繰り返す。 ツラを見てやりたかったが、混み合っていて果たせず。 サリンを撒かれた日比谷線だけに、イヤハヤ。
5/2(土)記 小三治と大惨事
日本にて 朝から夜まで、日本でのルーティン・ワーク。 夜21:15からの下高井戸シネマのドキュメンタリー特集最終回「小三治」上映に。 ここに来ると29日の大惨事上映会を思い出すので、つらいところだが、逃げるわけにはいかない。 主催の飯田さんとの善処の打ち合わせ。 補助席、座布団も満員御礼。
上映後、伊勢真一さんが声をかけてくれる。 作品もお人柄もすばらしい方だ。 「小三治」のなかで、小三治師匠が芸の技術などは知れたもので、結局は「人」につきる、というようなことをおっしゃる。 伊勢門下の皆さん、伊勢師匠をぜひ撮っておいてください。
5/3(日)記 東京と縄文
日本にて 連休の東京を歩く。 初夏の日和。 サンパウロのクリスマスから新年の休み時期のような、ゆったりさ。 東京を愛でるには絶好の時期。
夜。 実家に戻る途中、地下水流の音が聞こえる。 縄文の原風景を、かいまみた。
5/4(月)記 小岩のドン・キホーテ
日本にて 会場で、伊勢真一さんのエッセイ集「カントクのつぶやき」(伊勢真一著 いせブックス発行)を見つけて購入。 そのなかで伊勢さんは「優れたドキュメンタリー映画を観る会」の飯田光代さんを「ドキュメンタリー界のジャンヌダルク」、「メイシネマ祭」の藤崎和喜さんを「小岩のドン・キホーテ」と賞賛していらっしゃる。
今日はその「小岩のドン」のメイシネマ祭の二日目。 拙作「あもれいら」②を上映していただく。 午前11時から4作品、この機会でなければ見がたいレアものばかり。 何人かのシンパも駆けつけてくれて、ありがたい限り。 終映後の居酒屋「ひょうたん島」反省会がまた楽しい。
昨年は拙作の次の作品の途中で北海道に鉄路で向かうため、「島」にうかがえず。 一昨年は夜行バスで山形に向かうため、反省途中で失礼してしまった。
今年は終日、ドンと共に、どんと行こう。 思わぬ再会・出会いが新たな出会い・再会の呼び水となる。 ドンに感謝。
5/5(火)記 出会いの網
日本にて 先回の訪日の時の思わぬ再会からお声をかけていただき、今日の夜の集いとなった。 参加された方々と、口を開くごとに共通の知人が出てくるといったあんばい。 妙としか言いようがない。 そういえば、今宵のホステスは、妙子さん。
5/6(水)記 残存縄文
日本にて 夜。 目黒駅からネカフェ経由で実家に向かう。 目黒川を渡り、大鳥神社の先からは谷戸前川水系。 僕にとって、もっとも縄文を感じる時空。
ルートの組み合わせは、いくらでもある。 今宵は舌状台地を目指してみる 胸をつく坂を上る。 覚えのない小道を左折。
なにかに、つまづく。 運動靴? ブラジルじゃあるまいし、東京の舗装道路に? 振り返ってみると、そのオブジェはガマガエルだった。
いわゆる新石器時代レベルの文化では、汎世界的に両生類のモチーフが現れている。 中国大陸が有名。 アマゾニアでムィラキタンと呼ばれる先住民の護符も、ずばりカエルだ。 最近になってから、西アマゾンの先住民に伝わるカエルの毒素のはかりしれない薬用効果が、一部で知られるようになってきた。 日本の縄文文化も、蛇ばかりではなく、両生類も考えてみたい。
「残存縄文」。 こんな素敵な言葉を、千葉大で地理学を教えていた神尾明正先生が伝えている。 神尾先生のことを教えてくれたのは、古城さんだった。
僕の学生時代、神尾先生が早稲田にも教えに来ていた。 文学部ではない。 思えば文学部以外には、目を見張るほどのすばらしい先生が教鞭をとっていた。 例えば民俗学の宮田登先生、坪井洋文先生・・・ 肝心な文学部がつまらな過ぎた。
その残存縄文を唱えた神尾先生から、署名入りの論文抜き刷りをいただいていた。 そんなことを実家の整理をしていて、発見。 神尾先生。 残存縄文、こだわります。
縄文時代にカエル。 なんちゃって。
5/7(木)記 あめーる あめれいら
日本にて いやはや梅雨にはだいぶ早いが、連日よく降ってくれる。 連休も明けたが、段ボールに詰めた荷物の搬出・発送に差し障る。
下高井戸での「あもれいら」②上映の際。 雨にちなんで「粘菌やナメクジの観察に格好」だの、それを枕に佐藤眞監督の「まどろみのロンドン」にまで持っていってみたが、いやはや。
洗濯にも差し障るでないか。 雨を愛で、楽しむ余裕が欲しいで。
5/8(金)記 アルゼンチンソババア
日本にて 六本木でも、鎌倉でも栗の花が香った。 夕方、逗子へ。 畏友の仕切るイベントに招かれて。
小腹がすく。 経済的には、せいぜい駅前の松屋ぐらいの分際。 しかし会場前の越前おろし蕎麦屋に思い切って入ってみる。 というのも、ブラジルで出会った友が茨城・水戸で蕎麦屋を始めたという快ニュースに触れたため。 http://r.tabelog.com/ibaraki/A0801/A080101/8002373/
本来なら、すぐにでもお祝いと味見に駆けつけたいところ。 しかし実家の大事とやむにやまれぬ用事が重なり、動きがとれず。 せめて少しでも蕎麦界の知見を高めておきたい。
付け汁に大根おろしをたっぷりと入れるおろし蕎麦は、実家でもブラジルでも応用できそうだ。 ちなみに水戸の彼氏の店では、アルゼンチンワインもウリとのこと。 手打ち蕎麦とアルゼンチンワインのコラボというのは、あんましなさそうだ。 次回は、ぜひ。
5/9(土)記 蒲焼派の街で
日本にて 「岡村さん、アビコって大阪のですか、関東ですか?」 関西上映で、こんな問いをいただいた。 アビコが千葉以外にもあるのを知らなかった。
千葉の我孫子で「KOJO ある考古学者の死と生」を上映していただく。 なかなか不思議な経緯の上映。 そして、常にも増して尋常ではない出会いの数々があった。
アマゾンに縁のある地元の長老が我孫子と白樺派の関係について解説をする。 「え、カバヤキ?」 この多様性が楽しい。
「ブラジル最後の勝ち組老人」をブラジルのセレブな移民のじいちゃんの話だと思って来た人もいたなあ。
この寄り合いを実現させ、盛り上げてくれた仲間たちがいることに、感謝。
深夜の帰路。 目黒駅のネットカフェで急ぎのメールに返信。 それからの足取りが異常に重くなった。 10年前の今頃の古城泰学兄を、いたむ。
5/10(日)記 忘備録・チラシから
日本にて 昨日、我孫子の上映会にて入手。 昨年のPARC講を受講していただいた小林さんが持参したチラシ。 ペシャワール会現地報告会の案内。 一緒に故・土本典昭監督の書かれたもののコピーが閉じこんであった。
(前略)わたしができることは、撮って、見て、感じたことをきちんと残しておくことです。目撃者の頭にある記憶を言葉にして語ること自体に一種の記録性があるでしょう。そう考え、ナレーションは第三者のナレーターに頼まず、自分で入れました。(後略) 『歴史を反芻し未来を切り拓くために』「思想運動」2003年6月15日
冒頭に「映画はまとめておかないと屑になる。」とあった。
今年になって過去の撮影素材をふたつ、まとめてみた。 もう少し、まとめておこうかな、という気も。 「橋本梧郎」と「あもれいら」③がますます遅れちゃうけど。
5/11(月)記 はしご
日本にて 今日は病院のお見舞いのはしご。 担当医との打ち合わせ。
実家の諸々も大詰めを迎える。
離日までにあと上映会が二つある。 今度の土曜日、16日は静岡で(日中)。 「あもれいら」②、「フマニタス」、「ササキ農学校」を上映予定。 今後の上映作戦の検討のための上映会で、プライベート上映の形をとることに。 ぜひ参加を、という方は岡村にメールでご一報くださるか、ミクシイの「岡村講」の告知をご参照ください。
5/12(火)記 「あの時代に恋した私の記録」
日本にて 現在、都心の病院に検査入院中の佐々木美智子さんから出来立ての写真集が届いた。 「あの時代に恋した私の記録 日大全共闘」。 拙作「アマゾンの読経」では触れられていない佐々木さんの熱い思いとこだわりがほとばしっている。 記録したことへの執念は、一昨日に紹介した記録映画監督の土本典昭さんに通じている。 先達たちの仕事から、オレも不器用で行こう、という勇気をちょうだいする。
ところどころに写っている女性たちを美しいと感じるのはなぜだろう。
限定500部とのこと。 大仕事を実現され、経済的にかなり規模しい状況とお見受けした。
★写真集のご注文の際には、以下のアドレスにメールかFAXでお願いします。 定価7000円(税込み) 鹿砦社 注文用アドレス FAX 03-6231-5566 メール nakagawa@rokusaisha.com
5/13(水)記 黒澤で。
日本にて 在外の先達が、遠隔操作をして日本の友人・知人と岡村を引き合わせる寄り合いをセッティングしてくれた。 お名前を存じ上げていた方と、何がきっかけだったか、黒澤作品の語りが始まってしまった。
「姿三四郎」からこなされるとは、脱帽の一言。 「酔いどれ天使」以降の三船の語りになると、これはもう天孫降臨の域。
さあブラジル帰ったら、きちんと黒澤作品を見直そう。
5/14(木)記 縄文ストーカー
日本にて 本日付読売新聞都内版「枝川公一の東京ストーリー」で、愚生の活動を紹介していただいた。 岡村の取り留めのないヨタ話を聞き上手の枝川さんがどのように料理されるか、興味津々だった。 息を呑むほど、こぎみよくまとめられている。 他の枝川さんの作品をむらむらと読みたくなってきた。
ちなみに、アモレイラまでサンパウロから車で72時間かかる、というのはさすがに一桁多かった。
5/15(金)記 実家三昧
日本にて 昨日から、ひたすら実家のことに専念。 ようやく未明にネットカフェに行く時間を作る。 こういう時に限って、急ぎの返信を要求する連絡がいくつも。
どうにも、こうにも・・・ 離日の便を遅らせる算段で。 明日は静岡で上映とは、実感がわかない。 こっちの準備も、怠りなきようにせんと。
5/16(土)記 気分は緑茶ハイ
日本にて 静岡岡村作品上映の母とよばれる石田さんの肝いりウルトラ上映会。 主催者が参加者を指名するという試み。 さすが茶どころ、濃ーいメンバーが集った。 ひとえに石田さんの人脈の濃さのおかげ。 こいわじゃなくても、こいわ!
飲み会に集った9人のうち、3人がブラジルはパラナ州生まれの女性! パラナ姦。 これも尋常ではない。
緑茶ハイ、アイスで始めたが、ホットも悪くない。 いろいろなお茶を試したいもの。
5/17(日)記 クハ1111-2049
日本にて 訳あって、房総半島の奥へ。 植林、雑木林、竹林、水田、点在する民家。 空港建設前の三里塚も、かくや。 無人駅だったらカードの場合、どうしたらいいのか心配になる。
ウシガエルの3D音声に送られて。 帰りの上り列車がすごかった。 4人がけシートで、全車両ほとんど無人。 贅沢度は昨日の新幹線より、二ケタ上。 カンパネルラに遭えそうな夜。
5/18(月)記 中年大童
日本にて 実家の片付けも、いよいよピーク。 古箪笥の引き出しの敷き物に、不肖の移民息子の生まれる前の新聞紙を発見。 映画が青少年の非行に与える影響の調査、なんて記事が。 ちょっと面白く、ご紹介したいところだが…さすがに大童状態で。
5/19(火)記 縄文から武蔵野へ
日本にて 3月にお約束していたプライベート上映会へ。 井の頭線で、杉並区に。 お伺いしていたご住所の下一桁が違い、お電話番号もひとつ違っていた。 杉並をさまよい、上映予定は「さまよう人とともに」。
それでも一度お邪魔させていただいていたお宅なので、なんとかたどり着く。 岡村お任せの併映作品への反応が面白かった。
帰りは、病院周りの都合からJRの駅を目指す。 ところどころに武蔵野の残存が。 目指した駅前には、「トトロ屋敷」どころか「オドロオドロ屋敷」も。
5/20(水)記 嗚呼温泉
日本にて さあ今日から実家のことに専念。 慣れない力仕事が続き、節々が痛む。
通常より長い訪日となったが、温泉入湯は福岡の日王の湯のみにとどまった。
もはや半日も寝込めない。
5/21(木)記 ナカメにナミのネカフェを
日本にて 起業家の皆さん、中目黒にネットカフェがオススメですぞ。
本来は今日、離日の予定。 実家の事情を考慮して、延期。
昨年から日本でも携帯電話を使うことになった。 メール機能はない。 そのため、一刻の猶予もない実家三昧の昨今も、一日に一度は最寄りのネットカフェでメールのチェックをするよう努めている。
今日は別の用事に抱き合わせて、中目黒の漫画喫茶へ。 ここは、出来れば避けたい。
そもそも、料金が相場より高い。 24時間営業ではない。 分煙がされていない。 ブース内への新聞・雑誌・漫画の持ち込み禁止。 店員の私語がうるさい。
今日は木曜だから枝川公一さんの「東京ストーリー」を読売で読めると思いきや、一般紙は毎日しか置いていない。
しかもパソコン作業をしていると、1分もたたないうちに「プリンターへの接続に失敗しました」の表示が現われ、作業をやり直さずをえず。 再起動しても同じ調子。 仕事にならないので、店員にクレーム。 「8番はいつもそうなんですよ。替えますか?」
こんな店でも、昼間から漫画を読みふけったり、寝そくるサラリーマン風の若いのが来ている。 特急がとまり、日比谷線の起点でもある中目黒、ネットカフェ進出の穴場ですぞ。 既存店は敵にあらず。
5/22(金)記 その道
日本にて 東京の実家の撤去作業も、大詰め。 猶予はない。 今朝は平日の最後。 4時前から、まず郵便関係を一気に。
それから片付け。 近くに荷物保管用に借りたアパートへの搬入。 小さなものは、台車でごろごろと運ぶ。 もう、どれぐらい往復しただろうか。
大物の運びで、プロが来る。 荷物のカバー、搬入路へのシート敷きなど、見事なノウハウ。 一見、不可能そうなことにもチャレンジして成功させてくれる。
ブラジルで若干、引越し作業を見たことがあるが、こうも違うものか。 祖国で培ってきたものの凄さを垣間見る。
5/23(土)記 廃墟のいたみ
日本にて これまで縄文人の廃墟を発掘したり、ブラジル移民の廃墟を撮影したりして悦に入っていた。
人生を共にしてきた日本の実家から今日、家族たちが去るのを見届け。 取り壊し前の最期をよりによって不肖の移民息子が一夜過ごすことになった。
ビデオをまわしてみるが、廃墟はいたく悲しい。 「KOJO」以上、まさしく究極のプライベートビデオ。
5/24(日)記 出国
日本→ 出国の朝も、独りめまぐるしく。 怒涛の半年であった。
最後のばたばたで、予約してあった成田行きリムジンバスを逃す。 朝食3600yenという高級ホテルで、へたりながら次の便まで1時間待機。 もちろん、朝食はメニューの値段を確かめただけ。
このギャップが、心地よくさえあり。
5/25(月)記 「桶川ストーカー殺人事件 遺言」
→ブラジル JALの機内映画は、けっこう楽しみ。 封切り中の話題作から、先行上映作品まである。
ところが今回の座席は、設備に不具合が。 そもそも疲れきっているため、寝てしまうことに。
客室乗務員が何度かリセットを試み、ニューヨーク到着前には正常に戻っている。 トランジット後は、クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」だけは外さないことに。
イーストウッドにふたたび泣かされ、感銘を新たに。
場つなぎに「20世紀少年」シリーズを見るが、サンパウロ着陸1時間前弱ぐらいで映像の配信を打ち切られてしまう。
離日直前に友人の送ってくれた「桶川ストーカー殺人事件 遺言」(清水潔著、新潮文庫)をひもといてみる。
ぐいぐい引き込まれていき、着陸時も、入国審査待ちの間も、自宅へのタクシーの中でも読み耽る。
友人知人にはぜひ勧めたい、読まれるべき作品。
僕なんぞ、ストーカーの称号にはとても値しない。
5/26(火)記 日智から
ブラジルにて ブラジルで静養。 ということで、ネット作業ぐらいは、と考えていたが、例によって、いやそれ以上に重く遅い、なんてもんじゃないぐらい。 以前、知人が教えてくれた回線速度計測サイトを使ってみる。 料金はブロードバンドながら、細流どころか、水滴である。
この機会にチリ岡村作品上映会の際に、日智商工会議所のサイト掲載のために実施していただいた岡村インタビューをご紹介させていただこう。 http://www.camarachilejapon.cl/html_japan/B-5.okamura-san.html 聞き手は、今回のチリ上映の仕掛け人、元・共同通信記者のつわもの・国司さん。
5/27(水)記 101+3K
ブラジルにて 相変わらずこちらから営業活動はしていないのに、上映希望をいただき、ありがたい限り。 特に地元ブラジルからのはうれしい。
昨年はブラジル移民100周年のどさくさにまぎれての上映を日本各地でさせていただいた。 こちらが移民100年なんてカンケーないっす、とうそぶいても上映の宣伝資料を見るとそれが銘打ってあることがしばしば。
百鬼夜行周年が明ければ、見事に閑古鳥が鳴くかと思いきや…
日本の実家の大事により、3Kかつ無償の仕事のため訪日しながら、各地で楽しい上映の寄り合いを実現していただき、あなかしこ、あなかしこである。
9月ぐらいまでの日程を調整しつつ、さあそろそろ次回作の編集作業に着手しないと。 おっと、原稿もいくつかあったぞ。
5/28(木)記 断線都市
ブラジルにて 急ぎらしい校正を朝、気合いを入れて着手しようとしたところで… めちゃめちゃに遅く重くなっているネットが断線。 今回は、通常の断線のように短時間で復帰しない。
電話会社に確認するのがひと仕事で、さらに不愉快な思いをさせられるのだが… 昼過ぎでも復帰せず、覚悟を決めて電話。 態度のよくない技術者で、再起動からコントロールパネルの設定変更までさせてPCがフリーズ状態になると「後で電話をかけ直せ」ときた。
ふたたび電話をすると、オペレーターが72時間以内に技術者を訪問させるという。 72時間か。 校正もあるので、東洋人街の日本語対応のランハウスでも行かにゃならんか。
いろいろな人から電話、ネットトラブルの苦情が耳に入る。
5/29(金)記 Cy Twomblyの奇跡ないし軌跡
ブラジルにて まだ時差ぼけの関係で深夜に覚醒する。 早朝の運転もあるので、無理に休むことに。
ナイトキャップ代わりに、日本の地図帳を眺める。 離日前にお伺いした房総半島の付け根あたりを眺める。 ついでにJALの機内誌も開いてみると…
サイ・トゥオンブリーのギャラリーについてのエッセイが!! このアーチストの名前を教えてもらったのは、ずばり房総の付け根にお住まいのアーチストからだったのだ。
次回作をどうするか懸念中に、すっと押してくれたのがサイ・トゥオンブリーの作品群の存在だった。 今また、ダメオシで押してもらったってことか。
興奮してますます眠れなくなるで。
5/30(土)記 大衆シュラスカリアで。
ブラジルにて ブラジル移住の先輩になる人が、日本から訪ねてきた。 つまり彼は、事情により家族で日本に引き上げてしまった。
近所の大衆料金のシュラスカリア(ブラジリアン焼肉屋)で会食。 お嬢さんが結婚したという。 彼女の歩み、そして結婚相手と彼氏の家族の話は、まさしくグローバリゼーション最前線そのもの。
父親のブラジリアンドリームがグローバルに接ぎ木されていく。 おいしく肉とカイピリーニャ(ブラジルの国民的カクテル)をいただいた。 お祝いにコンタ(勘定)は持たせていただく。
5/31(日)記 ふじみ野から見る富士
ブラジルにて 離日間際、仙台の友から電話が。 かつて仙台の拙作上映会に来てくれた人が、埼玉のふじみ野というところでケーブルTVを始めたとのこと。 その人が岡村作品上映に興味を持っているので、連絡先を教えてもよろしいか、というのが用件。 ありがたい話。
して、埼玉のふじみ野? 東上線沿線に富士見市というのがあり、僕の親戚がいるが、それの間違いじゃあ?。
まもなく、その方から電話をいただく。 ずばり富士見市に隣接して、ふじみ野市があるそうだ。 よほど霊峰富士をながめる格好の地帯なのだろうか。 あるいは、ウリにするネーミングによほど苦労されたか…
埼玉の上福岡が、現在はこのふじみ野市に編入されているという。 上福岡! 「アマゾンの読経」 http://www.100nen.com.br/ja/okajun/000044/20041215000826.cfm の主人公、藤川辰雄さんは伊豆大島に富士見!観音堂に移り住むまで、上福岡にお住まいだった。 上福岡の家屋敷を投じて観音堂の建立にあたった。 拙作のなかで、アルゼンチンに花嫁移民として渡った女性がパチンコ屋のエピソードを披露するが、これは上福岡駅前のパチンコ屋の話。
さて、ふじみ野の人に挨拶メールでも送ろうと、ふじみ野テレビのホームページを開いてみると。 http://www.ftv.cx/index.php?e=183&PHPSESSID=d9de46410850369822576ee3266c660c
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