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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2021年の日記  (最終更新日 : 2022/01/02)
10月の日記 総集編 ハラボジから富山妙子へ

10月の日記 総集編 ハラボジから富山妙子へ (2021/10/01) 10月1日(金)の記 司祭からの返信
ブラジルにて


さる日曜にアップした拙日記の問いかけ、特に何のリアクションもなかった。
http://www.100nen.com.br/ja/okajun/000260/20210926016257.cfm?j=1

これを、親しくしている日本人のカトリック司祭にお送りしたところ、以下の返信を昨日付でいただいた。

僕だけにとどめておくのはもったいないので、ここに紹介したい。

もう少し、ゆっくり聖書を読んでください。
イエスが一番嫌ったことは偽善です。あの当時の教会の権威者グループは、自分たちの特権を守るためにモーゼの10戒を300以上の法に変えました。
特にファリザイ派の人たちは、広場で祈りをしたり、人々に見せるために断食をしたり、その偽善は酷いものでした。
そのうえ、法を守れば天国へ行けると教えました。
彼らが手を洗ったりしたのは、衛生のためでなく、人々に見せるために行ったのです。
こうして自分では守らないことを、人々に実行を義務ずけようとしました。
あの福音の前後をゆっくり読んでください。
彼らが人前で手を洗ったのは、衛生のためでなく、この行為を人びとに見せるためでした。
偽善はイエスが一番嫌ったことことでした。
救いは神から無償で頂くものであることを否定しました。
あの当時の教会の権威者たちは、救いは神から頂くものでなく、人間の行為によるものとし、人々、特に、貧しいで人々をくるしめました。
例えば、月経は血で女性を汚れたものとし、神殿で捧げものをしなければ許されないと教え、捧げものが出来ない女性を苦しませました。
人々に法を守らせ、神殿の歳入を増やそうとしたわけで、衛生とは関係のないことした。


こんなに丁寧に綴っていただいて、恐縮な限り。
しかし僕の問題意識とのズレがあるようだ。
いま、僕が欲しているのは、このコロナ禍で今日をどう生きるか、どう感染を逃れるかの支えとなる言葉だ。

そもそも問題にした聖書の箇所をよく読むと…
イエスの弟子の何人かは手を洗わず汚れた手で食事をしたとあるが、他の弟子たち、およびイエス本人は食前に手を洗っていたとうかがわれる。

今日、先方にこちらの問題意識を新たにメールでお伝えする。


10月2日(土)の記 コリアン街にて
ブラジルにて


わが子と、コリアン料理の食べ放題の店はないかという話になり。
ネットでそれらしいところを発見。

住所はダウンタウンのコリアンタウンだ。
以前わが子が探した店は夜のみだったので、断念していた。
今度のは朝9時から!とある。

一角はかつてはユダヤ人だった。
今もシナゴーグがあり、それとわかる衣装と風体の男性も見かける。
第2次大戦後に韓国人が集まるようになり、衣服製造などに従事した。
その労働力としてボリビアなどからの人が新たに集うようになってきている。
多民族国家ブラジルのダイナミックな相の一面を垣間見ることができる。

店は14時までなので早めに、というわが子の声で、それでもわかりにくい店で到着は11時半になった。
客は誰もおらず、入り口にいた韓国女性だろう人に聞くと、あと20分したら、とのこと。

近くを歩いて時間をつぶすことにする。
と、カーニヴァルの練習のような打楽器の音が聞こえてくる。
音源に向かってみると、なんとチョゴリをまとった人たちのデスフィーレ:パレードだった。
スマホ撮り。

今日は家族サービスをメインとするため、深追いをせず。
https://www.facebook.com/jun.okamura.733/posts/10224557518460437?notif_id=1633268538552133 ¬if_t=feedback_reaction_generic&ref=notif

韓国では秋夕(チュソク)という秋のお彼岸時の行事が重要と聞いていた。
その関連かな?
写真を拡大するとhanbok(韓国の伝統衣装)と書かれている。
チョゴリのデモンストレーションか。
さらに調べてみると、10月3日は関天節という韓国の建国記念日らしい。

店で韓国人だろう女性に聞いてみるが、先方のポルトガル語も相当に厳しく聞き取りにくく、聞き取りでは詳細は不明。

さてこのお店、数えきれないほど、どれも一口ずつにも及ばないほどの品数だった。
特に目を見張ったのが、巻きずし風にきれいに飾った卵焼きと太巻き。
日本流では見た覚えのないようなセンスで、つい箸が出てしまう。

台湾のオデンの具にも日本では見たことのない美しい色合いのものがあった。
日本帝国主義が持ち込んだであろう食文化を、見事に独自に開花させたものといっていいかもしれない。
食のダイナミズムだ。

向かいには、10人ほどの大グループ。
韓国人らしき人が数人、あとは非オリエンタルなブラジル人。
とくに会話が弾むわけでもない。
コリアン経営の職場のメンバーかな。

横並びには生活感あふれる韓国人家族。
この人たちがなにを好んでいるか観察しないと。

ふと。
僕がはじめてブラジルを訪ねた頃の「日本人街」を想い出す。

韓国文化に通じた人と一緒だったら、食べ物の解説だけでもさぞ面白かろう。
途中で、あまり感じのよくないブラジル人の給仕が「冷麺はいるか?」と聞いてくる。
別料金か聞かずに頼んでしまう。

これがなんとも美味。
しかも追加料金はなし。

去年、パンデミックがなければ韓国を訪問するはずだった。
もう縁もないだろうと思ってハングル文字入門書をほったらかしてしまったけど。
味から魅かれる近くの文化。


10月3日(日)の記 味の記憶
ブラジルにて


わが家の前の大通り。
朝から酩酊した半裸の路上生活者。
「ういー、カシャッサ(サトウキビの蒸留酒。ピンガ)飲みてー」とうなるのが聞こえた。
歩行中の僕を見て「おい、カネくれよ」とせびってきた。

もちろん無視。
この集団は犬を何匹も連れているので、それも怖い。
路上の人に石で殴りかかられて負傷、犬に嚙まれての負傷といったアクシデントも付近で続いている。

今日は朝からいろいろと動く。
夕方には少し早い時間に帰宅。
夕食のプランを立てて。

今朝、路上市で「薔薇ライム」と呼ばれる見た目も味もワイルドなライムを買ってきた。
朝のおじさんではないが、これでカシャッサが飲みたかった。
かなりジューシーなライムである。

ツマミに…
干しアンズが目に入る。
ふつうは甘いものをツマミにはしないのだが。

口に含んで…
あ。
日本の亡兄を想い出した。
兄が小6の頃か。
亡母が瓶入りのアンズのシロップ漬けを買ってきた。
これを母も兄も僕も好んだ。
兄が妙な声色で「アーンズー」を叫んでいたな。

ほとんどアンズを食べることがないので、こんな50年以上前の味からの記憶がよみがえったのか。

これは一昨日だったか。
ブラジル製のジンの、はじめての銘柄を買ってきてジントニックをこさえた。
ひと飲みして。
ジャズバーが浮かんだ。

日本の大学時代、少し「ズージャ」をかじったことがある。
ジャズバーでオーダーするのが、ジントニックだったのだろうな。
中目黒に「A列車」というジャズバーがあって。
深夜2時ぐらいまでの営業で、終電の時間でも間に合った。
で、テレビ屋になってからも何度か階段を上がっていった覚えがある。
これは40年近く前。

味や匂いの記憶、歳月を経てこんなに鮮明とは。


10月4日(月)の記 世界同時断線
ブラジルにて


日本での新たなオンライン計画に向かって、あちこちとやりとり。
慎重に…

昼時に出て、銀行と買いものとグラフィティ採集から戻って、13時過ぎ。
インスタグラムにスマホ撮りした写真をあげようとするが、うまくいかない。

日本の知人がツイッターでフェイスブックの不具合をつぶやいている。
ホームワーク中のわが家族からもトラブル発生の声。

世界中か。
GOOGL系のFacebook、Messenger、Instagram、そしてブラジルでポピュラーなWhatsApp などがアウトのようだ。
僕はスマホの写真の整理にかかろうとしていたが、インスタグラムと連動しているので、見合わせる。

しょうがない、本でも読むか。
…けっきょく復帰が確認できたのはこちらの18時過ぎ。
一昨年にグーグルでグローバルな事故が1時間ほど続いたというから、それをかなり上回った。
日本の人たちは夜中だったから夜行性の人以外は事態があったこともわからなかったかもしれない。

これら関係のデータが消えちゃうんじゃないかとヒヤリとしたが。
ちょうど今日…
日本の人とのプロジェクトの件で、メッセンジャーでのやりとりだと以前にも困ったことがあったので、こちらからはメールに切り替えて連絡をしたところだった。

いくつかのラインを用いて使い分けるに越したことはなし。
思わぬ本が読めたけど。


10月5日(火)の記 ミッションインポシブル@COVID-19
ブラジルにて


さあ今日はミネラルウオーターの給水にイカネバの娘。
と、出がけに怪電話。

先方の間違いかと思ったが、連れ合いの実家からだった。
折り入っての頼みごとの由。
…カネもチカラもないが…

ああ、あの件か。
連れ合いから聞いていた。
それについてひらめくことがあった。

提案してみる。
ぜひに、ということになったが…

まずは日本側におうかがいをたてねば。
イヤハヤ。
実現可能かどうか?


10月6日(水)の記 コロナ・ブックス
ブラジルにて


急に入った身内のミッションの件で落ち着かない。
日本の方とメッセージを交換。
フランスには、電話で話す。
基本線はオッケーの見込みとなり、やれやれ。
だが予断は許さない。

日本から担いできて、読みかけだった『宮本常一と写真』が目につき、改めて開く。
これが面白い。
最近、写真や映像について考え、書いたりしていることもあり、実に刺激的。

この本で紹介されるエピソードでもっとも強烈なもののひとつを紹介しよう。
1943年、第二次大戦たけなわの時期に発行された雑誌の座談会。
日本民俗学の泰斗・柳田国男が写真家の土門拳の写真を手厳しく批判しているのが、ハラハラするほど。
宮本常一と写真については、もちろんたっぷり面白く刺激的。

この本の背表紙を見て驚いた。
なんと「コロナ・ブックス」とあるではないか。
検索してみると…
ほう、平凡社の雑誌『太陽』に由来するからコロナか。

日本の知人の編集事務所がこのシリーズも担当していて、さらにびっくり。
なんとも時宜を得たシリーズ。


10月7日(木)の記 ご近所ペルー飯屋
ブラジルにて


世界的にペルー料理の浸透と評価が進んでいるようだ。
食材も料理法も多彩なようだが、僕はわずかしか知らない。
まずは、ナマの海産物のセビッチェ。
ほかには、ううむ…

わが故郷目黒の祐天寺にもペルー料理屋ができて、なかなかの人気。
値段はけっこうなようで、かついつも満員らしく、その前を通り過ぎるにとどまっているけど。

こちらサンパウロでも複数のペルーレストランが開店したようだ。
隣駅前の雑居ショッピングセンターにもペルー料理屋があると看板で気づいた。
先日の午後、のぞいてみるとすでにランチタイムには遅く、閉まっていた。

在日本の知人がペルーのリマの庶民系料理の写真をフェイスブックにアップして。
セビッチェの他にもナマ魚料理があることを知り、ますます気になるではないか。

今日の昼。
残りものもいろいろあり、節約第一だが…
知的投資も兼ねて、ひとり行ってみることに。

雑居ショッピングセンターの地下、何軒かの小さな食べ物屋があり、客は中央の共有食事スペースでいただくシステム。
店の名は「PEZ CORAJE」、ロゴが面白い。
https://www.instagram.com/p/CUu8d-6g7bN/
いかにもペルー人のおばちゃんがひとりでがんばっている。

ふむ、セビッチェもあるが…
魚はサンピーター、名前はよろしいがアフリカ産の淡水養殖魚チラピアの化けた名だ。
これはあまり食指が動かない。

…チキンのチャーハンっぽいのを頼んでみる。
料理名は、ARROZ CHAUFA。

なにせおばさんひとり、途中でちゃんと断ってだが買い物にも立ったりして。
揚げワンタンをサービスしてくれた。
ペルー料理は中国人移民、日本人移民からの影響も取り込んでいると聞く。
紫色のトウモロコシベースのソーダも珍味。

ひとり奮闘する女性の名前はニシメさん。
まだブラジルに来て3か月だという。
向こうの会話はほとんどがスペイン語だ。
数年前に息子がブラジルに渡り、自分も来てみたらしい。

サンピーター以外にサンパウロなら生食可能なおいしい魚がいろいろあるよと伝える。
名前を書いてほしいということで書き出し。
話が深入りできないもどかしさ。
なんだかんだで1時間以上とどまるが、客は僕だけだった。

昼のみの営業、ブラジル庶民の昼飯にはちと割高。
この場所では厳しいかも…
下記は、お店のインスタグラム。
https://www.instagram.com/pezcoraje_cocinaperuana/

頼んだ料理は、いわばチキンと卵とインディカ米のチャーハン。
ちょっとエキゾチックなチャーハン、といったところ。

このARROZ CHAUFAというのを検索してみる。
CHAUFAはずばり炒飯ではないか!
ペルーに中国からの移民が伝えたという。

くらくらするダイナミズム、文化のフュージョン。

そもそも僕のはじめての南米入りはペルーだった。
つらい取材だったが、何を食べてたんだろうなあ…


10月8日(金)の記 日伯電波事情
ブラジルにて


ここにきて急に公私ともに少し身辺がワサワサしてきた。
ありがたい、と思うべきだろう。

そんななか、まさしく60年前に刊行された泉靖一先生の『インカの祖先たち』を読み進める。
ペルーの盗掘文化に想いを馳せて線引き。

夜、本番のせまるオンラインイベントの件で日本の方とZoomのテスト。
こちらも入室に手間取り、向こうは映像がフリーズになったり音声が切れたり。

どうやら日本側の電波事情のようだ。
先方は日本の地方の町から。
家庭内でほかに家族二人が携帯電話を使用するとアウトになるみたい、とのこと。

いろいろやってみて、対策を検討。
なるほど、映像をオフにするとそこそこいけるようだ。

明日もまた、本番に準じたリハをする予定。


10月9日(土)の記 間隙の韓式
ブラジルにて


いきなり公私ともにあわただしくなってきた。
追い込まれると、かえってやらずもがなのこともしておきたくなる。

午後、所用に絡めて…
ふたたびコリアンタウンに行ってみる。
先回から、一週間。
コリアン街を歩いていて、コリアンアーチスト展というのが開催中と知った。
こういうのは、思い立ったうちに行っておかないと終わってしまう。
思い切る。

受付近くにいた、いかにもアーチスト風の韓国人男性が豪華本といってもいいアーチストの写真本を渡してくる。
無料だというではないか。

会場には数名のアーチストの平面作品が飾られている。
アマゾンを題材とした絵画が印象に残る。

受付近くに戻り、先ほどのセニョールと少し話す。
いただいた本の作家は自分ではなく、その女性作家の展示を教えてくれる。
セニョールの作品もあるのですかと聞くと、案内してくれた。
なんと先ほどのアマゾンの作品がそうではないか。

作家の名は、João Choi。
https://www.facebook.com/jun.okamura.733/posts/10224588120345465?notif_id=1633820019869320 ¬if_t=feedback_reaction_generic&ref=notif

韓国から30年ほど前に移住したという。
久しぶりに、名刺の交換。
パンデミック以来、はじめてだ。
そもそも最近まで名刺を持ち歩いての外出もしていなかったし。

思い切って、この絵は販売するのか、して、いかほど?
と聞いてみる。
うーん、経済的に潤沢なら買っちゃいたいところだが…

次の予定まで、この近くに増えた現代韓国風だというカフェに思い切って入ってみる。
勝手とシステムのわからない店には入りにくいのだが。
エスプレッソ一杯、この金額なら僕の許容範囲だろう。
韓式美術展も無料で、豪華本もいただいたし。

ベーカリーを兼ねた店で、かなりの賑わい。
入り口近くの壁に向き合った席をとり、満席でもないので長時間滞在も苦にならなさそう。
先ほどの本を開いて。
いい時間だ。
日系人街には、僕にはこうして落ち着ける店がない。

次の予定が迫っている。
さあ場所柄、気をつけて雨天を歩こう。


10月10日(日)の記 人間のおろかさ
ブラジルにて


早朝より、Zoomミーティングのためのセッティング。
連れ合いの関係のプライベートのものだが、参加者は三か国からにおよんだ。
…まあ、大きなトラブルもなくすんだ。

さる火曜に頼まれて、それから奔走…
よくもこんなことが実現できたものだと思う。

日本なら法事のあとは酒だ。
ずっと心身が緊張しきっていたので、日本タイムで御神酒を献杯。

午後、泉靖一著『インカの祖先たち』ののこりを読了。
「あとがき」に書かれた泉靖一自身のあゆみに、まさしくたまげた。
僕の知っていたことには触れていないのだが。

「あとがき」の最後の謝辞の前のことばを写経する。

「日本の気違いじみた昂揚と、そのあわただしい没落の谷間にうごめいた、一片の葦の葉のような半生を通して、私の知りえた、ただ一つのことは、文明の強烈なエネルギーと、文明の罪の深さ……そして人間のおろかさである。」


10月11日(月)の記 フェイスブックの陰と闇
ブラジルにて


さあプライベートの急な大仕事も終わった。
次なる作業に着手する前段階のパソコンのデータ整理がまだまだ…

スマホの写真データを一枚一枚、ノートにデータ書きして外付けメモリーに移す作業。
誰かに送りそびれていた写真は遅ればせながら電送。

フェイスブック等にあげそびれていた写真もアップしてみる。

ネット上ではウエブ日記、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムをたしなんでいる。
それぞれの使い分け、匙加減は習うより慣れろで覚えてきた。

まさしく不特定多数に拡散したく、応じるのがめんどくさいような書き込みや問い合わせも少なくて済むのがツイッター。
フェイスブックの場合は享受する友人知人の顔も浮かび、リアクションも楽しい。
縁遠いもののつながっている人からのトンチンカンな質問がわずらわしいのだが、そういう人をブロックするのも主義に合わないし。

今回フェイスブックで、匿名でこちらの写真をシェアされてしまうことがわかった。
シェア機能があるからにはシェアは覚悟の上。
それでもシェアの許可や報告を律儀にしてくれる人は多い。
基本的に「友だち」認定の人でつながっているフェイスブックのコミュニティのなかで、あえて自分を隠してこちらの投稿データをシェアする人がいるというのは、不気味だ。

こちらの投稿を知人がシェアして、それを僕の知らない人がシェアして僕に対する基本的な理解を書いたうえでの悪意あふれる誹謗中傷が書き連ねられたこともある。
他人様の無償で提供する情報を勝手にいただいておいて、タマの届かないところで提供者を誹謗中傷。
あのNHKの手口と同様といえそうだ。
思い出してもムカつく…

写真整理が8月のクリチーバ訪問時のオスカー・ニーマイヤー美術館まできた。
これは相変わらずすばらしかった。
現地からアップしきれなかった、特筆すべき作品の写真がいくつかある。

このよろこびとおどろきは、なかまと共有したい。
フェイスブックでアップしていくと、さっそくの反響。
こちらの見落としていた点の指摘もいただいたり。

ツールは、使いようだな。


10月12日(火)の記 マリア様々
ブラジルにて


今日のブラジルは「護国聖母アパレシーダの祝日」。
聖母マリアは子どもが好きだから、ぐらいの理由だったと思うが「子どもの日」とも呼ばれている。
午後、所用で車を走らせるが、子ども寄せの着ぐるみをはべらせる店2軒、そして路上生活の子らにプレゼントを配っているらしい乗用車を見かけた。

朝、ちょうど日本のカトリック関係の人とメッセージをやり取りしていて、ひらめくことあり。
さっそく実行してみる。
味方側に敵もあることなので、慎重にいこう。

こんな日でもあり…
だいぶ前に読了して、あらためて読み直し始めてそのままになっていた本を、ふたたび最初から。
岡田温司さん著『マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女』中公新書。

実に面白く、読み耽る。
中世ヨーロッパでは、売春婦と修道女という存在が重なり合うというのにあらためて刮目。
アーチストたちの名前はほとんど頭に残らなかったけれど、だいぶ線を引いた。


10月13日(水)の記 ザ・セカンドプレイス
ブラジルにて


午前中、近所のスーパーの買い物ほか用足しをいくつか。
それでも歩行数は2千歩台。
週平均は4千歩台。
少ない。

なんだかムズムズする。
昼食後、別の買い物の錦の御旗をたてて、再エクソダス。

パンデミック中、ネットで流れてくる日本のニュースで「サードプレイス」のたいせつさ、というのがあった。
外出が制限される時に、自宅と勤務先以外の立ち寄り場所のたいせつさについて。

こちとら自宅が作業場だから、なおさらだ!
カフェに立ち寄る、まさしく錦の御旗。

午前中に「今日のグラフィティ」シリーズのインスタグラム用の写真を撮ってある。
市内のゴミ入れに貼られたステッカーの写真だが、そもそもオリジナルの印刷がゆるい。
午後、出先で別件を見つける。

思わぬ買い物もできた。
立ち寄り先のカフェで、フェイスブックにカフェの写真もアップ。
通行人のカップルが写り込んだのがいい感じだが…
ま、これはやめておくか。

今日の歩数は8500を超え、週平均も5千を超えた。
軽く汗ばみ、爽快なり。
さて、作業作業。


10月14日(木)の記 先住民が契機
ブラジルにて


気になっていた先住民に関する展示。
調べてみると、まだやっている。
事前のオンライン予約、コロナワクチン接種の証明が必要とのこと。
オンライン予約は昨日、すます。

午後、会場近くでの別の用事も抱き合わせて行ってみる。
むむ、少し道に迷いて…

かつて縁のあった場所に来てしまう。
そこの名前は先住民の語にちなんでいたことに今、気づいた。
まだ建物は残っていた。

SESCヴィラマリアーナでのアメリンディオアート展。
南北アメリカ大陸の五つの先住民のアート展。
早見だと1分ぐらいで歩き去ってしまう程度の展示量。

せっかくここまで来たのだから…
それぞれのかけ流しの映像も、ひと通り見てみる。
それによってだいぶ理解が深まった。
それぞれ数分の映像だったが、それでも椅子が欲しいな。

最近、僕にまったく連絡なしで、さる国でのアート展で僕の製作した映像が流されたらしい。
責任者不在不明で詳細がわからないのだが、だいぶいいかげんなスタイルだったようだ。
被写体の方に申し訳ない。

さて、先住民アート。
都市部のグラフィティアートとの比較考察をしてみよう。

僕のブラジルとの縁も、はじめに先住民ありきだったし。

付近のグラフィティ、カフェなども刺激的。
今日は9000歩超えとなった。


10月15日(金)の記 ストリートビューのデジャビュ
ブラジルにて


朝9時の待ち合わせで、知人らと近所でカフェ。
話は弾む。

さて。
思い切って今日、行くか。
トミエ・オオタケ文化センターで開催中のカヴァルカンティの絵画展。
この日曜までなので、いま一度。

ところで。
もう一年以上になると思う。
ネットの情報で、グーグルのストリートビューに死者が写り込むというのがあった。
オカルト話だと思って、最初はスルーした。
何度もその話題が目につくので、アクセスしてみると…
ストリートビューの撮影時に、当時は存命中だった人が写り込んでいて、現在その人が亡くなっていても画面は当時のまま、という話だった。
故人に会えてなつかしい、という感想が面白かった。

メトロの駅から地表に「あがって」、グラフィティにつられて未踏の小路に入ってみた。
さらに折れ曲がって…

あれ。
この道は。
連れ合いの実家の関係の人の作業場があったところではないか。
その人の消息がわからなくなり、僕もツレもいろいろと調べたことがある。
その時、彼女がここのストリートビューを僕に見せたと記憶する。
それを僕が覚えていたのだ。
後刻、確認するとビンゴだった。

昨日は僕がかつて深夜の作業もしたことのある建物に偶然、行きつくし。
なんだか不思議。

さあ三度目のカヴァルカンティ展。
ブラジルを代表するアーチストである彼の作品をこれだけいっぺんに見れる機会はまだあるかどうか。
トミエ・オオタケセンターでは同時開催中の展示がいずれもすごい。
最初のピエール・ヴェルガー展に圧倒されて、一度目は満腹、カヴァルカンティはもうおなかに入らなかった。

二度目にして、そのすごさがわかってきて。
三度目の今日はカヴァルカンティのいくつかを見ただけで満腹。

ああ、展示会場内に椅子が欲しい。
タダの展示だけど。
人の入りはゆるゆるで、他の客も写り込むような写真を撮るのに苦労するほど。
写真撮影もオッケーだし。

今日の鑑賞で、新たにいろいろな発見あり。
もう少し考えて、今後のオンライントークで披露できるかも。


10月16日(土)の記 じゃこピザで
ブラジルにて


今日は家族が基本的に在宅、
さあ朝はともかく、昼夜の食事をどうするか。

冷凍から下におろして何日か経つピザの生地がある。
もう危ないかもしれないが、これを使ってみるか。
さすがに自分で生地までこねてつくる気はしなかったが、至近の食料品店でこれがあった。

自分で最初からトッピングというのは初めてだと思う。
紫タマネギ、青ネギ、赤と黄のパプリカ。
チリきのこにベーコンに…
ブラジル産ジャコを使ってみよう。

日本のレシピにシラスのピザがあったが、これまたさすがに当地では難しい。
が、ありがたいことにサンパウロ州の海岸産のジャコが日本食材店で売られている。
これは煮干しのようにカチカチに乾燥しているのだが。

水に少し戻してみるか。
戻し汁ももったいないが、これまで取っておくともうわけがわからなくなりそう。
生地に薄口しょうゆを軽く塗り、トマトピューレとムッツァレイラチーズ、オレガノも。

今年の父の日にもらったピザ焼き用の石板を久々に使用。
うーむ、悪くはないではないか。
家族らにもジャコが好評。
次回はポロネギやカラブレーザソーセージあたりも用意しよう。

鎌倉でいただいたシラストースト、絶品だったなあ。
ああ、シラスが食べたい、食べさせたい。

夜はエビチリにチャーハンといたします。


10月17日(日)の記 パソコン往生物語
ブラジルにて


今月末から、日本相手のオンラインプロジェクトを開始の予定。
だが先方が公私ともに取り込んでいるのか、日時のフィックスも未定のまま。
準備や作業を開始したいが、こちらからの問い合わせに返信がなく、お手上げ状態。

と、日本の別の筋からのオンラインイベントの依頼をいただいて。
こちらの大胆な提案も受け入れてくれて、これは面白くなってきた。

さてそちらの方に拙作の動画を送ることになり…
今朝、作業をしようとして思わぬトラブルあり。

そもそものトラブルと今になって気づいたこちらの作業ミスが重なっていて、バックアップ不能。
さあ困った。

日本の関係者にバックアップも兼ねてデータを送っているのを想い出して、SOSを送信。

が、先方はそのデータを保存していないという…
原発事故同様、事故とミスの重なり合い、想定外は簡単に起こることを改めて思い知る。

感ずるところあって日本のシンパの方にも送っていたことを想い出す。
問い合わせると、保存してあるはず、とのこと。
日本の翌朝にでも作業しましょう、との救いのメッセージ。

パソコン道に僕よりずっと通ずる家族にも調べてもらうが、原因不明。

こちらの夜半、日本から送り返してもらったデータを確認、オッケー。
月末のイベントの担当にさっそく送っておく。

とりあえずの最悪の事態は免れたが。
さあ、どうしよう。


10月18日(月)の記 マスク美人
ブラジルにて


動画データ事故から、まる一日。
さあ、なにから手を付けるか。
各方面への連絡と、データ整理の再開。

近所に買い物。
午後は車で家人のドライバー業務。

さあ今日のグラフィティ採集をどうするか。
あまり行かないところ、遠出をするときは、その出先を優先している。

ちなみに、今日は雨模様。
家人を送る地区で、あらたに新作グラフィティのお宝ギャラリー地帯を発見している。
近くに車を停めて、そこを開発してみよう。
おっと、雨で芝生が湿地帯状態になっているぞ。
人通りが少なく、思わぬ死角から路上生活者が出てくる一帯。
これまた死角から疾走してくる自動車も要注意。

うー、グラフィティはよりどりみどり…
遠目でも目をひく、マスク姿の少女像を今日の一枚にするか。
https://www.instagram.com/p/CVLpA7vrkPV/

白黒の、ブラジル北東部の民衆画のような味わい。
紫のマスクが映える。
「そのマスク、よく似合うね」
と声をかけたくなる。

帰宅後、写真を吟味。
彼女のマスクの下の、口もとの位置がちょっと…
「福笑い」というのを久しぶりに思い出す。


10月19日(火)の記 『希望の十戒』
ブラジルにて


近々の日本とのオンラインイベントにまつわることで、いろいろと…

外は雨。
南半球・亜熱帯の10月半ばとは思えない冷え込み。
マスク着用だと、また眼鏡が曇るようになった。

夜、カルロス・メステレス神父共著の『O DECÁLOGO DA ESPERANÇA』を読み進める。
解放の神学の指導者でもあるメステレス師の著作は、在ブラジルの佐々木治夫神父が何冊も邦訳している。

この新著は、ずばりコロナウイルスのパンデミックをどう生きるかについて。
『旧約聖書』に書かれたバビロン捕囚から読み解いていく。

こういう本が読みたかった!
ちょうどツイッターで故・中村哲医師の「パンを欲しがっている人に鉛筆をあげてもしかたがない」といった言葉を想い出す。
ポルトガル語の本をむさぼり読む、というのはめったにないかも。

闇のなかでは、トンネルのずっと先にだけ光があるのではない。
闇のなかそのものにひかりがあるのだ。
…等々。

もっとはやくこの本を求めればよかった。


10月20日(水)の記 アンギン崩壊
ブラジルにて


「あんぎん」という言葉を想い出した。
考古学徒、縄文研究の頃に出会った言葉。

民俗的な編み物のシステムそのものをそう呼ぶのかと思って検索してみる…
おお、40年近いブランクの間にかなり研究が進んでいた。

今日の定義では縄文時代以来の技法でつくられた布そのものを呼ぶようだ。

当時の僕をはじめとするいんちき研究者の常で…
人をけむに巻くような言葉をもてあそんでも、実際にそれを体験したことがない。
裁縫は小学校の家庭科の授業でたしなんだけど。

さて、編むことの話。
映像編集。
「編む」とはよく言ったものだ。

先週木曜に見た南北アメリカ大陸の先住民の編みものに、うっとりしてしまった。
その世界に浸りたい、まどろみたい、くるまりたい。

来週から日本相手のオンラインプロジェクトが始まる。
そのための映像素材にトラブルあり。
富山妙子さんの短編に続いて『ブラジルのハラボジ』も。

今日はそもそもこちらの映像編集システム崩壊消失の危機。

…どうやら、おかげさまで最悪の事態は免れたか…

暴龍アンギラスの襲来だったか。


10月21日(木)の記 ハラボジから富山妙子へ
ブラジルにて


日本のシンパ、そしてわが子のサポートありがたく…
アウトだった『ブラジルのハラボジ』改訂版の新たな作成に朝からかかる。

デジタルのデータをアナログの極みであてていく…

もとの撮影は、西暦1996年か。
言わせてもらえば、僕のレベルでは奇跡。

あれからちょうど25年。
奇縁が重なり、この作品も契機となって富山妙子プロジェクトにつらなることになった。

おかげさまで復元は今日中に目鼻がつきそうだ。
え!?

改めて作品をチェックしていて、ぼーっと見逃していたことに気づく。
この作品のなかで、すでに富山妙子作品が出番を待ち構えていた!!


10月22日(金)の記 オヨ・グアレナ
ブラジルにて


さる日曜以来の映像素材トラブル、昨日で峠を越した感あり。
順調にいけば、あとは機械と電波状態、時間まかせ。

思い切って、サンパウロビエンナーレをのぞきにいくか。
会場まで、交通の便はあまりよくない。

歩くか。
アプリで見ると、徒歩1時間強。
自動車優先の町で、どう歩くかがカギ。

ブラジル最大のアートイベントと呼んでいいだろうビエンナーレ。
会場でだいぶ体力もいるので、歩きで疲れ切らないかがポイント。

いやはやグーグルマップも現状が反映されていないのが、いとをかし。
現場でこっちの推測と判断を要求される。

…サンパウロ市民の憩いの場所イビラプエラ公園に到着。
約8500歩。
ここが、もう少し近ければ。

ビエンナーレ入場は、対コロナワクチン接種証明の提示が必須となった。
それだけで、無料!

大会場は、通常より展示密度がだいぶ緩い。
なんだかホッとする。
展示作品も、あまりカネをかけた感がないのがよろしい。

3フロアに分かれた展示。
さっそくアマゾン地方のグループの目をひく写真群あり。

2層目の映像ブース。
洞窟探検の映像らしい。
場所も暗いので、マスクを鼻から外す。

これに引き込まれた。
スペインのオヨ・グアレナという洞窟と人間との関係のドキュメンタリー映画だった。
来週からプレイベントの始まる富山妙子さんに関する拙作上映プロジェクトを考える、大きな気づきあり。
暗闇のなかでメモ書き。

ああ、もうおなかいっぱい。
帰路も、思い切って歩く。

今日は2万5千歩以上、歩いた。


10月23日(土)の記 赤とんぼ にげた?
ブラジルにて


昨夜から日本への電送のためにアップロードしていた拙作『ブラジルのハラボジ』。
今朝、ダウンロードしてチェックしようとすると…
開かない。
なにごと?
・・・考えられるのは、別のファイルをアップロードしてしまったこと。
愕然。
とにかく、やり直す。
土曜はWi-Fiの流れもスムースかと思いきや、ところがどっこい。
アップとダウンで午後もいい時間になる。

さあ明日までの在外投票をどうしよう?
押っ取り刀で日本の上映関係者にできたてのほやほやのファイルを添え書きもそこそこに送付。

サンパウロ総領事館での投票は午後5時まで、いざ。
場所は、パウリスタ地区のビルの中。

書類チェックのあと、投票会場に入室して驚いた。
投票者は、僕ひとり。
対するスタッフは、ざっと40人。
これだけの視線を一気に浴びる。

急な選挙で、そこそこ日本語をこなす人をこれだけ集めるのもたいへんだったろう。
お、知った顔も。

何人かの担当のところをまわっていく。
日本人一世らしい女性、胸もとにトンボのブローチが。
トンボとくると、穏やかではいられない。

思い切って聞いてみる。
やはり。
ブラジルで買ったものではなく、お連れ合いがデザインしたという。
ただものではない。
ブラジルには世界最大のトンボも生息するのに、一般のブラジル人はトンボにあたるポルトガル語も知らないことがしばしば、と伝える。

近くの人も驚いて「研究者の方ですか?」と聞いてくる。
まああまり私語もできない。

さてこの在外総選挙のアナログぶりは、見事なもの。
日本同様、エンピツで書いて。
ノリ付き封筒をはがして二重に梱包…
鉛筆書きの署名や番号、宛名を何人ものスタッフが肉眼でチェックしていく。

封筒に入った投票用紙はまとめて領事クラスのスタッフがブラジルから飛行機に乗って日本まで担いでいく。
日本到着後、郵便として各選挙管理委員会に郵送する…

日本は、超アナログ立国を宣言したらよい。
わがブラジルでは、すでに前世紀からアマゾン奥地でも電子投票を実施している。

ところで、サンパウロ総領事館に置かれたエンピツ。そのメーカーは?
トンボブローチの女性もいるぐらいだから…

残念、エンピツはファーバーカステル社のものでした。
日本にはトンボ、三菱など鉛筆メーカーがあるのに…

在外公館も「日本スゴイ」を発信しながら、エンピツひとつとってもこの調子。
もはや祖国は、世界のジョークの範疇だな。


10月24日(日)の記 カレーパンマンサンデー
ブラジルにて


わが家の周辺、食のオプションが増える一方だ。
好奇心で生きてる人間としては、うれしい限り。
とはいえ「清貧」生活で、贅沢は敵なのだが。

「SANDOITI(ママ)スナックバー」という日系人の経営らしいデリバリーのサンドイッチ屋ができた。
https://www.sandoiti.com.br/
カツサンドのキムチ入りなどという僕の想像を超えたものもある。
キムチなしを頼んでみたが、値段もよろしいが味もよろしかった。

このお店、日曜だけカレーパンを販売するという。
午前11時開店。

昼食は別にこさえたが、話のタネに試してみるか。
電話でオーダー。
ひとつ10レアイス、約200円。

サイズは日本のよりひと回り小さいかな。
いっぽう具はドライカレー状で、たっぷり入っている。
日本のものはイマイチ具が物足りない感じのが多いので、これはよろしい。

週替わりでビーガン系カレーパンもあるとのこと。
今日はカボチャと枝豆、およびモヤシ。
モヤシはちょっと想像つかず。

ブラジルから日本に戻って久しい友人のことを想い出す。
彼はサンパウロ州の地方都市で、カレーパンをつくっていたことがあるという。
もう30年近く前の話だ。
時期尚早だったかもしれない。
今なら…

カレーパンと言えば揚げてあるのが日本ではポピュラー。
サンドイチさんも、揚げたて。
このあたりの由来を調べてみるかな。


10月25日(月)の記 さすらいの後悔
ブラジルにて


さて。
今週は日本とのオンラインプロジェクトが一気に二件、予定されている。

最初のは、木曜。
これは僕のトークがメイン。
構想ねりねりを先週から始めている。

メモ書き程度は書き出した。
新たにこの講義用にノートを買ってこよう。

他の残務…
ばたばたしている時に、アマゾン地方からのメッセージ。
35年前、僕が日本から通って『すばらしい世界旅行』の取材をしていた時の、旅芸人一家のひとり。

彼の兄一家とは再会して、この時の番組をDVDにして渡してある。
さらに奥地で暮らしている弟から、自分も欲しいとの希望だった。
この作品はまだこちらのパソコンに取り込んでなく、その作業用の容量を空ける作業をする余裕もない時だった。
急ぎだったら兄貴に頼んでくれ、こっちはしばし時間がかかる、と伝えておいた。

それが気になっていた。
まず作業用の素材を探すが…ない。
あるべきはずのところを再三探し、さらに捜査範囲を広げるが…
ない。

もとのVHS素材も見当たらず…
困った。
日本の実家にDVDが置いてあるかどうか…

まずは彼氏に連絡。
兄に手配はしていないという。
では、こっちの次回の訪日まで待ってくれるか、と送る。
親指OKマークをもらう。

…あちこちを探して、未整理のものの多さに愕然。
残り時間から計算しないと。

それにしても、探しものはどこですか?
あ。
彼から依頼があった時、手が空いたらすぐ着手できるように、ごく身近に置いておいた!
そのまま、いろいろごちゃごちゃが覆いかぶさって…

いやはや。
久しぶりの取り込み作業に手間取る…
ちなみに、件の番組のタイトルは「アマゾンをさすらう」。


10月26日(火)の記 「ブラジルに暮らし、ひとりで映像制作し発信するということ」を準備するということ。
ブラジルにて


さあ今週、二度もこなすことになったオンラインライブイベントの最初の部が明後日に迫った。

アマゾン地方への35年前の拙作データ送りを朝イチで済ませようと思うが…
これまた思わぬトラブル。
再処理に午後までかかる。

あいまあいまに、明後日の関西学院大学あいての講座のネタの練り練り。
https://www.kwansei.ac.jp/s_policy/news/detail/20211016_kouenkai?fbclid=IwAR2MVe6Lpg70X1p5TTZy0cEwH6U73n2yiQjEMjmQ8kGClPdaqyEqhcQBeas
90分というのはハヤクチだとけっこうな時間だぞ。
ネタは多めに用意するに越したことはない。

基本的にこれまでも話してきたような内容だが…
さる8月に亡くなった富山妙子さんにも触れてほしいとの主催者の要望、これは僕の望むところ。
富山さんは関学のある兵庫で生まれ育ったというのも奇遇。

双方向性、ライブ制を活かしたい。
それでいてローテクで。
学生たちがチャットに書き込んでくれるといいんだけど。

自分が学生の時分に聴きたかったような話を紡ぎたい。


10月27日(水)の記 微発酵
ブラジルにて


いやはや。

こちらの日付が変わると、まもなく日本相手のオンライン講座だ。

書き出したネタのディテールをネットで調べておく。
紙のA版、B版について。
映画のアスペクト比について。

ハロウインについて。
ほう、神戸がらみの面白いハロウインネタがある。

画面で見せるために、こちらのハロウイングッズを購入するか。
他の買いものを抱き合わせて。
ネタと構成を書き出したノートも持参。

出先のカフェでチェック。

夕食の支度は早めに。
さあ少し横になるか、という時におよんで、日本から!!

いやはや。


10月28日(木)の記 Zoomノ乱
ブラジルにて


関学相手のZoom講演の開始は、こちらの午前1時30分。
けっきょく事前のテストは、なしとなり、主催者から午前0時につないでみてくださいとの指示。

よりによって、その時にこちらのWi-Fiが断線。
そしてなぜかこちらのZoom設定が変わってしまっていた!

…ひるませる事態が続く…
いろいろ講演中にお見せする物品も用意していたが、回線事情が悪いので、こちらのビデオをオフにしてトーク。
トークにありて、おもふもの。

不測のトラブル続きで、こちらも混乱。
授業終了時間と、延長可能時間のリミットをまちがえてしまい、ごめんなさい。

終了後もなかなか退室しない学生が多く、授業終了時より1時間以上オーバーして、チャットでもらうメッセージや質問に答えていく。
オーバー時間に、思い切ってビデオをオンにすると、問題なし。

いやはや。 
午前4時半前に終了。
アルコールのちからを借りよう。

…のちにしばらく横になる。
今日は28日。
聖ジューダスの縁日だ。
古書市も立つとのことで、行ってみる。

コロナ禍も落ち着いてきたせいか、かなりの人の出。
傷心を紛らわせるのに、人の賑わいは格好だな。

さあ本命の30日のZoom上映の準備諸々もあり。


10月29日(金)の記 PINKFONG潜入
ブラジルにて


『ブラジルのハラボジ』オンライン上映、当地の明日早朝から。
富山妙子さん関連上映の関係者間でのプレイベントだ。

モチベーションを高め、トークのネタの足しに…
サンパウロの目抜き通りにオープンしたコリアン文化センターに行ってみることにした。

先週土曜、在サンパウロ日本国総領事館への在外選挙のついでに寄ってみようかと思った。
と、17時までの開館で16時半ぐらいでビルの外まで列があるではないか。
断念した次第。

今日は午前中から挑む。
受付で検温。
入場すると…

さながらショッピングモールの子供向けイベント空間。
母親らしき女性たちと、幼小児ばかり。
あたりには僕にはなじみのないお子ちゃま向けキャラクターが描きめぐらされている。
コリアンっぽさはまるでない。

いったん退場して、セキュリティのおじさんに、これはコリアンカルチャーセンターの展示なのかと確認したほど。
韓国生まれのキャラクター群なのかな。
PINKFONGというらしい。

いわば…
日本のサンリオみたいなものか。
成人男性、しかもオトナがひとりで来ているのは僕だけのようだ。
違和感。
セキュリティのおじさんに「次回は韓国の食の展示だから」と慰められる。

帰宅後、ブラジルのコリアンコミュニティについての資料をチェック。


10月30日(土)の記 アートで上書き
ブラジルにて


さていよいよ。
サンパウロ時間午前5時30分Zoom入室。

富山妙子プロジェクトの東文研・真鍋先生主催で拙作『ブラジルのハラボジ』を関係者とオンライン上映。
…とくに大きな事故はなかったようで、まずはなにより。

終了後は、日本時間に合わせてイッパイいただく。

イベント中も、終了後もいろいろなコメントをちょうだいする。
ああすればよかった、こうするべきだった、という反省もあり、興奮冷めやらず。

午後から、ミュージアムに行くことにする。
わが家からメトロで二駅、徒歩圏ぎりぎりのラゼル・セガル美術館へ。
僕のお気に入り。

今日、ズーム参加いただいた富山さんの遺族から、見落としていた貴重なことを教えてもらった。
それもあってよけい、このミュージアムの目玉であるラゼル・セガルの絵画『移民船』に向き合いたかった。

ミュージアムの開館は確認していたが、常設展は閉鎖中だった。
お気に入りのカフェも閉業中。
Eduardo Berliner というブラジルの画家の特別展があった。
https://www.facebook.com/jun.okamura.733/posts/10224707528170586?notif_id=1635626829115340 ¬if_t=feedback_reaction_generic&ref=notif

これには、たまげた。
な、なんなんだ。
夢うつつの世界。
画家の力量はたいしたもの。
それいて「PTA」系が目を吊り上げるようなものを、あえて描く。

これは収穫だ。
かつての日本の少年マンガ誌の定番だった怪奇系の特集に添えられた挿絵を想い出す。
ヘロニムス、ダリ…

富山妙子さんのコメントが聴いてみたかった。


10月31日(日)の記 すしの日前夜
ブラジルにて


ツイッターで「11月1日は『すしの日』」というのが流れてきた。
それは知らなんだ。
で、なんで?
意外とこういう疑問を持つ人は少ないようだ。
そもそもツイッターは字数も短く、それには触れていない。

ハロウイン騒ぎで疲れた心身のリフレッシュと日本回帰のため、とか?
検索してみると、西暦1961年の制定。
それでいて、なぜこの日かという由来については、すでに諸説あるではないか。
さすがは公文書の改ざんがまかり通る極東の超アナログ国である。

さて。
スシが食べたくなった。
外では高い。
自分でつくる。

イワシの酢締めがある。
路上市でマグロの腹肉を購入。
ちょっと臭みがあるので、薄口しょうゆとみりんのヅケにしておく。
キュウリを塩こうじ漬けにして。
海鮮チラシをおいしくいただく。

そうか、スシの起源はナレズシ:発酵食品だな。
わがスシ嗜好も発酵食志向の故かも。
そうだ、米酢そのものが発酵調味料か。

自家製イワシの酢締めは日数が経っているので、すでに発酵食の部類に入るかもしれない。




  


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