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松井太郎さん
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松井太郎さん (2022/11/08)
「ブラジルに来たお陰で、好きな小説を書くことができた」―。サンパウロ市ジャルジン・インペラドール区に在住する松井太郎さん(93歳、兵庫県神戸市出身)。卒寿を超えた今も精力的に作家活動を続ける松井さんだが、このほど小説作品集『ブラジル日本人作家 松井太郎小説選 うつろ舟』が、日本の松籟社(しょうらいしゃ、京都市)から発刊された(2010年11月当時)。
還暦(60歳)を機会に本格的に書き始めたという松井さんの小説は、ブラジルでの自らの農業体験と空想に基づき、細やかな描写とストーリーの展開が読者を惹きつける。
日本では小学校しか出てない松井さんだが、幼少の頃から「本の虫」で、森鴎外、永井荷風をはじめ、「日本の文学はほとんど読み尽くした」というほど読書が好きだった。
神戸では運送業に携わっていたが、川崎造船に勤務していた父親・貞蔵(ていぞう)さんが家長として渡伯を決意。1936年、「もんてびでお丸」により、一家8人で海を渡った。松井さんは当時、19歳だった。
サンパウロ州の「マリリアの手前」(松井さん)に入植し、約10年にわたって綿生産などを行い、戦争中に結婚したことを機会に、気性が激しく性格的に合わなかった父親から独立。戦後、モジ・ダス・クルーゼス市近郊のリオ・アシーマに転住し、トマトなどの野菜づくりに励んだ。
その間も好きな読書は続け、サンパウロ市リベルダーデ区にあった日系書店に通い、「『のんき堂』の主人とはアミーゴだった」という。
書き上げた作品集について「それまでに頭の中に筋書きは持っていた」という松井さんは、還暦を迎えてから本格的に小説を書くことに専念。これまでに20を超える作品を生み出し、『コロニア文学』『のうそん』『ブラジル日系文学』などに発表してきた。
今回、日本で出版された『うつろ舟』は、ブラジル奥地を流れる河が舞台。日系2世である主人公の神西継志(じんざい・つぐし)が、過去に犯した事件の傷を引きずり、日本人としての臨界を彷徨(さまよ)いながらも、仁義を貫き人間らしく生きていくことの大切さがメッセージとして込められている。
同書は長編『うつろ舟』をはじめ、『狂犬』『廃路』『堂守ひとり語り』『神童』の短編4作も盛り込まれている。
松井さんは『うつろ舟』の実際に見てきたかのような細かい描写について、「特に取材をした訳でなく、あくまで空想で書いた」というが、主人公と自分自身の体験が重なるところもあるそうだ。また、「自然の力との戦いをしながら、自分を鍛え上げる部分は、『宮本武蔵』の影響を受けた」とも。
日本での出版が実現したことについて松井さんは、「今までコロニア(ブラジル日系社会)では反響が無く、死んでからでも良いから評価してくれる人がいればとの希望を持っていたが、本当にびっくりした」と喜びを表す。
「書く以上、自己主張はあるが、一口で言うと本当に好きなことをやってきた。それもブラジルに来たお陰で、ありがたいと思う」と松井さん。現在も「清書すれば、二つ三つ良いのはある」とし、さらなる作品づくりに意欲を見せていた。(2010年11月号掲載)
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